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20話
しおりを挟む次の日私はお店をお休みにしてリアンの元に向かった。
咲いた花はリアンへのお土産にしようかなと思ってまだ取ってない。
前回来て知ったんだけど、向かう道も一本道だから最初の頃のように迷うこともない。
「こんにちは、リアンに会いに来ました。」
「お、メリスちゃんか。よく来たね。どうぞ。」
「リアンが心配なので…」
よく来るって言ってもこの前来てから来てないんだけどな、名前も覚えてくれてるしなんか嬉しい
リアンのいる部屋に案内してくれてる人に聞いたら今はリアンの発作も落ち着いているらしく、本人の希望があれば帰れるらしい
でも今もいるってことは、帰りたくないんだろうな…
もうこの際、帰らなくてもいいから話だけでも一緒に聞いて欲しい。
「ついたよ。ここがリアンの部屋さ。」
「ありがとうございます。」
さて、リアンにどう話をしようか夜ずっと考えたけど全くいい案が浮かばなくて、結局回りくどい言い方をされるよりもストレートに伝えた方が一番かもしれないという結果に落ち着いた。
扉の前でゆっくりと深呼吸をして、ドアノブに手をかけノックする
コンコンッ
「はい?」
「メリスだよ。」
「メリス…今ドア開けるね。」
久しぶりじゃないけどリアンの声を聴いたらなんとなく涙が出てきた。
泣くつもりなんて全くなかったのに、不思議と涙が止まらない。
ガチャ
「メリスなに泣いてるの?」
「わからない、わからないけど涙が止まらないの。」
「もう、何か話に来たんじゃないの?そんな泣いていて話せるの?もう。落ち着くまで待ってあげるから。」
「ありがとう。」
そういってリアンは殺風景の部屋の中にあるベットの上で私の肩を支えながら泣き止むのを待ってくれた。
「ふぅ…」
「落ち着いた?」
「うん。ありがとう。そうだ、忘れないうちに、この花あげる!」
「何この紫色の花?すごいかわいい。」
「この前咲いたんだけのね、何の花なのかは分からなくて…でもかわいいからお土産に。」
「そっか、ありがとう。そしたら今日の本題いきなりだけど聞いてもいい?ゆっくりでいいから。」
「そうだった。話すね――」
私はゆっくりアダロと親方さんの事、手紙が親方さんのところに届いてたこと、その話を2人で聞きたい事をリアンに伝えた。
もちろんリアンの奇病の事やここにいることは2人には伝えてないことも付け足した。
「……そっか。まず、私の事言わないでくれてありがとう。2人に言ったら怖がられちゃうかもしれないからね。で、手紙についてだけど、私も聞きたい。でもいつ発作が起こるかわからない状態で会うのはすごく怖いし、そもそもここを出るのも怖い。」
「そうだよね、私の発作とは違うから…」
「違う違う!メリスの発作と比べているわけじゃないんだ。だから、ここに2人を呼べないかな?もちろん私も家で話聞きたい。でも外に出るのも怖いの。ごめんね。」
「謝らないで。ここに呼ぶってことはリアンの事話すことにならない?」
「うん。親方さんはあったことないけど、お母さんが信頼していた人ならいいかなって思って。」
「そっか、リアンがそれでいいならここに2人を呼んで話を聞こう。」
そうして私たちは親方さんとアダロを施設に呼ぶことにした。
-つづく-
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【あとがき】
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