終わりなき旅

第３話 カズヤのお通夜

「南無阿弥陀仏・・・」
マサキはカズヤの訃報を受け翌日の夜、
斎場まで駆けつけ香典を渡し受付を済ませると
お通夜に参列した。
お坊さんのお経が耳に入ると、カズヤがもう
この世から居ない死の実感が現実だと感じた。

マサキは焼香の順番がやってきて、祭壇に進むと
遺族にお礼をし焼香をすると目から無意識に
涙がこぼれ頭にカズヤとの色々な思い出が
繰り返し繰り返し現れ悲しく苦しくなった。
焼香を終え、遺影に向かって合掌し、
それから遺族にお礼をし元の席に戻ると、
再びお坊さんのお経が繰り返されます。

頭からカズヤが離れなくカズヤが
「マサキー」と笑顔で呼び続けていました。

そうこうしているうちに、お坊さんの挨拶が　
終わりお通夜が終わると、マサキはカズヤの
両親に挨拶をし無我夢中で訪ねた。
「おじさん、おばさん、ご無沙汰してます。
　カズヤ、どうして亡くなったんですか？
　自殺したと言っていたけれど。」
忙しいのにこの場で不謹慎だと判りながらも
いてもたってもいられなかった。

「私達にも何がなんだか判らなくてね。
朝カズヤがなかなか起きてこないので
カズヤを起こそうと部屋に行ったら、
首を吊って亡くなっていて、
もう心臓が止まるかと思ったくらい
頭が真っ白になって。無我夢中で
カズヤ、カズヤと叫んでいたのよ。」
と、カズヤのお母さんが申し訳無さそうに
話していた。
マサキはこれ以上忙しいのを邪魔しては
いけないと思い、
「今日はこれで帰ります。明日の告別式は仕事で
行けなくてごめんなさい。近々カズヤの部屋を
見せてもらっても良いですか？
なぜ亡くなったのか調べたいんです。
僕、納得できないです。
カズヤが自殺するなんて考えられなくて。」
と言ってカズヤの母親から承諾を貰い
その場を後にした。

（カズヤどうして、どうして自殺なんか、
　だってカズヤが自殺する前日は俺と
　会っていたしとりわけカズヤも笑顔で
　そんな死ぬ感じじゃなかったじゃないか。
　一体どうして？）