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スクナビコナとおむすびころりん③―アマノジャクの悪だくみ!お下劣なるパクリの美学!!―
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『いやー、昨日は本当に楽しかったよね!』
「うん、そうだな!」
夜が明けて、朝になると同時にスクナビコナとチュルヒコは連れ立ってネズミの穴を出る。
昨晩は結局夜遅くまで宴会を楽しみ、ネズミの穴の中で眠ってしまった。
そしてつい先程、ハツカノミコトたちに別れを告げ、最初に穴に入った入り口から出てきたのである。
『あーあ、それにしてもここでも僕は〝ネズミタケル〟にならなきゃならないのか。一体いつになったら僕は〝チュルヒコ〟って名乗れるんだろう』
「ふん、まだそんなことを言ってるのか。言っておくが、お前はこの地上にいる限りは〝ネズミタケル〟のままだ」
『ええーっ、そんな……』
スクナビコナの言葉を聞いてチュルヒコは歩きながらガックリとうなだれる。
「ははっ、お前はこの地上でこれからも〝ネズミタケル伝説〟を作り続けるんだよ!そしてお前の存在はネズミたちによって子々孫々に至るまで後世に語り継がれるというわけだ!」
『お、重い…。それは僕にはあまりにも荷が重過ぎるよ……』
「ハッハッハッ、そんなに難しく考える必要はないよ!」
相変わらず気が重そうにしているチュルヒコがつぶやいた言葉を、スクナビコナは笑い飛ばす。
「ネコを退治したときや、さっきネズミたちの協力を得たときみたいに、目の前の問題を一つ一つ解決していくだけさ。つまり今までとやり方を変える必要は全くない。あくまでこれまで通りってことだな」
『…そうか、うまくいくといいけど……』
スクナビコナの言葉を聞いてもチュルヒコはあくまで悲観的に言う。
「あっはっはっはっ、なあに、うまくいくさ。いや、必ずうまくいかせてやる!」
それでもスクナビコナは楽観的な姿勢を崩すことはない。その言葉にも力強さがみなぎっている。
「さあ、ひとまずクエビコ様の元に戻るとしようぜ。まあ、急ぐ必要もないけどな」
『うん、そうだね』
こうしてスクナビコナとチュルヒコはのんびりとクエビコの元へ向かって歩いていくのだった。
『クックックックッ!』
「フッハッハッハッハッ!」
スクナビコナとチュルヒコの様子をいくらか離れた場所から盗み見ながら笑っている一人と一匹の影。アマノジャクとドブヒコである。
『いやー、アマノジャク様。あいつらどうしようもないバカどもですぜ!俺たちがずっと後ろからつけていたことに気づきもしないで』
ドブヒコがスクナビコナとチュルヒコをあざける。
「まったくだ!おかげで今の今まで、あいつらがどうやってネズミどもをうまくたぶらかしたのかを、完璧に知ることができたというわけだ!」
そんなドブヒコにアマノジャクも同調する。
『おかげで昨晩はどさくさにまぎれて、俺たちも宴会に参加して、ネズミどもの飯をご馳走になってやりやした。一晩ただ飯食らいとは我ながらうまくやってやったと思いやすぜ!』
「何をせこいことをぬかしてやがる!」
ドブヒコの言葉を聞いたアマノジャクは一喝する。
「俺はネズミどものクサイ飯なんぞではまーったく満足できやしねえぜ!」
『な、なんと!』
突然のアマノジャクの言葉にドブヒコは驚く。
「俺はネズミどもからたーんまりとお宝を受け取ってやらなきゃ気が済まねえ!」
『お、お宝?しかしネズミどもの穴の中ではそんなものはどこにも見えやしませんでしたぜ』
「ふん、あそこのネズミどもは弱いくせに根性のねじ曲がったやつらだ。どうせどこかにお宝を隠してやがるに違いねえ!」
『そ、そうか!さすがアマノジャク様、悪知恵が働…、いや本当に賢い!』
