伝説の虹色クリスタル

福猫

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第6話

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「あれが虹色クリスタル」

そう言って俊彦が恵一の頭上に現れている蓮の形をした虹色クリスタルを奪いにかかろうとしたその時、意識がないまま恵一は俊彦の身体を傷つけながら姿を消しその後、恵一はうつ伏せで倒れ蓮の形をした虹色クリスタルは姿を消した。

ー黒翡翠の町ー

黒翡翠で見ていた翡翠は恵一を手に入れたいと思い向かおうとしたその時、傷だらけの身体で俊彦が現れた。

「翡翠…」

「俊彦、安らかに眠れ」

「え…」

翡翠に命を奪われ俊彦はうつ伏せで倒れ翡翠は部屋から姿を消した。

「恵一…恵一…」

命が無くなる前に元に戻った俊彦は涙を流しながら永遠の眠りについた。

その時、蓮の形をした虹色クリスタルが現れ俊彦の身体の中に入った。

5秒後、目を覚ました俊彦は立ち上がりその場から姿を消すと紗香の元に向かった。

ールチルクォーツの町ー

ケーキ屋の部屋のベッドで眠っていた恵一が目を覚ますとチルが声をかけた。

「具合はどう?」

「チルさん…」

見つめながら恵一が涙を流すとチルが口を開いた。

「どこか痛むのか?」

「ルルさんを守れなくて…ゴメンなさい…」

「恵一は悪くない、悪いのは」

「俊彦…俺の友達の俊彦がルルさんの命を奪った」

身体を起こしながら恵一は止まらない涙を流した。

チルは恵一を抱きしめながら口を開いた。

「虹色クリスタルを見つけて平和にしてくれ」

「…はい…」

止まらない涙を落ち着かせ恵一が返事をするとチルは恵一から離れ口を開いた。

「今日はゆっくり休んだ方が良い」

「そうだな」

リンが返事をするとチルは問いかけた。

「ルルの部屋で俺と一緒、良いか?」

「良いよ」

「それじゃあ、行こうか」

「あぁ」

リンとチルが部屋を出ていくと恵一は身体を倒し目を閉じた。

その時、紗香の声が聞こえた。

「お兄ちゃん、助けて」

「紗香!」

目を覚まし身体を起こすと再び紗香の声が聞こえた。

「お兄ちゃん…助けて…お兄ちゃん」

「紗香が助けを求めてる…助けに行かないと」

そう言って恵一がベッドから離れたその時、マント付きの足首まで長い緑の服がラフな服装に戻り緑の髪も黒に戻り恵一はそのまま床に倒れた。

「紗香…どこにいるんだ…」

倒れたまま恵一が口にすると丸い形の緑のグリーンアベンチュリンと丸い形の黄色と紫のアメトリンと丸い形の金針が入った金色のルチルクォーツが現れ倒れている恵一の身体の中に入った。

10秒後、恵一は目を覚まし立ち上がった。

そして恵一はリンに内緒でケーキ屋を出て町を歩くとそのままルチルクォーツの町を離れていった。

翌日、リンはいなくなった恵一を探すためチルに別れを告げると急いでルチルクォーツの町を離れ恵一を追いかけていった。

その頃、恵一は紗香の居場所もわからず道を歩いていた。

「このままずっと歩いて良いのかな、この先に紗香はいるのかな」

不安で恵一が動きを止めると丸い形の赤とオレンジのサンストーンが宙に浮いたまま目の前に現れた。

「綺麗だな」

そう言って恵一が手を伸ばし触れようとしたその時、宙に浮いたままサンストーンは動きだし恵一は追いかけた。

30分後、恵一はサンストーンの案内でサンストーンの町の中に着いた。
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