未来を変える

福猫

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第1話

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愛する人を失い長く続いた戦いを終えた安正(やすまさ)は悲しんだ。

安正やすまさ「人々を救っても自分の愛する人を守れなかったら何にもならない」

「やり直したいか?」

「あなたは?」

「答えろ、やり直したいか?」

「やり直せるものならやり直したい」

「これを使って過去の自分に会いこれから起きる事を伝えなさい」

「そんなことしたら歴史が」

「過去の自分がお前のようにならず愛する人と幸せに暮らしたらどうだ」

「嬉しいかも」

「これは過去や未来に移動できる水晶だ」

水晶玉のネックレスを男が差し出すと安正は受け取り首に身につけた。

「けっして過去の自分と顔を合わせるなよ、混乱するから」

「わかりました」

「絶対、守れろ」

「わかりました」

男がその場から姿を消すと安正は水晶玉を握りしめ祈った。

ー過去ー

顔を隠すため安正は服屋に行きフード付きパーカーを買い試着室で着て店を出た。

そして安正はもう1人の安正に会うため安正の家に向かった。

ー1人暮らしの安正の家ー

1時間後、安正はインターホンを鳴らした。

するとドアが開き過去の安正が現れた。

「どちら様でしょうか?」

フードで顔を隠しながら未来の安正が口を開いた。

「名前は言えませんが、あなたに大事なことを伝えたくてきました」

「伝えたいこと?」

「あなたが20歳になった時、青い髪に青い瞳に青いロング服を着た男があなたの前に現れます」

「帰ってください」

学生の安正には理解できずドアを閉めた、すると未来の安正が口を開いた。

「その男は安正の愛する人と人々の命を奪う、安正、良太(りょうた)を守って」

玄関で聞いていた安正が玄関を開くと未来の安正の姿はなかった。

「あの人、俺の名前、知ってた」

安正は玄関で立ち尽くした。

それから5年後、安正は20歳になり仕事は医師、そして良太という恋人ができた。

良太と喫茶店で珈琲を飲みながら安正は未来の安正の言葉を思い出していた。

「あの人が言ったこと本当だった」

「あの人って誰?」

「学生の頃、1人暮らしをしてたんだそしたらフードを被ったロング服の男の人が現れたんだ」

「それでどうしたの?」

「その男の人が俺が20歳になったら青い髪に青い瞳に青いロング服を着た男が現れるから人々と愛する人、良太を守れって」

「その人、俺の名前を知ってたの!」

良太は驚いた。

「良太、どう思う?」

「俺の名前や安正の名前を知ってたんだろ」

「うん」

「俺なら信じるかな」

「う~ん…」

安正は信じられずデートは終了した。

その後、安正は家まで歩きで良太に送ってもらい向かい合った。

「送ってくれてありがとう」

「また、デートしょうな」

「うん」

「じゃあな」

「バイバイ」

安正は背を向けドアに近づいた。

「安正」

「……」

背後から名を呼ばれ安正は振り返り良太に唇を奪われた。

その後、良太は唇を離し口を開いた。

「じゃあな」

良太は走って離れていった。

突然の出来事に安正は指で唇に触れながら立ち尽くした。

翌日、安正は良太のキスで未来の安正の言葉を忘れ仕事場の病院に歩きながら向かった。

ー医師の部屋ー

ロッカーを開き私服から白衣に安正が着替えているとドアをノックする音がした。

「どうぞ」

「失礼します」

ドアが開き看護婦は中に入りドアを閉めた。

「おはようございます」

「おはようございます」

「斉藤院長が新しく入った先生を紹介したいので部屋に来てくれと」

「わかりました」

「……」

お辞儀をすると看護婦は部屋を出ていった。

安正は部屋を出ていき院長室に向かった。

そして安正はドアをノックした。

「中丸安正です」

「入りなさい」

「失礼します」

ドアを開き中に入ると安正はドアを閉め向かい合って座っている院長と青い髪の男を見つめ安正は驚いた。

「青い髪…」

「中丸君、彼の側に座りなさい」

「はい」

安正はソファーに近づき青い髪の男の側に座った。

「今日から医師として働いてもらう青玉(せいぎょく)君だ、青玉君、彼は中丸安正君だ」

青玉と安正は向かい合い自己紹介を始めた。

「中丸安正です、よろしくお願いします」

「青玉です、よろしくお願いします」

「話しは終わりだ2人とも仕事に向かってくれ」

安正と青玉はソファーから立ち上がり院長にお辞儀をし院長室を出ていった

「中丸先生、青玉先生、診察をお願いします」

「わかりました」

「中丸先生」

「行きましょうか」

「はい」

安正が先に歩き出すと青玉も歩き出し診察室に向かった。

安正は1の診察室に入り青玉は2の診察室に入った。

その後、青玉は看護婦から白衣を受け取り着ると患者の診察を始めた。

それから時間が過ぎ12時、午前の診察が終わった。

青玉は白衣のまま診察室を出て安正がいる診察室の中に入ると声をかけた。

「お疲れ様です」

「お疲れ様です」

「昼ごはん、行きませんか?」

「近くに美味しいラーメン屋があるんですが、ラーメンでも良いですか?」

「俺、ラーメン好きだから早く行きましょう」

「白衣を脱いでから行きましょう」

診察室を出て安正と青玉は医師の部屋に向かい白衣から私服姿になった。

「行きましょうか」

「中丸先生」

「はい」

振り向いた安正は青玉に抱き寄せられ見つめ合った。

「青玉先生?」

「中丸先生に一目惚れしました」

「え!」

「俺と付き合ってください」

「ゴメン、俺…」

言いかけた安正は青玉に唇を奪われた。

その後、青玉は唇を離し口を開いた。

「昼ごはん、1人で食べます」

青玉が医師の部屋を出ていくと安正は立ち尽くした。

ー午後14時ー

午後の診察が始まると安正は青玉とのキスを気にしながら患者の診察を続けた。
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