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第4章 ダンジョン攻略
94.初めてのダンジョン、攻略開始
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「よし、行くか」
7月の20日、森の日。
からっとした気候のおかげで気温ほど暑くは感じないが、じりじりと肌が焼くような陽射しは紛れもなく真夏のそれだ。
これからどんどん暑くなる……そんな予感をさせる朝7時のクランハウスの前でバルドルがメンバー一人一人を見遣って号令を出す。
ダンジョン内は地上と異なり、その周辺の環境に影響はされても通年を通して季節が変わる事が無いため、攻略組の恰好は少しばかり暑苦しい。今日から攻略を開始する鉄級ダンジョン、トゥルヌソルの街中にある『キャトルヴァン・オンズ』の季節は「秋」なのだ。
バルドルパーティの4人も、クルトも、既に踏破済みのダンジョンだから知っておくべき情報に抜けはない。
「気を付けてね」
「「早く帰って来てね」」
ゲンジャルさんの奥さんと、双子の娘さん達に見送られて出発。
トゥルヌソルを南下し、商通りの五番目の角を西に曲がって更に南下した先の森までは歩いて20分くらいだった。
到着したダンジョンの入り口付近には、同じようにダンジョンに挑む銀級冒険者達が並んで入場を待っている。その両端には縄で固定された結界っぽいものがあり、冒険者が迷わずダンジョンの入り口に辿り着けるように――それ以上に承認されている冒険者以外が入り込まないよう制限を掛けていた。
「レンくん、フード」
「あ」
クルトの指摘は、いまは着ていないマントを着用してフードを被るようにということ。
まだ未成年の僧侶にダンジョンへの入場許可が出ていることは、あまり公にしない方が良いという判断だ。トゥルヌソルの応援領域持ちは既に有名人だからね。
(あっつ……)
フードを被った途端に熱気が籠って息苦しくなるが今は我慢。
入場待ちの列が進んでいくのをただ待った。
「次」
ようやくその時が来た。
ここの管理担当をしている冒険者ギルドの職員に呼ばれ、6人全員で前に進む。
「証紋を」
「はい」
最初にバルドル、次いでエニスという順番で全員が証紋照合を済ませ、最後に俺。
ここの照合はダンジョンへの入場許可の有無を確認するのみで職業等の確認はない。ダンジョンのランクが鉄のため、ここの入場許可を得る条件は4つ。
第一に冒険者であること。
第二に銀級冒険者であること。
第三に成人であること。
そして第四に犯罪者ではないこと。
俺の場合は三番目の条件を特例で許可されて此処にいる。
「お、君だけ未踏破か」
「はい」
「他のメンバーが踏破済みだからって油断しないように。あと、君がこのダンジョンを踏破したと認められるには仲間に頼り切りだとダメだぞ」
「頑張ります」
「ん。リーダーはバルドルだな。帰還予定は?」
「15日間を予定している」
「15? 長いな、大丈夫なのか」
職員の視線がこちらを見る。
バルドルは「問題ない」と。
「精神を鍛えに来てるからな」
「なるほど」
くくっと苦笑いを交わし合うのは、以前に聞いたダンジョン攻略の苦労話を職員もまた実体験しているからだろうと察せられた。
「しかし、ようやくダンジョンに挑めるようになった後輩を虐めるなよ?」
「その点は気を付けるさ」
「うむ。では15日間戻らなければ捜索隊を派遣するからな。気を付けろ」
「おう」
「行ってらっしゃい」
「ぁ、行ってきます!」
最後に個別で声を掛けられ、俺は嬉しくなった。
15日間できちんと戻り「ただいま」と言えるように頑張ろうと改めて思う。
ちなみに、捜索隊っていうのは予定が過ぎても戻らない冒険者がいた場合は魔物による被害を受けている可能性が高いため金級以上の冒険者パーティが救助に向かうことを指すから、俺たちに何かあればグランツェさんのパーティが来る可能性が高い。
「15日間って長いんですか?」
「鉄級は5階層ごとに転移の術式が組まれてるだろ?」
「はい。基本的に5階層まで進んだら地上に戻って、精神的に充分休んでから次の5階層を目指すんですよね」
「ん。鉄級は魔物もそこまで強くならないから、特に最初の5階層は新人でも一週間くらいで攻略できるとされている」
「あ……そっか、あの職員さんは俺が初挑戦だって判ったから長いと思ったんですね」
「そういうこと」
「踏破済みが5人いて、15日間以内に10階層を攻略、これを3回繰り返して踏破するのが、このダンジョンで不審がられないで済むペースかな」
「了解です」
不審がられない、それ大事。
驚かせるのは身内だけにしないとね!