「ハッハッハッ、スクナビコナとチュルヒコはお人好し過ぎてそれを見落としたんだろうよ!だがこのアマノジャクはぜえーったいに見逃さん!」
『で、でもいったいどうやってそのネズミどものお宝ってのを手に入れるんで……?』
「ハーッハッハッハッ、愚問だな、ドブヒコよ」
ドブヒコが疑問を呈しても、アマノジャクの自信は一切揺らぐことはない。
「まずはこっちもネズミの穴におにぎりを投げ入れる。そしてあいつらにたんまり礼をさせるのよ!」
アマノジャクは自慢げに自分の計画をドブヒコに説明する。
『す、すげえ、さすがアマノジャク様だ!このドブヒコ、一生あなたについて行きやすぜ!』
ドブヒコもアマノジャクの考えを絶賛する。
「ハッハッハッハッ、甘ちゃんのスクナビコナはネズミどもといくらか仲良くなったくらいだったが、このアマノジャクはネズミどもからお宝を、いや全てを奪ってやる!」
『クックックックッ、いやー、アマノジャク様。あんたは本当にえげつないぜ!』
「フッハッハッハッ、まずはスクナビコナのやり方をパクってパクってパクリまくる!そして最後のところでヤツを出し抜く!これがこのアマノジャク様の〝成功の方程式〟だ!」
『完璧だ!完璧すぎるぜ!…あっ、そういえば……』
そのとき、ドブヒコがふと、あることに気づく。
「うん、なんだ?」
『俺たちがネズミ穴におにぎりを投げ入れるためには、おにぎりをクエビコの元から盗む必要がありやす。でも俺たちがここでいつまでも喋っていたら、その間にスクナビコナたちが先にクエビコの元にたどり着いてしまい、そうなるとおにぎりを盗むのが面倒に、グフッ……』
話をしている途中でドブヒコは突然アマノジャクに頭上から殴られてしまう。
「その程度のことをこのアマノジャク様がわからないはずがないではないか!さあ、ドブヒコよ!クエビコの元に急ぐぞ!」
そう言うと、アマノジャクはクエビコの元にスクナビコナたちよりも早く着かんと全速力で走り出す。
『…あ、あんた、絶対に話すことに夢中でおにぎりのこと忘れてただろ……』
ドブヒコは愚痴を言いながら、アマノジャクのあとを追うのだった。
「うん、そうだな!」
夜が明けて、朝になると同時にスクナビコナとチュルヒコは連れ立ってネズミの穴を出る。
昨晩は結局夜遅くまで宴会を楽しみ、ネズミの穴の中で眠ってしまった。
そしてつい先程、ハツカノミコトたちに別れを告げ、最初に穴に入った入り口から出てきたのである。
『あーあ、それにしてもここでも僕は〝ネズミタケル〟にならなきゃならないのか。一体いつになったら僕は〝チュルヒコ〟って名乗れるんだろう』
「ふん、まだそんなことを言ってるのか。言っておくが、お前はこの地上にいる限りは〝ネズミタケル〟のままだ」
『ええーっ、そんな……』
スクナビコナの言葉を聞いてチュルヒコは歩きながらガックリとうなだれる。
「ははっ、お前はこの地上でこれからも〝ネズミタケル伝説〟を作り続けるんだよ!そしてお前の存在はネズミたちによって子々孫々に至るまで後世に語り継がれるというわけだ!」
『お、重い…。それは僕にはあまりにも荷が重過ぎるよ……』
「ハッハッハッ、そんなに難しく考える必要はないよ!」
相変わらず気が重そうにしているチュルヒコがつぶやいた言葉を、スクナビコナは笑い飛ばす。
「ネコを退治したときや、さっきネズミたちの協力を得たときみたいに、目の前の問題を一つ一つ解決していくだけさ。つまり今までとやり方を変える必要は全くない。あくまでこれまで通りってことだな」
『…そうか、うまくいくといいけど……』
スクナビコナの言葉を聞いてもチュルヒコはあくまで悲観的に言う。
「あっはっはっはっ、なあに、うまくいくさ。いや、必ずうまくいかせてやる!」
それでもスクナビコナは楽観的な姿勢を崩すことはない。その言葉にも力強さがみなぎっている。
「さあ、ひとまずクエビコ様の元に戻るとしようぜ。まあ、急ぐ必要もないけどな」
