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最終話
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部屋に戻ってきた鈴斗は仰向けでベッドに倒れた。
「あいつの言葉、本気だったな」
「鈴斗」
「笑いに来たのか」
身体を起こし鈴斗はベッドに座る寿子を見つめた。
「筧洋平から羽場広勝を奪うことできなかったでしょ」
「筧洋平の羽場広勝を守る力に勝てなかった」
「どうせ負けるんだからパートナーがいる人を好きになるのはやめなさい」
「お前がよりを戻してくれたら良いんだけどな」
鈴斗が抱きつくと寿子は立ち上がりベッドから離れ口を開いた。
「私とよりを戻したいならしてほしいことがある」
「何だよ」
「羽場広勝と筧洋平に謝りあなたの記憶を消しなさい」
「俺がやるのか?」
「当たり前でしょ、今すぐ行きなさい」
「わかったよ」
鈴斗がベッドからおりその場から姿を消すと寿子は鈴斗の部屋を出て自分の部屋に向かった。
その後、寿子は席に着き水晶玉で鈴斗の様子を見つめた。
「……」
鈴斗は羽場家の前に姿を現しインターホンを鳴らした。
ドアが開き筧が姿を現した。
「お前、また来たのか、命を奪うって言ったよな」
「お前達に謝りたくて来たんだ」
「信じられない」
「洋平さん」
広勝が現れ筧が口を開いた。
「来ちゃ駄目だ、リビングにいろ」
「……」
広勝は無言で筧の側に近づき鈴斗に向って口を開いた。
「お話ください」
「お前達の仲を引き裂くようなことしないから安心してくれ…それとお前達の記憶から俺を消す」
魔法の杖を掴むと鈴斗は広勝と筧の記憶から鈴斗の記憶を消した。
記憶を消された広勝と筧は鈴斗を見つめ筧が口を開いた。
「どちら様でしょうか?」
「家を間違えました」
鈴斗は玄関から姿を消した。
驚いた顔で広勝と筧は見つめ合い広勝が口を開いた。
「あの人、消えた」
「あぁ、消えた」
玄関で広勝と筧は立ち尽くした。
5秒後、筧のお腹が鳴った。
筧は頬を赤らめた。
「……」
「何か作りましょうか」
「俺も手伝おうか?」
「洋平さんはダイニングで待っててください」
広勝が玄関を離れキッチンに向かうと筧は閉まってるドアに鍵をかけダイニングに向かった。
その頃、広勝は冷蔵庫の中を調べていた。
「豚肉…キャベツ…玉子…」
冷蔵庫の中から豚肉とキャベツと玉子を取り出し冷蔵庫から離れるとキャベツを包丁で切り始めた。
その後、広勝はフライパンで豚肉を炒めキャベツと玉子を入れ炒めた。
その後、味噌を入れ再び炒め皿に盛った。
皿を持ってキッチンを離れるとダイニングに向かいテーブルに置いた。
「美味しそうだな」
「ご飯を持ってきますね」
「ご飯、大盛で」
「はい」
再びキッチンに向かい筧の茶碗にご飯、大盛に盛り自分の茶碗にはご飯、普通に盛った。
その後、広勝は茶碗と箸とコップと飲み物をダイニングのテーブルに運び椅子に座った。
「いただきます」
「いただきます」
同時に箸を持つと広勝と筧は豚肉とキャベツと玉子の味噌炒めを食べながらご飯を食べ始めた。
「広勝、美味しいよ」
「良かった」
筧と広勝は美味しそうな顔で食べ続けた。
それから暫くして食事を終えると広勝と筧は箸とコップと茶碗と皿をキッチンに運び仲良く片付け始めた。
「洋平さんに話があるんだけど」
「何?」
「明日、仕事を探しに行こうかなと思っています」
「病院で働くの辛いもんな」
「探しに行っても良いよね」
「大丈夫か?」
手を止め筧が見つめると広勝も手を止め見つめ口を開いた。
「大丈夫ですよ」
「猫だったろ、働き方、わかるか?」
「心配しないでください」
広勝が微笑むと筧は「わかった」と言って筧と広勝は手を動かした。
翌日、車で筧は仕事場の病院に向かい広勝はハローワークに向かった。
こうして野良猫の三毛猫だった猫は魔法使いによって人間になり羽場広勝として筧洋平と出会い恋に落ち恋人同士になった。
