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4.家族が激怒しました
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「…………ん、ぅ?」
暖かな光を感じて目を開くと、見慣れない天井が視界に移る。
「……あれ……ここ、は……?」
いつもとは違う模様。
こんな天井、お城にあったかな……? と首を傾げたところで、昨晩の出来事を思い出す。
「そうだ。私、お城を追い出されたんだ……」
昨日のことはまだ鮮明に思い出せる。
そして、思い出すたびに私は深い深い溜め息を吐き出して、ひとり、どんよりとした雰囲気を出してしまう。
気持ちがいい朝の光。それを鬱陶しく感じるほどに……。
出来ることなら、嫌な記憶は全て、綺麗さっぱり忘れてしまいたかった。
でも、ようやく慣れてきた日常を壊された不可視の傷は、私自身が思っていた以上に大きな影響を与えていたらしい。
「ああ、もう……疲れた……」
こんな時は二度寝をするに限ると、再び布団の中に潜る。
嫌なことがあれば、私はいつも眠るようにしていた。眠っている時間だけは嫌なことを思い出すことなく、夢の中で好きなことができるから。
そう思って瞼を閉じ、再び夢現つになりかけていた──その時。
「我が娘はどこだ! どこにいる!?」
屋敷中に怒鳴り声のような声が響き渡る。
それは徐々に近づいてきて、ついでに騒がしい足音も複数聞こえるようになったと思ったその時、私がいる部屋の扉が外側から勢いよく開かれた。
「シェラローズ! ここにいたのか……!」
現れたのは、私のお父様。
急いで走ってきたのか呼吸は荒く、肩で大きく息をしているお父様の後ろには、遅れてやってきたお母様やお兄様、二人のお姉様の姿も見えた。
……私の家族、全員がここに揃っている。
これはとても珍しい状況だ。
まず私は聖女としてお城に滞在していたし、お父様やお母様は領地でのお仕事で忙しいから王都にはあまり顔を出さないし、お兄様も両親の補佐として各地を渡り歩いているため家を空けていることが多く、お姉様たちは嫁いでいるからそもそも家にいない。
だから、心底驚いて反応が遅れたのは……仕方のないことだった。
「お父、さま? どうしてここに……?」
「バートンからお前のことを聞いて、急いで駆けつけたのだ。それよりもシェラローズ。王城に滞在していたお前が、なぜ戻ってきた? 城で何があった?」
「そ、れは……」
言葉に詰まって、一拍おいて深呼吸。
私は正直に、昨日起こったことを事細かに話した。
「なんと、そのようなことが……」
お父様は最初の方こそ静かに聞いてくれていたけれど、段々とその表情は険しくなっていって、最後には俯いて全身をプルプルと震わせ始めた。
耳まで真っ赤に染まっていることから、とても怒っている様子だ。
普段は優しく笑いかけてくれるお母様たちも感情がなくなったような冷たい表情を顔に貼り付けていて、この瞬間だけ世界が凍りついたのかと錯覚してしまうほどの沈黙と、思わず身震いするほどの重苦しい空気が部屋を支配する。
「許せん。これは、決して許されることではないぞっ!」
「も、申し訳、ありません! 私のせいで、家族の顔に泥を塗るようなことに────」
「愛しい娘を虐げたなど、王族であろうと絶対に許さん!」
………………え?
「私は覚悟を決めたぞ! 我々は領地に籠る。貴族社会にも二度と顔を出さん! かけがえのない我々の家宝──シェラローズを追放したこの国など知ったことか!」
お父様は血管がはちきれそうになるほど激昂し、
「……ああ、可哀想な私の娘。辛い時、側にいてあげられなくてごめんなさい。でも、もう大丈夫よ。今まで一緒にいてあげられなかった分、これからはずっと一緒だからね」
お母様はその目に涙を浮かばせながら私を優しく抱きしめ、
「今まで聖女としてよく頑張ってきたね。シェラローズは偉い子だ。だから今度は好きなだけ休むといい。後のことは僕達に任せて、ね……?」
お兄様は昔やってくれたようにポンポンと頭を撫で、
「お兄様の言う通りだわ! シェラはずっと頑張ってきたのだから、ちょっとくらい休んだって誰も文句は言わないわよ! ──いいえ! 誰にも文句は言わせないわ!」
「顔だけはいいからって調子に乗って、あんの馬鹿王子……! うちの可愛い妹を悲しませた恨み、絶対に忘れないわ!」
お姉様たちは王城がある方角へ敵意を剥き出しに叫ぶ。
……え、…………え?
