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【Web オリジナル】 地下都市と『紅炎の魔女』
『光牙の魔女』と『深淵の魔女』
しおりを挟むガルソ新王国。
ネルティエ・グライエスの新女王就任後、ブレイニル帝国からの物資によって回復したガルソ王国内の景気は民衆の間でも評判が良く、若き女王ネルティエの評価も上がっていると言える。
ノルーシャが建国に携わったとは言え、実質的に何かを成したという訳ではないがとにかく、背景にノルーシャが関わっていた事についてはヨミも知っていたが、昨今の状況や事情などを含め、スイとユーリにガルソ王国の状況について説明されたヨミは「ほほう」と興味を惹かれたような反応を示して返事を返した。
「数百年という歳月が流れ去ったというのに、未だに『魔女』の威容を借りねば自立できない者共とは。情けない限りじゃのう」
先王らをたった一言、そうした言葉で評したヨミの言葉に一行は苦笑を浮かべることしか出来なかった。
地下都市フォルタから続く転移魔法陣によって、再びスイ達一行はガルソへと戻ってきた。
慌ただしく急ぎフォルタのあるリヴァーステイル島へと渡ってからというものの、改めてこの島にはかの『螺旋の魔女』ノルーシャは既にいないものだと思うと、スイの胸中にも寂しさが込み上がる。
表情に影を落とすスイの僅かな変化。それに気付いたのはヨミであった。
「ノルーシャの死がそんなに悲しいのかの、スイ」
唐突な物言いにスイがヨミへと振り向くと、ヨミはスイに視線を向けぬままに続けた。
「『魔女』は呪われた存在じゃ。死にたくても死ねば呪いが――狂化が暴発して全てを巻き込み、かと言って生き永らえればそれだけ悪夢が続く。
マリステイスがお主に託した答えは確かに重い。重いが、それは『魔女』にとっての唯一の安寧よの」
「……分かってます。分かってはいるんですけどね……」
だからと言って、大切な人がいなくなってしまった事実をあっさりと乗り越えられるか。
そう言われれば、誰しもがそう答えるしかないだろう。
ネルティエやルスティアにとっての親代わりでもあった、『螺旋の魔女』ノルーシャ。彼女はスイにとっても親のような存在であったと言っても過言ではないだろう。
ヴェルディア王国の王都ヴェルにある孤児が暮らす教会。
その教会では環境が自分達はあくまでも孤児であると理解させ、いくら神父であるエイトスや他のシスター達が親身になってくれてはいても、どこか他人であるという印象はスイの中でも拭えなかった。
しかし、ノルーシャは違った。
スイの出生を知り、その真実を知っている存在。
確かに親ではないが、この3年間で培ってきた関係は親のそれとほぼ同義であった。
だからこそ、スイもまたノルーシャに対しては親近感を強く抱き、親であるとも言えた。
「悲しむな、とは言っておらん。じゃが、ヒノカやノルーシャら『魔女』からしてみれば、それでお主がお主自身を責めるというのは決してやって欲しくはなかろう。
この時代に。お主に『魔女』の問題を背負わせたのは他ならぬ『魔女』じゃ。それを逆恨みするようなヤツは……恐らく、一人ぐらいしかおらぬ」
「一人はいるんですか……」
多少の間が空いたと思えば、恨まれているかもしれないとヨミは告げる。
空気を和らげようとした冗談かと思いきや、スイがヨミを見つめると、彼女はしばし逡巡する様子を見せて顎に手を当て、視線を落としていた。
「……『光牙の魔女』、レシュール。あやつは『深淵の魔女』シアと仲が良かった女での。
マリステイスが未来へと託すという選択をした際、あやつだけは何かを疑っておるような素振りを見せておった気がしたのじゃが……はて。
もしかしたら、あやつだけは一筋縄ではいかぬやもしれぬ。敵対するまでもいかずとも、ノルーシャのように協力的とは言えぬかもしれぬのう」
スイが今までまだ出会ったことのない、残り二人の『魔女』。
一人はファラが得意とする黄金色の光の魔法を得意とする『光牙の魔女』レシュール。
もう一人は、ユーリが操る闇の魔法を得意とする『深淵の魔女』シア。
二人がもしも手を組んでいたら……?
