にゃんこ島に暮らす猫達

福猫

文字の大きさ
上 下
7 / 10

第7話

しおりを挟む
朔弥が唇を離し言いかけようとしたその時、チャチャがミッチャンに築き「ミッチャン!」と口にした。

朔弥は無言でミッチャンに目を向け見つめた。

ミッチャンは無言でチャチャと朔弥に近づきチャチャに向かって口を開いた。

「朔弥はチャチャの方が良いみたいだ、チャチャ、お前が朔弥を守れ」

そう言ってミッチャンは家の中に入りドアを閉め鍵をかけた。

「ミッチャン」

朔弥が家を見つめるとチャチャが朔弥の肩に触れながら口を開いた。

「俺の家に行こう」

「…うん…」

背を向け朔弥はチャチャと共にミッチャンの家を離れていった。

この時、家の中のミッチャンは「完敗だ」と言って悔し涙を流していた。

ー何でも島ー

「出来た」

水晶玉を星形に削り続けやっと出来た瑞姫は白猫のホワイトを呼び寄せた。

「ホワイト」

「何だ」

「朔弥君をここに呼んできて欲しいの」

「朔弥を家に帰らせるグッズが出来たのか」

「出来たわよ」

そう言って瑞姫は嬉しそうな顔で星形に削られた水晶玉をホワイトに見せた。

「わかった、朔弥を連れてくる」

そう言ってホワイトが家を出て船でにゃんこ島に向かっている頃、朔弥はチャチャの家でチャチャと身体を重ねていた。

「朔弥と交わることは嬉しいが、瑞姫が家に帰れるグッズを作ったら朔弥はにゃんこ島から去ってしまう…俺は悲しい」

朔弥に覆い被さりながらチャチャが口にすると朔弥が口を開いた。

「俺も悲しい、だからチャチャ、忘れられないほど俺を抱いて」

「わかった」

返事をするとチャチャは朔弥の唇に唇を重ねその後、身体を重ねた。

「朔弥、好きだ」

「チャチャ…」

チャチャと朔弥は深く交わりその後、寄り添いながら眠りについた。

その頃、ホワイトはミッチャンの家でミッチャンと会っていた。

「朔弥は?」

「チャチャの所だ」

そう言ってミッチャンが目線を向けるとホワイトは目が赤いことに驚き口を開いた。

「目が赤いようだけどもしかして泣いてたのか?」

「泣くわけないだろ、早くチャチャの所に行け」

「わかった」

返事をしホワイトが家から出ていくと再びミッチャンの目から涙が流れた。

「何で涙が出てくるんだろ」

そう言ってミッチャンは軽く微笑みながら涙を流した。

ーチャチャの家ー

朔弥とチャチャは寄り添いながら眠っていた。

その時、ドアをノックする音がした。

「誰か来たのか…」

そう言って目を覚ましたチャチャは眠っている朔弥を起こさないように立ち上がりドアに近づきドアを開きホワイトに出くわした。

「ホワイト!」

「朔弥、いるだろ」

「……あぁ」

「瑞姫が朔弥を呼んでこいって言うから来た」

「呼んでくるからちょっと待ってろ」

そう言ってチャチャは眠っている朔弥を起こしホワイトの前に連れていった。

「どうしたんですか?」

「瑞姫が来てくれって」

「グッズが出来たんですか?」

「あぁ…瑞姫が待ってる」

そう言ってホワイトが手を差し出すと朔弥はホワイトの手を掴みホワイトと共に瑞姫の元に向かった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

モフモフになった魔術師はエリート騎士の愛に困惑中

risashy
BL
魔術師団の落ちこぼれ魔術師、ローランド。 任務中にひょんなことからモフモフに変幻し、人間に戻れなくなってしまう。そんなところを騎士団の有望株アルヴィンに拾われ、命拾いしていた。 快適なペット生活を満喫する中、実はアルヴィンが自分を好きだと知る。 アルヴィンから語られる自分への愛に、ローランドは戸惑うものの——? 24000字程度の短編です。 ※BL(ボーイズラブ)作品です。 この作品は小説家になろうさんでも公開します。

異世界に転移したショタは森でスローライフ中

ミクリ21
BL
異世界に転移した小学生のヤマト。 ヤマトに一目惚れした森の主のハーメルンは、ヤマトを溺愛して求愛しての毎日です。 仲良しの二人のほのぼのストーリーです。

『ユキレラ』義妹に結婚寸前の彼氏を寝取られたど田舎者のオレが、泣きながら王都に出てきて運命を見つけたかもな話

真義あさひ
BL
尽くし男の永遠の片想い話。でも幸福。 ど田舎村出身の青年ユキレラは、結婚を翌月に控えた彼氏を義妹アデラに寝取られた。 確かにユキレラの物を何でも欲しがる妹だったが、まさかの婚約者まで奪われてはさすがに許せない。 絶縁状を叩きつけたその足でど田舎村を飛び出したユキレラは、王都を目指す。 そして夢いっぱいでやってきた王都に到着当日、酒場で安い酒を飲み過ぎて気づいたら翌朝、同じ寝台の中には裸の美少年が。 「えっ、嘘……これもしかして未成年じゃ……?」 冷や汗ダラダラでパニクっていたユキレラの前で、今まさに美少年が眠りから目覚めようとしていた。 ※「王弟カズンの冒険前夜」の番外編、「家出少年ルシウスNEXT」の続編 「異世界転移!?~俺だけかと思ったら廃村寸前の俺の田舎の村ごとだったやつ」のメインキャラたちの子孫が主人公です

何故か正妻になった男の僕。

selen
BL
『側妻になった男の僕。』の続きです(⌒▽⌒) blさいこう✩.*˚主従らぶさいこう✩.*˚✩.*˚

くんか、くんか Sweet ~甘くて堪らない、君のフェロモン~

天埜鳩愛
BL
爽やかスポーツマンα × 妄想巣作りのキュートΩ☆ お互いのフェロモンをくんかくんかして「甘い❤」ってとろんっとする、可愛い二人のもだきゅんラブコメ王道オメガバースです。 オメガ性を持つ大学生の青葉はアルバイト先のアイスクリームショップの向かいにあるコーヒーショップの店員、小野寺のことが気になっていた。 彼に週末のデートを誘われ浮かれていたが、発情期の予兆で休憩室で眠ってしまう。 目を覚ますと自分にかけられていた小野寺のパーカーから香る彼のフェロモンに我慢できなくなり、発情を促進させてしまった! 他の男に捕まりそうになった時小野寺が駆けつけ、彼の家の保護される。青葉はランドリーバスケットから誘われるように彼の衣服を拾い集めるが……。 ハッピーな気持ちになれる短編Ωバースです

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

高嶺の花宮君

しづ未
BL
幼馴染のイケメンが昔から自分に構ってくる話。

ただキミを支配したかった~Dom/Subユニバース~

宮部ネコ
BL
僕は、社会人になって中学校の同級生託(たく)と再会した。 そしてDomである託は、Subである僕をプレイに誘った。半ば強制的に。 詫は中学でいじめていた僕のことを恨んでいて、僕をいいようにしたかったのだろう。 詫とのプレイは、セーフワードもなく、褒められることもない。 それでも良かった。詫の側にいられるのなら……。

処理中です...