戦士アース

福猫

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最終話

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栄地をお姫様抱っこしたまま森林の小屋の前に姿を現したアーズは小屋の中に入り栄地を藁の上に仰向けで寝かせた。

その後、アーズは栄地から離れ小屋から外に出た。

青い猫のブルーが姿を現し「アーズ」と声をかけるとアーズが口を開いた。

「話は終わったのか?」

「終わった、栄地は?」

「藁の上に寝かせてある」

「どこに行くんだ」

離れようとするアーズに青い猫のブルーが声をかけると背を向けたままアーズが口を開いた。

「栄地が目を覚ましたら話すんだろ、俺がいない方が良いだろ」

「お前がいた方が良い、アーズ、来い」

「……」

振り向き小屋の中に入っていく青い猫のブルーの姿を見つめるとアーズも小屋の中に入った。

青い猫のブルーは人間の姿に変身し眠る栄地の側に近づくと手を握り栄地の顔を見つめた。

「栄地……アース…目覚めよ…」

「……」

栄地の首に身についている小さな地球が首から離れ栄地の身体の中に入った。

その後、栄地はゆっくり目を開き人間の姿のブルーに目線を向けると口を開いた。

「ブルー…」

「栄地に会わせたい人がいる」

「……」

ブルーに身体を支えられながら身体を起こした栄地は立っているアーズの姿に驚いた。

「アーズ!」

立ち上がると栄地はアーズに近づき抱きついた。

「生きてたんですね…良かった」

「心配かけてすまない」

「良かった…本当に良かった…」

「……」

涙を流す栄地の姿を見てアーズはギュっと栄地を抱きしめた。

「いちゃつくのはあとにして栄地、俺の話を聞いてくれ」

「いちゃついてなんか…」

そう言って栄地とアーズが離れるとブルーが真剣な顔で口を開いた。

「栄地、アーズは天界の神様のお陰で生き返ることができたんだ」

「天界の神様はアーズが浄化されたことを見ていてくれてたんですね」

「アーズは戦士の名だ、名前はまだない」

「戦士の名前?」

「俺は小さな地球を守る戦士アーズ」

そう言ってアーズは足首まで長い青い服に隠れている小さな地球のネックレスを栄地に見せた。

栄地は驚いた。

「栄地、アーズと共に小さな地球とお前達が暮らすこの地球を守れ」

「烈火と清水さんと宏樹さんと銀太さんと力を合わせて守れだろ」

ブルーの言葉に栄地がそう口にするとブルーが口を開いた。

「烈火と清水と宏樹と銀太の戦士として記憶はない」

「え?」

「天界の神様が記憶を消した、俺は小さな火星と水星と木星と金星を上空に放った」

「……」

「栄地、天界の神様が決めたことだ」

「……」

「栄地、アーズ、何かあったらいつでも俺を呼べ」

「わかった」

栄地の代わりにアーズが返事をするとブルーは人間から青い猫に変身し小屋から姿を消した。

小屋の中に2人きりになったアーズは栄地を抱きしめながら口を開いた。

「サターンと敵対してるんだって」

「サターンはアーズの命を奪った奴だ、俺は許せなかった…今でも俺はサターンを許すことはできない」

「栄地」

名を口にし栄地の顔を見つめるとアーズは唇を重ねた。

その後、アーズは唇を離し口を開いた。

「天界の神様にもらったこの命、栄地に捧げる」

「アーズ、約束してください」

「何を?」

「命を大切にするって」

「栄地を守れるならこの命なくなっても」

「アーズ!」

怒った口調で栄地が口にするとアーズは「わかった、命を大切にする」と返事をした。

そしてアーズは栄地が頬を赤らめるような言葉を口にする。

「栄地と身体を重ねたい」

「……」

「嫌か?」

「嫌じゃないけど…」

栄地が頬を赤らめると栄地の頬に触れながらアーズが口を開いた。

「栄地と小さな地球は俺が守る」

そう言って栄地の唇に唇を重ねるとアーズは栄地を藁の上に寝かせ身体を重ねた。

「アーズ」

「栄地」

唇と身体を重ねながら栄地とアーズは小屋の中で何度も結ばれた。

それから時が流れ栄地は25歳となり働きながら森林に家を建てアーズと平和に暮らした。

                                 完結
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