――そこまで考えて、スイはかぶりを振った。
考えてみるだけでは、どうせ何も変わりはしないのだと自分に言い聞かせて。
「お久しぶりです、ヨミ」
「うむ。元気そうで何よりじゃの、シャオよ」
ガルソ王国内の魔法陣を使って、スイ達はノルーシャの暮らしていた家。つまりはこの三年間をスイが過ごしていた、森の中のログハウスへと立ち寄った。
そこで報せを待っていたノルーシャに仕えていた賢虎、シャムシャオと再会を果たしたヨミは、互いに人の姿を取ったまま顔を合わせた。
――――かつて、『狂化』の一件で『魔女』が一堂に会した時、まだ幼かったシャムシャオとファラを世話していたのが、他でもないヨミであった。
シャムシャオとファラは歳の差もあまりない姉妹のような間柄ではあるが、ヨミはそんな二人よりも年長の姉のような立場にあるのだ。ヨミにとっては、シャムシャオとファラはまだまだ幼い妹。それも娘と呼んでも過言ではないだろう歳の差を有している存在である。
そんな3人が、こうして数百年の時を跨いで再び相見えるというのは、些か不思議なものだ。そう考えてヨミはふと小さく頬を緩め、くすりと笑うとシャムシャオの白い髪を撫で付けるように頭に手を置いた。
「お主の主も、もう逝ったか」
「はい。家族に見守られ、最期は安らかに」
「……そうか。
こちらは無事とは言い難かったが、何とか誰も巻き込まずに逝けた。
ヒノカの最期を邪魔した者にはキツい仕置をくれてやらねばな」
互いに主をようやく〈狂化〉という呪縛から解放することができた。しかし同時に、主なき世に自らもまだ残っているという現実を前にして、言い知れぬ喪失感を胸にした二人だ。互いに感じるところはあったのか、それ以上の会話は必要なく、お互いの情報を交換するという話し合いの場を設け、その日はログハウスに一行が泊まるという形になった。
「――アルドヴァルドが放った『魔人』、アンジェレーシアですか」
一通りの話を聞いて、シャムシャオが着目してみせたのは『魔人』と呼ばれる存在について、であった。
生前ノルーシャが危惧していた、第二・第三の『銀の人形』と同じような〈魔導兵器〉である『魔導人形』。そして、『魔獣』と呼ばれる真っ黒な体毛に赫灼とした瞳を携えた存在。
そうした実験からアンビーがかつて考案したものの封印したとされる、『魔人化計画』。魔力を扱うことに長ける女児に術式を施すことで『魔獣』の力を宿すという、禁忌となった非人道的実験によって生まれた、金髪の少女アンジェレーシア。
地下都市フォルタでの一件と、アルドヴァルド王国が『魔人』を使って『宝玉』を集めようとしているという事実は、ノルーシャが危惧していた予想が的中していたことに相違ない。
「嫌な予感に限ってよく当たるものですね、まったく」
シャムシャオの一言には、その場にいた全員も同意を示さざるを得なかった。
「しかし、そうなってくると……」
「うむ。やはりシアはともかくとしても、レシュールあたりがアルドヴァルドに関わっていると考えるのが妥当じゃろうの」
シャムシャオの視線を引き継いでヨミが答える。
シャムシャオが続けようとしていた通りの言葉が返ってきた事実に、シャムシャオが一つ嘆息した。
「ちょっと訊いてもいいかな?
『魔女』はマリステイスに〈狂化〉の解放を頼んで、その結果として現代まで眠っていた。
――なのにどうして、その『魔女』が『宝玉』を狙うなんて事態が発生したんだろう?」
スイの質問はもっともであった。
『魔女』は〈狂化〉から解放されるためにマリステイスに協力を要請したのだ。
残念ながら万事解決とはいかずにスイにその役目が引き継がれる結果になってしまったが、そうした事実を了承した上で、『宝玉』を与えられたのが『魔女』である。
――――そもそも『宝玉』は、〈狂化〉を抑える為の装置だ。
『魔女』の〈狂化〉とはつまり、膨大な魔力の生成によって身体という『器』が傷つき、暴走するといったものだ。それは普通であれば問題ないが、代々の『魔女』によって継承された力が過剰な大きさとなり、〈狂化〉を発生させる原因となる――とは、かつてノルーシャから説明された内容であった。
例え魔法を使ったりせずとも、人の身体は呼吸するのと同じように身体から魔力を放出し、生成することになるのである。それだけでも、〈狂化〉は徐々に――確実に『魔女』の身体を蝕んでいく。
次に『宝玉』とは、『魔女』の持つ魔力と数値にすれば同等の魔力を有し、生成し、周囲に撒くという効果を齎すのだ。
体内と体外の環境を一定に保つこと。
それが〈狂化〉の進行を遅らせる唯一の手段である、とマリステイスが考え、『宝玉』を創り出した。
その結果、恐らくはマリステイスは――力を失ってスイに全てを託したのだろう。