「あの、怒っていないのですか……?」
「怒っているに決まっている! あの無能には散々呆れていたが、娘の婚約者だからと大目に見ておけばこれだ! 流石の私も我慢の限界だ!」
「あ、いえ……家族の顔に泥を塗ってしまった私に、怒っていないのですか?」
「「「「「はぁ?」」」」」
本心で聞けば、皆は「何を言っているんだ?」と言いたげに顔を顰めた。
予想していた反応とは違うものが返ってきて、今度こそ意味がわからなくなる。
私は睡眠が好きだ。
そのせいで周りに迷惑を掛けたこともあるし、心配もさせた。
今回のことも、元はと言えば私が寝てばかりだったせいで殿下が勘違いしたのが原因だ。
私が周りの言葉に甘えることなく、もっとしっかり聖女の役割を果たしていれば、こんなことにはならなかったのでは……?
そう思いながらお城を出て、自分の意思の弱さを後悔していた。
なのに、それでも私は睡眠を嫌いになれなかった。
むしろ、眠ることさえできれば他はどうでもいいとさえ思う自分がいて…………こんなに堕落しきった私が聖女だなんて、やっぱり向いてなかったんだと、昨日──謁見の間で改めて現実を突きつけられたような気がした。
だから、きっと皆からも同じようなことを言われるんだろうなって、勝手にそう決めつけて、諦めていた。…………なのに、
「お前は聖女の役目をしっかりと果たしていた。怒ることがあるか?」
「今代の聖女様の力は素晴らしい。過去の歴史の中で最も、魔物による被害が少なく済んでいるのは聖女様のおかげだって、みんなが言っているわ。あなたは何も悪くないのよ。……何も悪くないの」
お母様に抱きしめられて、みんなに励まされて。
……ああ、ちゃんと理解してくれる人は、私の味方になってくれる人は、こんなに居たんだってことが分かって……嬉しくなった。
「ありがとう、ございます……ありがと、ぅ……」
お母様の胸元に頭をくっつけて、私は啜り泣いた。
成人手前なのにみっともない体勢で、少し恥ずかしかったけれど、私を包み込む温もりを感じれば感じるほど、私の目から溢れ出る涙は、いつまでも止まることはなかった。
暖かな光を感じて目を開くと、見慣れない天井が視界に移る。
「……あれ……ここ、は……?」
いつもとは違う模様。
こんな天井、お城にあったかな……? と首を傾げたところで、昨晩の出来事を思い出す。
「そうだ。私、お城を追い出されたんだ……」
昨日のことはまだ鮮明に思い出せる。
そして、思い出すたびに私は深い深い溜め息を吐き出して、ひとり、どんよりとした雰囲気を出してしまう。
気持ちがいい朝の光。それを鬱陶しく感じるほどに……。
出来ることなら、嫌な記憶は全て、綺麗さっぱり忘れてしまいたかった。
でも、ようやく慣れてきた日常を壊された不可視の傷は、私自身が思っていた以上に大きな影響を与えていたらしい。
「ああ、もう……疲れた……」
こんな時は二度寝をするに限ると、再び布団の中に潜る。
嫌なことがあれば、私はいつも眠るようにしていた。眠っている時間だけは嫌なことを思い出すことなく、夢の中で好きなことができるから。
そう思って瞼を閉じ、再び夢現つになりかけていた──その時。
「我が娘はどこだ! どこにいる!?」
屋敷中に怒鳴り声のような声が響き渡る。
それは徐々に近づいてきて、ついでに騒がしい足音も複数聞こえるようになったと思ったその時、私がいる部屋の扉が外側から勢いよく開かれた。
「シェラローズ! ここにいたのか……!」
現れたのは、私のお父様。
急いで走ってきたのか呼吸は荒く、肩で大きく息をしているお父様の後ろには、遅れてやってきたお母様やお兄様、二人のお姉様の姿も見えた。
……私の家族、全員がここに揃っている。
これはとても珍しい状況だ。
まず私は聖女としてお城に滞在していたし、お父様やお母様は領地でのお仕事で忙しいから王都にはあまり顔を出さないし、お兄様も両親の補佐として各地を渡り歩いているため家を空けていることが多く、お姉様たちは嫁いでいるからそもそも家にいない。
だから、心底驚いて反応が遅れたのは……仕方のないことだった。
「お父、さま? どうしてここに……?」
「バートンからお前のことを聞いて、急いで駆けつけたのだ。それよりもシェラローズ。王城に滞在していたお前が、なぜ戻ってきた? 城で何があった?」
「そ、れは……」
言葉に詰まって、一拍おいて深呼吸。
私は正直に、昨日起こったことを事細かに話した。
「なんと、そのようなことが……」
お父様は最初の方こそ静かに聞いてくれていたけれど、段々とその表情は険しくなっていって、最後には俯いて全身をプルプルと震わせ始めた。
耳まで真っ赤に染まっていることから、とても怒っている様子だ。
普段は優しく笑いかけてくれるお母様たちも感情がなくなったような冷たい表情を顔に貼り付けていて、この瞬間だけ世界が凍りついたのかと錯覚してしまうほどの沈黙と、思わず身震いするほどの重苦しい空気が部屋を支配する。
「許せん。これは、決して許されることではないぞっ!」
「も、申し訳、ありません! 私のせいで、家族の顔に泥を塗るようなことに────」
「愛しい娘を虐げたなど、王族であろうと絶対に許さん!」
………………え?
