校長からの課題が娘の処女を守れ…だと!?

明石龍之介

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第3話 俺はいいの!

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昼休み

「失礼します」

「おお、快斗くん。まぁ座りたまえ。」

二回目となると校長室でも緊張はしなかった。
というかこんな変なおっさんになんで緊張せないかんのだ。

「俺に渡すものってなんですか?」

「はい、スタンガン」
「いや、こわっ!」

「冗談冗談、これじゃ。」

冗談で生徒にスタンガン渡すなよ…
紙袋を渡されて中を見る。

「これは?」

「人感センサーじゃ。誰かが寮に忍び込んだら君の携帯のアラームが鳴るようにセットしてある。カレンの部屋の窓にでも設置しなさい。」

「え、なに俺たち秘密組織か何かから狙われてるんですか?」

「なんじゃ知らんのか?この学校にはいくつもの夜這い専門チームが存在するんじゃぞ。」

夜這い

古くは万葉集に歌われており、古来より男が女に求愛するために寝ているところを訪れるといった風習である。

「なんですか夜這いチームって…」

「名前の通りじゃ。うちの数ある学生寮に夜な夜な忍び込み、女子生徒に手を出して回る集団じゃよ。」

「なんでそんな恐ろしいことを平気な顔で言うんですか!?あんた校長だろ?」

この学校はおかしいところが多々あると思っていたが間違っていた。

この学校は全ておかしいのだ…

「ていうか取り締まればいいじゃないですか!なんでそんな集団を当たり前みたいに許してんの?」

「それがの、校則のここを見てみい。」

そう言って校則の書いた資料を俺に見せてきた。

『よばふこと、これすなわち青春なり。』

「いやあんたが推奨しちゃってますよね!?」
「しかしカレンは特例じゃ!娘に夜這いだけは許さん!」

なんで逆ギレ…

「校則はそうコロコロと変えれんのじゃ。理事会の承認もいるしの」

「その理事会も含めて作り直せよ!はぁ…とにかく、その夜這いチームを気をつけとけばいいんですね。」

「話が早いの。それじゃ早速頼むぞい。して、今カレンはどこにいるんじゃ?」

校長の言葉で俺はカレンに昼飯を誘われていたのを思い出した。

「お、俺カレンと約束あったんでした!これで失礼します。」

俺は急いで校長室を出た。

そういえばあいつの連絡先もまだ知らなかった。
一年の教室に行きカレンを見なかったか聞くと屋上に行ったとのことだった。

俺は猛ダッシュで屋上に向かうと、既に男たちに囲まれたカレンがいた。

「カレンちゃん、俺たちといいことしない?」

「いいこと?セックス?」

「おほ、物分かりいいじゃん。じゃあ早速…」

「ちょいまちー!」

俺は男たちとカレンの間に滑り込んだ。

「なんだよあんた?」

「お、俺?俺は…」

俺は、一体なんなんだ?
ボディガードというか保護者というか、いや今は彼氏ってことになってるのか。

「か、彼氏だ!」

そう言うと男たちはしらけたように散っていった。

「なんだ処女じゃねえのか。だったら別にどうでもいいわ。誰だよこいつフリーだって言ったの。」

悪態を吐きながら連中が去ったあと、カレンを見たがまだなにもされていないようだった。

「よかった…」

「?…快斗、私の彼氏なの?」

「え?いや、今の場合はそう言ったほうがいいかなと…」

「ふーん」

少しだけ機嫌が悪そうなのは約束をすっぽかしたからだろうか。

「ごめん、校長に呼ばれてたんだよ。それに頼むから他の男にはついていくな。わかったか?」

「パパに?うん、わかった。」

そう言って俺が下に降りようとすると、何故かカレンは立ち止まっていた。

「どうした?」

「だって、男についてったらダメって。」

「他のやつはダメなの!俺はいいの!」

なんで俺はいいのかさっぱり説明はつかないが、とにかくこの空気の読めない天然女にほとほと疲れていた。

「快斗は、いいんだ…」

そう言って俺にテクテクとついてくるカレンを教室に送り届け、俺も教室に戻った。

午後の授業を終えて俺は真っ先に正門に走った。
なぜならカレンを捕まえなければならないからだ。

下校中だと言うのに、この学校の生徒は既にイチャイチャモード全開だ。

腕を組むくらいならいい。
手を繋ぐくらいなのもいい。
頼むから正門で濃厚なチューをしないでくれ!

そういうのって普通誰もいない教室とかでするもんじゃないの?
いや、それも普通じゃないんだけど!

