半妖の猫丸

第9話

「うう…」

目を覚ました杜和は身体を起こし立ち上がると菜緒とロイが戦っている姿に驚いた。

「菜緒さん！」

拳と魔法で戦っている菜緒の姿に驚き叫んだ。

「菜緒さん」

「……」

「……」

戦っていた菜緒とロイは戦いを止め杜和に目線を向け菜緒が叫んだ。

「猫丸の家に行け」

「菜緒さん」

「早く行け」

「はい」

「行かせないよ」

手に力を込め先が尖った光線を走っていく杜和に向かって放った。

「杜和！危ない！」

「……」

菜緒の声が聞こえ立ち止まり振り向いた杜和は自分を庇って光線を受けている菜緒の姿に驚いた。

「菜緒さん！」

「逃げろ」

うつ伏せで菜緒は地面に倒れ杜和は光線が突き刺さっている姿に驚いた。

「菜緒さん！」

「さぁ、行こうか」

ロイが手を掴もうとしたその時、杜和から見えない結界に攻撃されロイは驚いた。

「何だ今のは」

「菜緒さん、しっかりしてください…菜緒さん…」

菜緒の身体を抱き起こしながら何度も声をかける杜和の姿を険しい顔でロイが見つめていると家から猫丸が現れロイはその場から消えた。

猫丸は近づき驚いた。

「何があったんだ」

「猫丸、菜緒さんが俺を庇って…助けてくれ」

「菜緒を家の中に運ぼう」

「……」

杜和と猫丸は菜緒の身体を支えながら立たせ家の中に運んだ。

その後、杜和と猫丸は寝室に運びベッドに仰向けで寝かせた。

「猫丸、菜緒さん助かるよな」

「俺が助けるから心配するな」

そう言って猫丸は突き刺さっている光線を掴み菜緒に向かって「一気に抜くからな」と言って光線を抜いた。

「うあああ…」

叫んだその後、菜緒は気を失った。

「菜緒さん！」

「気を失ってるだけだから心配するな、菜緒が目を覚ましたら知らせてくれ」

そう言って光線を持って猫丸が寝室を出ていくと杜和は菜緒の手を握りながら悲しげな顔で見つめた。

寝室を出た猫丸は先が尖った光線を見てロイのものだと見破った。

「何でロイが杜和を」

猫丸が光線を見つめる頃、刹那を連れた若菜は黒猫丸と戦っていた。

「若菜、女を渡せ」

「渡せるわけないでしょ」

「そうか仕方ないな」

そう言って黒猫丸は若菜に近づき刹那の目の前で魔法で若菜の命を一瞬で奪った。

「……」

刹那は驚いた顔で若菜が倒れる姿を見つめた。

そして刹那は気を失い倒れた。

黒猫丸は刹那に近づきお姫様抱っこするとその場から姿を消した。

そこへ緑の長い髪に緑の長い服姿の男が現れた。

男は若菜をお姫様抱っこしその場から姿を消した。

ー森林ー

緑の長い髪に緑の長い服姿の男はお姫様抱っこしている若菜を宙に浮かせ祈った。

「若菜を助けてください」

男の祈りは森林に届き消えた若菜の命は復活し若菜は目を覚ました。

「…生きてる…」

身体を起こした若菜は宙に浮いていることに驚いた。

「私、宙に浮いてる」

「おろすからおとなしくして」

「……」

動いていた若菜はおとなしくなり男によって若菜はゆっくりと降り立った。

そして若菜は男から刹那は黒猫丸に連れ去られたことを聞き男と一緒に猫丸の元に向かった。