「私は覚悟を決めたぞ! 我々は領地に籠る。貴族社会にも二度と顔を出さん! かけがえのない我々の家宝──シェラローズを追放したこの国など知ったことか!」
お父様は血管がはちきれそうになるほど激昂し、
「……ああ、可哀想な私の娘。辛い時、側にいてあげられなくてごめんなさい。でも、もう大丈夫よ。今まで一緒にいてあげられなかった分、これからはずっと一緒だからね」
お母様はその目に涙を浮かばせながら私を優しく抱きしめ、
「今まで聖女としてよく頑張ってきたね。シェラローズは偉い子だ。だから今度は好きなだけ休むといい。後のことは僕達に任せて、ね……?」
お兄様は昔やってくれたようにポンポンと頭を撫で、
「お兄様の言う通りだわ! シェラはずっと頑張ってきたのだから、ちょっとくらい休んだって誰も文句は言わないわよ! ──いいえ! 誰にも文句は言わせないわ!」
「顔だけはいいからって調子に乗って、あんの馬鹿王子……! うちの可愛い妹を悲しませた恨み、絶対に忘れないわ!」
お姉様たちは王城がある方角へ敵意を剥き出しに叫ぶ。
……え、…………え?
「あの、怒っていないのですか……?」
「怒っているに決まっている! あの無能には散々呆れていたが、娘の婚約者だからと大目に見ておけばこれだ! 流石の私も我慢の限界だ!」
「あ、いえ……家族の顔に泥を塗ってしまった私に、怒っていないのですか?」
「「「「「はぁ?」」」」」
本心で聞けば、皆は「何を言っているんだ?」と言いたげに顔を顰めた。
予想していた反応とは違うものが返ってきて、今度こそ意味がわからなくなる。
私は睡眠が好きだ。
そのせいで周りに迷惑を掛けたこともあるし、心配もさせた。
今回のことも、元はと言えば私が寝てばかりだったせいで殿下が勘違いしたのが原因だ。
私が周りの言葉に甘えることなく、もっとしっかり聖女の役割を果たしていれば、こんなことにはならなかったのでは……?
そう思いながらお城を出て、自分の意思の弱さを後悔していた。
なのに、それでも私は睡眠を嫌いになれなかった。
むしろ、眠ることさえできれば他はどうでもいいとさえ思う自分がいて…………こんなに堕落しきった私が聖女だなんて、やっぱり向いてなかったんだと、昨日──謁見の間で改めて現実を突きつけられたような気がした。
だから、きっと皆からも同じようなことを言われるんだろうなって、勝手にそう決めつけて、諦めていた。…………なのに、
「お前は聖女の役目をしっかりと果たしていた。怒ることがあるか?」
「今代の聖女様の力は素晴らしい。過去の歴史の中で最も、魔物による被害が少なく済んでいるのは聖女様のおかげだって、みんなが言っているわ。あなたは何も悪くないのよ。……何も悪くないの」
お母様に抱きしめられて、みんなに励まされて。
……ああ、ちゃんと理解してくれる人は、私の味方になってくれる人は、こんなに居たんだってことが分かって……嬉しくなった。
「ありがとう、ございます……ありがと、ぅ……」
お母様の胸元に頭をくっつけて、私は啜り泣いた。
成人手前なのにみっともない体勢で、少し恥ずかしかったけれど、私を包み込む温もりを感じれば感じるほど、私の目から溢れ出る涙は、いつまでも止まることはなかった。
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