秘密の森

福猫

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最終話

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「俺に何かようか」

シロに向かって優希が口にするとシロが口を開いた。

「あんたとゆっくり話がしたくて木に頼んであんたをここに連れてきて貰ったんだ」

「話がしたいって淳のことだろ」

「あんた本気で淳さんのことが好きなのか?」

「何が言いたいんだよ」

険しい顔で優希が見つめるとシロが口を開いた。

「淳さんはクロに心を奪われてる、お前も淳さんを諦めろ」

「クロってあの黒猫か」

「だから諦めろ」

「猫に淳を奪われてたまるか」

そう言って優希がその場を離れようとしたその時、シロが優希の手首を掴んだ。

「何すんだ、離せよ」

「お前を淳さんの元に行かせるわけにはいかない」

「手を離せ」

「離さない」

「……」

「……」

優希とシロが見つめ合うと木が口を開いた。

「お前達、お似合いだぞ」

「何、言ってんだ」

シロが手を離すと優希が口を開いた。

「猫と人間がお似合い?あり得ない」

「私はお似合いだと思うがな」

そう言って木が光のシャワーを放つと優希とシロは光のシャワーを受けながら優希とシロは無言で見つめ合った。

その頃、淳はクロの家の前でクロと会っていた。

「クロさん」

「足の怪我は大丈夫か?」

「大きな木が治してくれました」

「それは良かった」

そう言ってクロは淳の前に靴を置き口を開いた。

「また怪我をするぞ」

「クロさん」

「淳さん、君にキスしたこと後悔してないから」

「優希にキスされたり身体を奪われたりした時、俺、嫌だった」

「……」

「シロさんにキスされた時も嫌だったけどクロさんにキスされた時、嫌じゃなかった」

「淳さん」

「俺、クロさんが好きです、クロさんの側にいさせてください」

「あなたはまだ高校生だ、高校卒業してから秘密の森に来てください」

「……」

淳が悲しげな顔をするとクロが頬に触れながら口を開いた。

「そんな顔をしないで、卒業したら会えるんだから」

「永遠に会えない訳じゃないんだから」

「……」

微笑みながらクロが頷くと淳は靴を履き口を開いた。

「ちゃんと卒業して秘密の森に来ます」

「待ってる」

「……」

「……」

無言で見つめ合うとクロと淳は口づけを交わし淳は秘密の森から出ていった。

ー男子校、教室ー

自分の席に淳が座っていると優希が近づいてきた。

「淳、話があるんだけど」

「もうすぐ授業が始まるよ」

「昼休み話をしよう」

「わかった」

「……」

優希が席に戻ると先生が現れ授業が始まった。

それから時間が過ぎ昼休み、淳と優希は屋上に向かった。

「話って何」

淳が声をかけると優希が驚きの言葉を発した。

「俺、猫に恋をした」

「猫ってどこの猫?」

「秘密の森に住む白猫のシロ」

「シロさんに」

「シロに言われたよ、高校を卒業したら来いって」

「俺もクロさんに言われた」

「淳、頑張って卒業しような」

「うん」

会話を終えると淳と優希は教室に戻り午後の授業が始まった。

それから3年後、淳と優希は高校を卒業し秘密の森に向かった。

そして淳と優希はクロとシロに会いに行き愛を育んだ。

       完結
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