そして広勝はなかなか見つからない仕事に苦戦しながらも筧と幸せに暮らした。
完結
「あいつの言葉、本気だったな」
「鈴斗」
「笑いに来たのか」
身体を起こし鈴斗はベッドに座る寿子を見つめた。
「筧洋平から羽場広勝を奪うことできなかったでしょ」
「筧洋平の羽場広勝を守る力に勝てなかった」
「どうせ負けるんだからパートナーがいる人を好きになるのはやめなさい」
「お前がよりを戻してくれたら良いんだけどな」
鈴斗が抱きつくと寿子は立ち上がりベッドから離れ口を開いた。
「私とよりを戻したいならしてほしいことがある」
「何だよ」
「羽場広勝と筧洋平に謝りあなたの記憶を消しなさい」
「俺がやるのか?」
「当たり前でしょ、今すぐ行きなさい」
「わかったよ」
鈴斗がベッドからおりその場から姿を消すと寿子は鈴斗の部屋を出て自分の部屋に向かった。
その後、寿子は席に着き水晶玉で鈴斗の様子を見つめた。
「……」
鈴斗は羽場家の前に姿を現しインターホンを鳴らした。
ドアが開き筧が姿を現した。
「お前、また来たのか、命を奪うって言ったよな」
「お前達に謝りたくて来たんだ」
「信じられない」
「洋平さん」
広勝が現れ筧が口を開いた。
「来ちゃ駄目だ、リビングにいろ」
「……」
広勝は無言で筧の側に近づき鈴斗に向って口を開いた。
「お話ください」
「お前達の仲を引き裂くようなことしないから安心してくれ…それとお前達の記憶から俺を消す」
魔法の杖を掴むと鈴斗は広勝と筧の記憶から鈴斗の記憶を消した。
記憶を消された広勝と筧は鈴斗を見つめ筧が口を開いた。
「どちら様でしょうか?」
「家を間違えました」
鈴斗は玄関から姿を消した。
驚いた顔で広勝と筧は見つめ合い広勝が口を開いた。
「あの人、消えた」
「あぁ、消えた」
玄関で広勝と筧は立ち尽くした。
5秒後、筧のお腹が鳴った。
筧は頬を赤らめた。
「……」
「何か作りましょうか」
「俺も手伝おうか?」
「洋平さんはダイニングで待っててください」
広勝が玄関を離れキッチンに向かうと筧は閉まってるドアに鍵をかけダイニングに向かった。
その頃、広勝は冷蔵庫の中を調べていた。
「豚肉…キャベツ…玉子…」
冷蔵庫の中から豚肉とキャベツと玉子を取り出し冷蔵庫から離れるとキャベツを包丁で切り始めた。
その後、広勝はフライパンで豚肉を炒めキャベツと玉子を入れ炒めた。
その後、味噌を入れ再び炒め皿に盛った。
皿を持ってキッチンを離れるとダイニングに向かいテーブルに置いた。
「美味しそうだな」
「ご飯を持ってきますね」
「ご飯、大盛で」
「はい」
再びキッチンに向かい筧の茶碗にご飯、大盛に盛り自分の茶碗にはご飯、普通に盛った。
その後、広勝は茶碗と箸とコップと飲み物をダイニングのテーブルに運び椅子に座った。
「いただきます」
「いただきます」
同時に箸を持つと広勝と筧は豚肉とキャベツと玉子の味噌炒めを食べながらご飯を食べ始めた。
「広勝、美味しいよ」
「良かった」
筧と広勝は美味しそうな顔で食べ続けた。
それから暫くして食事を終えると広勝と筧は箸とコップと茶碗と皿をキッチンに運び仲良く片付け始めた。
「洋平さんに話があるんだけど」
「何?」
「明日、仕事を探しに行こうかなと思っています」
「病院で働くの辛いもんな」
「探しに行っても良いよね」
「大丈夫か?」
手を止め筧が見つめると広勝も手を止め見つめ口を開いた。
「大丈夫ですよ」
「猫だったろ、働き方、わかるか?」
「心配しないでください」
広勝が微笑むと筧は「わかった」と言って筧と広勝は手を動かした。
翌日、車で筧は仕事場の病院に向かい広勝はハローワークに向かった。
こうして野良猫の三毛猫だった猫は魔法使いによって人間になり羽場広勝として筧洋平と出会い恋に落ち恋人同士になった。
そして広勝はなかなか見つからない仕事に苦戦しながらも筧と幸せに暮らした。
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