この学校に風紀委員とやらがあるのなら是非顔を拝んでみたい。

目のやり場に困っているとカレンがトボトボと歩いているのが見えた。

「おーい、カレン!」

「あ、快斗」

俺はカレンを呼び、そのまま手を引いて寮に帰った。

「とりあえず夕飯の買い出ししてから帰るぞ。カップ麺ばっかじゃ身体に悪いからな。」

「え、昨日のおいしかったのに…」

残念そうなカレンを見て俺は手料理をお願いした。

「カレンのホットケーキめっちゃ美味しかったぞ。他にもなんか色々作ってくれよ。」

「私の料理食べたい?」

「うんうん、食べたい食べたい。」

俺が作ってほしそうに頼むと、カレンは嬉しそうだった。

スーパーに行き、適当に食材をカゴに入れてレジに向かうとカレンが払おうとしていた。

「おいおい、俺が出すよ。女の子に買わせるなんて…」

「快斗お金あるの?」

その質問はとても辛い。
生活費3万円で毎日の自炊から携帯まで支払っていかなければならない俺はお金があるとはとても言えない。

「で、でもお前だって小遣いだろ?いくらくらいもらってるんだ?」

「うーん?100万円くらい」
「はいお願いします明日からもお願いいたします。」

そうだ、こいつめっちゃ金持ちなのをいつも忘れてしまう。
だいたい15歳の女の子にいくら渡してるんだよあのくそ校長め…

家について俺は風呂の掃除を始めた。
あと割れたガラスの補修や埃まみれの廊下の掃除もした。

その間にカレンが夕飯の支度を整えてくれていた。

「快斗、できたよ。」

掃除に精が出ていたところでカレンが呼びに来たので広間に向かう。

「はい、召し上がれ。」

実に嬉しそうに俺に料理を差し出すのだが、俺はそれを見てなぜこうなったとしか思わなかった。

「これって…」
「うん、ホットケーキ。快斗が美味しいって言ってくれたからまた作った。」

うーん、この場合は俺が悪いのでしょうか…

「あのねぇ、ホットケーキは美味しかったけど、毎食これじゃ食べる気がしないというか…」

「快斗食べないの…?」

目をウルウルさせるカレンに見つめられると、俺の胸も股間も張り裂けそうだった。

「い、いや食べる食べる。おお、うまいなぁ。でもさ、明日は別の料理食べたいかな。」

「よかった。うん、明日はパンケーキにしようかな」
「ごめんパンケーキとホットケーキの違いって男子はよくわからんのですが!」

頼むから米が食べたいと念を押して、朝に続いてのホットケーキを完食した。

「ふう、とりあえず風呂入ってこいよ。あ、窓は絶対に閉めろよ。」

わかったと言い残しカレンは風呂場に向かった。

一応俺は風呂場の外で待機して、覗きがいないかチェックをしていた。

風呂からあがる音がしたので、今度は風呂場の入り口にダッシュで向かい、裸で出てこないかチェックした。

「快斗大変そうだね。お風呂入ったら?」

「ええ、是非そうします…」

疲れた身体には風呂が染みる。

まぁ大変だけど、カレンは悪い子じゃないしな。
それに可愛いし…なんて思っていると脱衣所からアラームが鳴った。

さっき掃除してる時にカレンの部屋に設置したセンサーが反応している。

俺は急いで風呂を出てカレンの部屋に飛び込んだ。

「大丈夫か!?」

「あ、快斗。この人たちがね、私に用があるって。」

そこには胸にYBIとプリントされたTシャツをきた男が三人立っていた。

よ、ば、い、のイニシャルか…なんと安易な。

「な、なんだよ男には用事ないんだよ。」
男の一人が凄んでくるが、俺は校長から預かった危険物を持ってきた。

「本物だぞ?それに夜這いってんならもっと夜中にこいよ!」
俺の風呂の時間を返せ!とも言いたかった。

「ス、スタンガン?なんでそんなもの持ってんだよ。おい、帰るぞ。」

「お、おう。」

なんか知らんが男たちは帰っていった。
一応スタンガンも持って帰っててよかった…
無駄に窓ガラスをぶち破っていったせいで、また片付けが必要になった…

「カレン、だから知らない男がいたらついていくなって…」

「ついてってないよ?向こうが勝手にきたんだもん。」

うーん、この子には一つ一つ丁寧に教えてあげないといけないらしい。

「男の人が部屋に入ってきたら、キャー助けてー!って大声で叫ぶんだぞ?わかった?」

「うん、わかった。」

よしよしと胸を撫で下ろしていると、俺の方をジロジロ見てくるカレンに気付き、また嫌な予感がしたが時既に遅かった。

「キャー!助けてー!」
「だから俺はいいんだってー!」

このあと近所の人の通報で警察に連れて行かれたのは言うまでもない。

ここから俺の悲劇は更に加速する…




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