彼の執着〜前世から愛していると言われても困ります〜

八つ刻

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本編

裏切りと狂愛

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気付いた時には知らない部屋にいた。
口には布が巻かれ、腕と足はロープのようなもので後ろに縛られ地面に寝転がらされてるようだ。
ズキリと痛む頭を何とか我慢し、私は薄目で周りを確認した。

黒いスーツを着た体格のいい男の人が三人、その内の二人は簡素な椅子に座り煙草を吸っている。
どうやらこの人たちが私を誘拐したらしい。

「おい、さっさと準備しろ。でなきゃ咎められるのは俺たちだぞ」
「ちょっと待てよ。最近のカメラってよくわかんねぇんだからさ」
「それにしても、今の若いやつはすげぇ事すんな。ま、役得だけどよぉ」

カメラ?役得?
一体どういう事?

「お前こんなガキイケるのかよ」
「ガキって言ったってもう十八だろ?十分大人じゃねぇか」

一人の男の人が私に近付きしゃがみ込むのを感じ、急いで目をつぶった。

「俺はもっと、こう色気のある方が好きなんだけどねぇ」
「そうか?こういうきれーなお嬢ちゃんをぐっちゃぐちゃに汚すのって楽しいじゃん」
「お前いい性格してるよ・・・」

今までの話の流れからして私はこれからこの人たちに乱暴にされるの?
そんなの嫌だ!怖い・・・誰か、誰か助けてーー!

「セット終わったぞ~」
「お、じゃ後は到着待ちかぁ」

その時バタンとドアが開く音がした。

「あ、お疲れ様っす~」
「こっちは準備終わってます」

歩く音は一人分。どうやらこの人がこの男の人たちの主らしい。
自分がどうなってしまうのか、泣きたいくらい怖いけど今騒いでも何もいい事はない。私は必死に身体が震えるのを抑えた。

「そう、じゃさっさとやる事やっちゃいましょう」

そう言った声は私のよく知る人の声だった。

なんで、なんで、なんで未央ちゃんがーー?


驚きについ目を見開いてしまった私は、見下ろしていた未央ちゃんとバチリと目が合った。

「あら目が覚めていたのね。丁度いいわ」

目が合った未央ちゃんは一緒にランチを食べていた時の面影はなく、冷たい瞳で私を見ている。
なんで?私何かした?

状況が理解できず、何度も同じ事を繰り返し考えていると未央ちゃんはくすりと笑った。

「なんでって顔してる。まだわからないの?」

私の元まで歩いてきた未央ちゃんは思いっきり足で私の肩を踏みつけた。

「ぐっ・・・!」
「あぁ痛そうねぇ。でもは死なせない。死にたくなるようにはしてあげるけどね」

未央ちゃんは更に足に力を入れて全体重を私の肩に掛ける。

「いつもいつもあんた邪魔なのよ。今度こそわたくしがあの方のお傍にいるはずなのに、また現れて。どれだけ邪魔すれば気が済むわけ?」

綺麗な顔を歪めて私を見下ろす未央ちゃんの瞳にはハッキリと憎しみが宿っていた。
口を塞がれている私には何も答える事ができない。

「あれだけ良くしてやったのに。何が迷惑、よ。本当は優越感に浸っていたんでしょう?彼の子を生めて、生めない私を可哀想だと見下して。ほんっと貴女みたいな女ーー大っ嫌いよ・・・!」

足を退け、私の顔を覗き込む未央ちゃんの表情は愉悦が浮かんでいた。

「だからね?今度も子供生ませてあげる。まぁあの方の子じゃなく、この男たちの子だけど。あぁ心配しないで。子供ができても育てられるようにカメラ回してその映像売るから。売上は貴女にあげるわ。ほら、何も心配はいらないでしょう?」

ーーー狂ってる。

恐怖で身体がガタガタと震える。顔色はきっと真っ青だろう。
そんな私の反応に満足したのか、未央ちゃんはにこりと笑い男たちに視線を向けた。

「バレたら面倒だわ。さっさとやっちゃって」

その一言で男たちが椅子から立ち上がる。

嫌だ!嫌だ!
私はめいいっぱいの力で暴れてみるが、後ろに縛られているため大した抵抗はできなかった。

「大人しくしとけばすぐ終わるから」
「現役女子大生とかマジ胸熱~」
「いいなぁ。なんで俺はカメラ役なんだよ」

私の心境とは真逆に男たちは普通に会話をしている。
一人の男の手が私の胸元のボタンに手をかけた。

ーーーやだ!!!!
何もできない私は目をつぶるしかなかった。

ブチン!!

ボタンが飛ぶ音をどこか他人事のように感じる。

「お~思ったより胸あんじゃん」
「やぁらかそう♡ラッキー」

あぁもう私はここで処女を散らされるんだと思ったら、絶望からなのか考える事をやめた。
こんな事になるなら、初めてはーーー

目から止めどなく流れる涙を拭く事もできず、男たちに次々と服を脱がされていく。

「ちょっと、無駄口叩いてないでさっさとしなさいよ」

椅子に座りながら見下ろす未央ちゃんは相変わらず無表情で、私は彼女にここまでやらせてしまうほどの事をしたのかとぼんやりと眺めた。


ついに下着だけになった私。
一人の男がブラジャーを外そうと素肌を触った時、今までに経験した事がないほどゾワリとした感覚が走った。

「うお、鳥肌すげぇ。そんなに嫌なのか」
「んなのどうでもいいだろ、さっさとそれ外せよ」
「はいはい」

ブラのホックに触れたその時ーーーガン!!!と大きな音を立ててドアが鳴った。

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