『うん、そうだね』
こうしてスクナビコナとチュルヒコはのんびりとクエビコの元へ向かって歩いていくのだった。
『クックックックッ!』
「フッハッハッハッハッ!」
スクナビコナとチュルヒコの様子をいくらか離れた場所から盗み見ながら笑っている一人と一匹の影。アマノジャクとドブヒコである。
『いやー、アマノジャク様。あいつらどうしようもないバカどもですぜ!俺たちがずっと後ろからつけていたことに気づきもしないで』
ドブヒコがスクナビコナとチュルヒコをあざける。
「まったくだ!おかげで今の今まで、あいつらがどうやってネズミどもをうまくたぶらかしたのかを、完璧に知ることができたというわけだ!」
そんなドブヒコにアマノジャクも同調する。
『おかげで昨晩はどさくさにまぎれて、俺たちも宴会に参加して、ネズミどもの飯をご馳走になってやりやした。一晩ただ飯食らいとは我ながらうまくやってやったと思いやすぜ!』
「何をせこいことをぬかしてやがる!」
ドブヒコの言葉を聞いたアマノジャクは一喝する。
「俺はネズミどものクサイ飯なんぞではまーったく満足できやしねえぜ!」
『な、なんと!』
突然のアマノジャクの言葉にドブヒコは驚く。
「俺はネズミどもからたーんまりとお宝を受け取ってやらなきゃ気が済まねえ!」
『お、お宝?しかしネズミどもの穴の中ではそんなものはどこにも見えやしませんでしたぜ』
「ふん、あそこのネズミどもは弱いくせに根性のねじ曲がったやつらだ。どうせどこかにお宝を隠してやがるに違いねえ!」
『そ、そうか!さすがアマノジャク様、悪知恵が働…、いや本当に賢い!』
「ハッハッハッ、スクナビコナとチュルヒコはお人好し過ぎてそれを見落としたんだろうよ!だがこのアマノジャクはぜえーったいに見逃さん!」
『で、でもいったいどうやってそのネズミどものお宝ってのを手に入れるんで……?』
「ハーッハッハッハッ、愚問だな、ドブヒコよ」
ドブヒコが疑問を呈しても、アマノジャクの自信は一切揺らぐことはない。
「まずはこっちもネズミの穴におにぎりを投げ入れる。そしてあいつらにたんまり礼をさせるのよ!」
アマノジャクは自慢げに自分の計画をドブヒコに説明する。
『す、すげえ、さすがアマノジャク様だ!このドブヒコ、一生あなたについて行きやすぜ!』
ドブヒコもアマノジャクの考えを絶賛する。
「ハッハッハッハッ、甘ちゃんのスクナビコナはネズミどもといくらか仲良くなったくらいだったが、このアマノジャクはネズミどもからお宝を、いや全てを奪ってやる!」
『クックックックッ、いやー、アマノジャク様。あんたは本当にえげつないぜ!』
「フッハッハッハッ、まずはスクナビコナのやり方をパクってパクってパクリまくる!そして最後のところでヤツを出し抜く!これがこのアマノジャク様の〝成功の方程式〟だ!」
『完璧だ!完璧すぎるぜ!…あっ、そういえば……』
そのとき、ドブヒコがふと、あることに気づく。
「うん、なんだ?」
『俺たちがネズミ穴におにぎりを投げ入れるためには、おにぎりをクエビコの元から盗む必要がありやす。でも俺たちがここでいつまでも喋っていたら、その間にスクナビコナたちが先にクエビコの元にたどり着いてしまい、そうなるとおにぎりを盗むのが面倒に、グフッ……』
話をしている途中でドブヒコは突然アマノジャクに頭上から殴られてしまう。
「その程度のことをこのアマノジャク様がわからないはずがないではないか!さあ、ドブヒコよ!クエビコの元に急ぐぞ!」
そう言うと、アマノジャクはクエビコの元にスクナビコナたちよりも早く着かんと全速力で走り出す。
『…あ、あんた、絶対に話すことに夢中でおにぎりのこと忘れてただろ……』
ドブヒコは愚痴を言いながら、アマノジャクのあとを追うのだった。
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