もともと『無』の力はマリステイスにも扱いが難しいものであり、『魔女』を消すという力は彼女には扱えなかったのだ。だから『魔女』は現代まで、長い眠りに就いたのである。
そもそもマリステイスが十全に『無』を操れたのならば、スイが『魔女』の最期を託されるはずがないのだ。
――――これはノルーシャから語られた。
そうした話を鑑みても、『魔女』がどうして『宝玉』を狙うような真似をするのか。
『宝玉』がなくなってしまえば、当然『魔女』の〈狂化〉は早まる。
その点だけを考えても、それを『光牙の魔女』レシュールがやろうとしている理由が、どうしてもスイには見えてこなかったのだ。
スイと同様に、ユーリやタータニアもまたその理由に思い当たる節がある訳ではない。
それぞれが沈黙する中、それを破ったのはレシュールであった。
「レシュールがどうして『宝玉』を狙うのか。
その理由を話すには、当時のことを語る必要があるのう」
静かに、瞑目して当時を思い返すような素振りを見せながら、レシュールはゆっくりと口を開いたのであった。
――――時は遥かに遡る。
◆ ◆ ◆
「――どういうことだ、マリステイス!」
マリステイスの住まう空中を浮遊する大地。
普段ならば、穏やかなマリステイスとファラスティナの二人が住んでいるこの場所には似つかわしくない、剣呑とした怒声が響き渡った。
青の魔法を歌う『氷界の魔女』――レイリア。
赤の魔法と踊る『紅炎の魔女』――ヒノカ。
緑の魔法と共に駆ける『螺旋の魔女』――ノルーシャ。
黄の魔法を喚ぶ『断崖の魔女』――アンビー。
白の魔法で照らす『光牙の魔女』――レシュール。
黒の魔法に誘う『深淵の魔女』――シア。
そう呼ばれた、このエイネスを代表する偉大な『魔女』が集うその場所で、叫ぶような声をあげたのは『光牙の魔女』レシュールであった。
彼女の叫び声に、幼い子供の姿で立っていたファラスティナとシャムシャオ、それに二人の面倒を見ていたヨミの視線が集まった。
その先では、同席していた『魔女』達もまた一様に暗い表情を浮かべて沈黙していた。
「さっきも言った通りよ。
アナタ達の〈狂化〉を止めて安らかな死を迎える。
その願いは、私には叶えられそうにない」
まっすぐレシュールの瞳を見つめて、マリステイスは続けた。
「〈狂化〉を抑えることは出来るけれど、解放するとなると私には力が足りない。
せいぜいアナタ達に対して私ができる事と言えば、その時間を伸ばすことぐらい。
ごめんなさい、アナタ達をすぐに助けることができなくて」
――告げられた残酷な現実を前に、誰もが言葉を失った。
―――――『白銀の魔女』と言えば、エイネスの誰もが知る現人神とも呼ばれる存在だ。
『災厄が振りかかる時、白銀の長い髪を有した彼女が地上に姿を現し、救済を与えてくれる』といった内容のお伽話は、エイネスを生きる誰しもが耳にしたことのある有名なお話である。
そんな彼女をなぞらえて名付けられる、偉大な魔法使いの称号こそが、『魔女』の称号である。『魔女』と呼ばれる通り、女性の魔法使いであり、歴史に名を残すほどの実力者にのみ与えられる、民衆の畏敬の念が込められた称号。
男性と女性とでは魔力の扱いやその繊細な技術といったものに関して差が生じるため、男性でありながらそこまで魔法の高みに上れる者は決して多くなく、そういった者はまた『賢者』と名乗っているが――それはさて置き。
しかし、『魔女』として名を残していた者は須らく〈呪い〉を継承させられる。
それこそが、〈狂化〉という身体を蝕むものである。
〈狂化〉というものが一体どういったものなのか。
それを知らしめる事件が、この場よりもさらに古い時代を生きた一人の『魔女』――『時の魔女』と呼ばれた女性による、〈狂化〉の発症だ。
メルディアート大陸――すでに〈死の大陸〉と名前を変えてしまったその場所で、『時の魔女』は〈狂化〉を発症し、完全なる『狂化した魔女』という個体となって、たった数日で大陸を文字通りに死滅させた。
生きとし生けるもの全てが宿す魔力、空気中にある魔力の源――魔素。そういったものを全て喰らい尽くし、生き物が生きていけない大陸を作り上げる存在に成り果てる。そうした事実を身を以て体現する形になってしまったのだ。
以降、代々の『魔女』は自らが〈狂化〉する危険をどうにか回避すべく、代々に渡って弟子を取り、弟子に自身の魔力と魔法の全てを継承させてきた。〈狂化〉の兆候を知った当時の有力な魔法使いもまた魔法を自ら封じ、化け物とならぬように自ら命を断った者すらいるという。
その事実を、この場にいる六人の『魔女』が知ることになったのは、先代より今際の際に全てを託される瞬間であった。
何も知らずに力を求め、結果として与えられた膨大な力と代償。