レイナルドパーティが魔法の属性でバランスを取っていたように、バルドルパーティも程良く分担されていた。魔法使いのドーガさんが火・水・風で、バルドルさんが光、エニスさんが水。
ウーガさんも水。
土と闇属性はいないんだなと思ったけど、以前にメンバーが二人亡くなっていると聞いたから、その人達がそうだったんだと思う。
俺も水っぽいし、クルトさんは風だから、ちょっと偏るかな。
「さて……そろそろ入るぞ」
「え」
「ほら」
クルトさんが声を掛けてくれた直後。
「!」
ぐにゃりと視界が歪み、気付いたら……。
「……森の中……」
「うん。見た目だけだとダンジョンに入ったのか判り難いけど、間違いなくここは鉄級ダンジョン『キャトルヴァン・オンズ』の内部だよ」
空を仰ぐ。
青空を覆うように茂る木々の葉が赤や黄色に色付いて、肌に触れる風は心地良い涼しさ。
「秋だ……」
さっきまでの刺すような陽射しはどこへやら、マントを被ったせいで汗ばんでいた自分には肌寒いくらいだ。
「いまは季節が違うから判断し易いけど、秋に入場したら本当に判らないと思うよ」
「はい……」
クルトの言う通りだ。これなら入り口への道をわざわざ固定しているのも頷ける。
俺はダンジョンと言ったら洞窟みたいな薄暗い空間をひたすら下に向かって降りていくイメージだったんだけど、実際に訪れたダンジョンは秋の屋外そのもの。
クルト達は口を揃えて環境が辛いと言ったが、2年前の冬に王都まで往復したのに比べれば随分と過ごし易そうな気さえする。
広く、広く。
どこまでも遠く広がる此処も一つの異世界のようだ。
「レン、これが転移の術式が組み込まれている床だ」
「は、はい」
バルドルから声を掛けられてそちらを見ると、背後に海外版の東屋みたいな……ガゼボ、だったかな。解放感たっぷりの石造りの建造物があって、その足元に魔法陣みたいな術式が刻まれていた。
「まずこの術式に自分の魔力を登録する」
「はい」
教えてもらいながら、床に手をつく。流れる魔力は術式を手元からゆっくりと光らせ、その輝きは1分くらいで全面に及ぶ。
そして、中央に集束するようにして消えていく。
部屋の照明を点灯する程度のほんの僅かな魔力消費だった。
「よし。それで5階層ごとの術式を使って戻って来れる。外に出たい時はそこにある魔石に力を流せばいい」
バルドルが指し示したのはガゼボの柱に飾られたひし形の魔石だ。仕組みとしては神具『野営テント』と神具『住居兼用移動車両』Ex.を繋いだあの魔石と同じなんだろう。
事前に勉強してきたのに、実際にやるのとでは大違い。
一人で来ていたら絶対に何かしらの手順を忘れていそうな気がする。
「……いよいよなんですね」
「ああ。いよいよだ」
緊張して来た俺に、でも、先輩達は楽しそうに笑う。
「レンの強張った顔なんて初めて見たな」
「いつも俺たちが驚かされてばっかりだし、たまにはいいんじゃねぇ?」
「ようやく先輩ぶれそうで嬉しいよ」
「経験の差はどうしようもないと思います!」
言い返したら笑い声が返って来る。
「さ、行こうか」
クルトに背を押される。
初めてのダンジョン攻略の始まりだ。
***
名前:木ノ下 蓮(キノシタ レン)
年齢:14(27)
性別:男
職業:旅の僧侶/銀級冒険者
状態:良好
所持金:4,636,000G
スキル:言語理解/天啓/幸運Ex./通販
所持品:神具『懐中時計』
神具『住居兼用移動車両』Ex.