繰り返されてきた呪いの連鎖を断ち切り、自分達こそが最後の『魔女』であろうと決め、それまで散り散りであった『魔女』が一堂に介した。
しかしながら、その解決法は見つからなかった。
そんな折、『白銀の魔女』に導かれるように六人は目の前に現れた魔法陣を通り、彼女の棲まうとされた浮遊した大陸へと誘われたのだ。
彼女は言った。
「私はアナタ達の判断を歓迎する」
――しかし、〈狂化〉を消し去る方法を知る訳ではない、と。
取っ掛かりすら見つからなかった〈狂化〉への対策に、『白銀の魔女』が力を貸してくれる。これほど心強いことはない。
そう考えた『魔女』達は、この日からマリステイスのもとで〈狂化〉に対する研究を始めたのである。
――――しかし、時の流れは無情にも過ぎ去り、ついに『氷界の魔女』レイリアの〈狂化〉と『深淵の魔女』シアの〈狂化〉が近づき始める中、マリステイスはついに事実を口にした。
その言葉に誰もが、再び絶望の淵へと叩き込まれたような気分であった。
◆ ◆ ◆
「――その後、レイリアは自ら〈死の大陸〉へと赴いたのじゃ。
『狂化した魔女』が全てを喰らうと言うのであれば、自らも喰われ、『狂化した魔女』とならずに済むのではないか、と考えてな。
しかし結果として、『狂化した魔女』はレイリアを喰らうような真似はしなかったのじゃ。
それどころか、『狂化した魔女』の近くでは〈狂化〉が早まってしまったようじゃ」
語られた、マリステイスと『魔女』達の過去。
ノルーシャから断片的に聞かされていた『魔女』の真実が今、ヨミによって改めて語られた。
ファラ、ユーリとタータニア。そして、当時を知るシャムシャオもまた一様に黙ってそれを聞いていることしかできずにいた。
「〈死の大陸〉には、二人の『狂化した魔女』がいるってこと、ですか……」
「左様じゃ。お主も、ヒノカが〈狂化〉を発症した際に見たであろう、全てを喰らわんとする化け物のような姿を。あれこそ、『狂化した魔女』の行き着く姿じゃ」
スイの問いにヨミが金色の双眸を細めて答える。
まるで獣のように、ただただ全てを喰らわんとする禍々しい姿。
なんとか倒すことは出来たが――今のスイでは、身体に負担がかかり過ぎる。
マリステイスやノルーシャに、『宝玉』が集まるまでは決して使ってはならないと釘を刺された『無』の魔法の真価とも呼べる力。
しかし、すでに『火の宝玉』はアルドヴァルドの手の者によって奪われ、さらに『光牙の魔女』と『深淵の魔女』が持つ光と闇の『宝玉』に至っては、もしかしたら敵である可能性すら浮上している二人が持っている。
「レシュールは当時、マリステイスは自分達を裏切ったと口にしていた。『宝玉』を渡されて以来シアと共に姿を消してしまったが、『宝玉』を積極的に狙う者という点で考えれば、何かを企んでいると考えるのが妥当じゃろう」
「その『光牙の魔女』が、アルドヴァルド王国と何らかの繋がりを有している、ですか。確かに、そう言われれば辻褄が合うかもしれませんね」
顎に手を当て、考え込むように呟くユーリが答えると、スイへと黒い双眸を向けた。
「スイ君、アルドヴァルド王国に行きましょう」
これまで敵対関係にあり、三年前にチェミの命を奪った敵であると言える国。
「でしたら、ヴェルディアでアンビー様達と一度会ってはいかがです?」
ユーリに頷いたスイへ、今度はその横からシャムシャオが助言を口にした。
「アンビーさんに?」
「はい。今ヴェルディア王国内にいると連絡が来ましたので。
現状、アルドヴァルド王国へ航路を使って移動するのは難しいでしょう。
ですが彼女であれば」
「そっか、アンビーさんは転移魔法陣を持ってるから、大陸内にも渡れるのか」
「……そうね。だったら、スイ君。
ヴェルに立ち寄ってみたらどうかしら?」
この三年間、スイはヴェルの教会に数度ばかり手紙を書いた程度で、実際に会いに行くような機会はなかった。
当然ユーリもそれを知っていた訳ではないが、これからアルドヴァルド王国との戦いは間違いなく激化するだろう。その前に一度、スイにとっての家族であるヴェルに挨拶ぐらいはしておくのも悪くはないと考えたのだ。
予期せぬ帰郷に驚くも、スイはユーリの提案に頷いた。
「そうするといいでしょう。アンビー様には私から伝えておきます。
ヨミ、アナタはどうしますか?」
「ふむ、ヒノカの報復じゃ。妾も行きたいところではあるな」
「なら、アンビー様への連絡は私から伝えておきましょう。
スイ、アナタ達はヴェルで連絡を待ってください」
「うん、分かった」
三年前、自らの無力さを味合わされた街であり、自らの故郷とも言えるヴェルディア王国。
アルドヴァルドとの戦いを前に、スイは再び、あの街へと帰ることになったのであった。
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