神具『野営用テント』
装備品:プレリラソワのマント(魔導具)
僧侶の籠手
檜の棒
アンブルエカイユの胸当て
ポゥの羽靴(魔導具)
加護:主神リーデンの加護
異世界の主神カグヤの加護
異世界の主神ヤーオターオの加護
下級神ユーイチの加護
7月の20日、森の日。
からっとした気候のおかげで気温ほど暑くは感じないが、じりじりと肌が焼くような陽射しは紛れもなく真夏のそれだ。
これからどんどん暑くなる……そんな予感をさせる朝7時のクランハウスの前でバルドルがメンバー一人一人を見遣って号令を出す。
ダンジョン内は地上と異なり、その周辺の環境に影響はされても通年を通して季節が変わる事が無いため、攻略組の恰好は少しばかり暑苦しい。今日から攻略を開始する鉄級ダンジョン、トゥルヌソルの街中にある『キャトルヴァン・オンズ』の季節は「秋」なのだ。
バルドルパーティの4人も、クルトも、既に踏破済みのダンジョンだから知っておくべき情報に抜けはない。
「気を付けてね」
「「早く帰って来てね」」
ゲンジャルさんの奥さんと、双子の娘さん達に見送られて出発。
トゥルヌソルを南下し、商通りの五番目の角を西に曲がって更に南下した先の森までは歩いて20分くらいだった。
到着したダンジョンの入り口付近には、同じようにダンジョンに挑む銀級冒険者達が並んで入場を待っている。その両端には縄で固定された結界っぽいものがあり、冒険者が迷わずダンジョンの入り口に辿り着けるように――それ以上に承認されている冒険者以外が入り込まないよう制限を掛けていた。
「レンくん、フード」
「あ」
クルトの指摘は、いまは着ていないマントを着用してフードを被るようにということ。
まだ未成年の僧侶にダンジョンへの入場許可が出ていることは、あまり公にしない方が良いという判断だ。トゥルヌソルの応援領域持ちは既に有名人だからね。
(あっつ……)
フードを被った途端に熱気が籠って息苦しくなるが今は我慢。
入場待ちの列が進んでいくのをただ待った。
「次」
ようやくその時が来た。
ここの管理担当をしている冒険者ギルドの職員に呼ばれ、6人全員で前に進む。
「証紋を」
「はい」
最初にバルドル、次いでエニスという順番で全員が証紋照合を済ませ、最後に俺。
ここの照合はダンジョンへの入場許可の有無を確認するのみで職業等の確認はない。ダンジョンのランクが鉄のため、ここの入場許可を得る条件は4つ。
第一に冒険者であること。
第二に銀級冒険者であること。
第三に成人であること。
そして第四に犯罪者ではないこと。
俺の場合は三番目の条件を特例で許可されて此処にいる。
「お、君だけ未踏破か」
「はい」
「他のメンバーが踏破済みだからって油断しないように。あと、君がこのダンジョンを踏破したと認められるには仲間に頼り切りだとダメだぞ」
「頑張ります」
「ん。リーダーはバルドルだな。帰還予定は?」
「15日間を予定している」
「15? 長いな、大丈夫なのか」
職員の視線がこちらを見る。
バルドルは「問題ない」と。
「精神を鍛えに来てるからな」
「なるほど」
くくっと苦笑いを交わし合うのは、以前に聞いたダンジョン攻略の苦労話を職員もまた実体験しているからだろうと察せられた。
「しかし、ようやくダンジョンに挑めるようになった後輩を虐めるなよ?」
「その点は気を付けるさ」
「うむ。では15日間戻らなければ捜索隊を派遣するからな。気を付けろ」
「おう」
「行ってらっしゃい」
「ぁ、行ってきます!」
最後に個別で声を掛けられ、俺は嬉しくなった。
15日間できちんと戻り「ただいま」と言えるように頑張ろうと改めて思う。
ちなみに、捜索隊っていうのは予定が過ぎても戻らない冒険者がいた場合は魔物による被害を受けている可能性が高いため金級以上の冒険者パーティが救助に向かうことを指すから、俺たちに何かあればグランツェさんのパーティが来る可能性が高い。
「15日間って長いんですか?」
「鉄級は5階層ごとに転移の術式が組まれてるだろ?」
「はい。基本的に5階層まで進んだら地上に戻って、精神的に充分休んでから次の5階層を目指すんですよね」
「ん。鉄級は魔物もそこまで強くならないから、特に最初の5階層は新人でも一週間くらいで攻略できるとされている」
「あ……そっか、あの職員さんは俺が初挑戦だって判ったから長いと思ったんですね」
「そういうこと」
「踏破済みが5人いて、15日間以内に10階層を攻略、これを3回繰り返して踏破するのが、このダンジョンで不審がられないで済むペースかな」
「了解です」
不審がられない、それ大事。
驚かせるのは身内だけにしないとね!
レイナルドパーティが魔法の属性でバランスを取っていたように、バルドルパーティも程良く分担されていた。魔法使いのドーガさんが火・水・風で、バルドルさんが光、エニスさんが水。
ウーガさんも水。
土と闇属性はいないんだなと思ったけど、以前にメンバーが二人亡くなっていると聞いたから、その人達がそうだったんだと思う。
俺も水っぽいし、クルトさんは風だから、ちょっと偏るかな。
「さて……そろそろ入るぞ」
「え」
「ほら」
クルトさんが声を掛けてくれた直後。
「!」
ぐにゃりと視界が歪み、気付いたら……。
「……森の中……」
「うん。見た目だけだとダンジョンに入ったのか判り難いけど、間違いなくここは鉄級ダンジョン『キャトルヴァン・オンズ』の内部だよ」
空を仰ぐ。
青空を覆うように茂る木々の葉が赤や黄色に色付いて、肌に触れる風は心地良い涼しさ。
「秋だ……」
さっきまでの刺すような陽射しはどこへやら、マントを被ったせいで汗ばんでいた自分には肌寒いくらいだ。
「いまは季節が違うから判断し易いけど、秋に入場したら本当に判らないと思うよ」
「はい……」
クルトの言う通りだ。これなら入り口への道をわざわざ固定しているのも頷ける。
俺はダンジョンと言ったら洞窟みたいな薄暗い空間をひたすら下に向かって降りていくイメージだったんだけど、実際に訪れたダンジョンは秋の屋外そのもの。
クルト達は口を揃えて環境が辛いと言ったが、2年前の冬に王都まで往復したのに比べれば随分と過ごし易そうな気さえする。
広く、広く。
どこまでも遠く広がる此処も一つの異世界のようだ。
「レン、これが転移の術式が組み込まれている床だ」
「は、はい」
バルドルから声を掛けられてそちらを見ると、背後に海外版の東屋みたいな……ガゼボ、だったかな。解放感たっぷりの石造りの建造物があって、その足元に魔法陣みたいな術式が刻まれていた。
「まずこの術式に自分の魔力を登録する」
「はい」
教えてもらいながら、床に手をつく。流れる魔力は術式を手元からゆっくりと光らせ、その輝きは1分くらいで全面に及ぶ。
そして、中央に集束するようにして消えていく。
部屋の照明を点灯する程度のほんの僅かな魔力消費だった。
「よし。それで5階層ごとの術式を使って戻って来れる。外に出たい時はそこにある魔石に力を流せばいい」
バルドルが指し示したのはガゼボの柱に飾られたひし形の魔石だ。仕組みとしては神具『野営テント』と神具『住居兼用移動車両』Ex.を繋いだあの魔石と同じなんだろう。
事前に勉強してきたのに、実際にやるのとでは大違い。
一人で来ていたら絶対に何かしらの手順を忘れていそうな気がする。
「……いよいよなんですね」
「ああ。いよいよだ」
緊張して来た俺に、でも、先輩達は楽しそうに笑う。
「レンの強張った顔なんて初めて見たな」
「いつも俺たちが驚かされてばっかりだし、たまにはいいんじゃねぇ?」
「ようやく先輩ぶれそうで嬉しいよ」
「経験の差はどうしようもないと思います!」
言い返したら笑い声が返って来る。
「さ、行こうか」
クルトに背を押される。
初めてのダンジョン攻略の始まりだ。
***
名前:木ノ下 蓮(キノシタ レン)
年齢:14(27)
性別:男
職業:旅の僧侶/銀級冒険者
状態:良好
所持金:4,636,000G
スキル:言語理解/天啓/幸運Ex./通販
所持品:神具『懐中時計』
神具『住居兼用移動車両』Ex.
神具『野営用テント』
装備品:プレリラソワのマント(魔導具)
僧侶の籠手
檜の棒
アンブルエカイユの胸当て
ポゥの羽靴(魔導具)
加護:主神リーデンの加護
異世界の主神カグヤの加護
異世界の主神ヤーオターオの加護
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