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第1章
予想外すぎます
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話し合いの場所は、謁見の間でした。
ただ私だけの用件だというのに、随分と大掛かりですね。
ただ単に目立ちたいだけな気がしますが……まぁ、今は深く考えないようにしましょう。
「よく来てくれた、リフィ殿」
「はい、お久しぶりです。陛下」
「……うむ、今日も美しいな」
──チッ。
「ありがとうございます。陛下にそう言っていただけて、嬉しいです」
ここの王様が女好きというのは、すでに調査済みです。
なんせ、出会って初めに求婚して来たような人ですからね。
そう言われることも予想してあったので、事前にポーカーフェイスを作っていて良かったです。
「我の妻になる気にはなったか?」
「ご冗談を。前にも断った通り、私はただのエルフ。陛下とは釣り合いません」
こんなアホと結婚?
冗談ではありません。
そんなことになるくらいなら、この国を滅ぼします。
「それで、用件とはなんでしょうか?」
「実はな、リフィ殿に頼みがあるのだ」
「頼み、ですか?」
国王からの頼み事。
軽い用事ではないのは確かです。
まさか、古谷さんのように、私も小間使いにしようと思っているのではないでしょうね?
「三日後、この国に魔王が来るのだ」
……ああ、その話ですか。
「それは驚きです」
私は初めて聞いたかのような反応を返しました。
古谷さんに聞いていましたが、本人は私に教えたことを隠しているようですし、何かを聞き出せるいい機会だと思ったので、わざと何も知らない風を装います。
「どうしてそんなことに?」
そう質問をすると、王は神妙な顔つきになり、重々しく口を開きました。
「……勿論、平和のためだ」
「平和ですか?」
「ああ、我々人と魔族は、長年争っている。これ以上無益な戦いをしても、双方が不幸になるだけだ。そうは思わないか?」
「…………はぁ、そうですね」
一方的に人側が戦力を送りつけて、魔族領の地を占領しようとするからでしょうに……何を都合の良いことを言っているのでしょうか?
「だから、だ。我は魔族と友好を結びたいと思い、魔王を我が国へ招待したのだ」
「本気なのですか?」
「無論だ。本気でなければ、敵の総大将を招待などせぬ」
友好を結びたいと言っておきながら、自然とミリアさんのことを敵って言っていますが……まぁ、それは別にいいです。
問題なのは、本当に国王が魔王と友好を結ぼうと考えているのか、です。
嘘かどうかなんて、私には見破れません。
なので、専門家に聞きましょう。
『ウンディーネ』
『多分……嘘だよ』
ウンディーネには国王の監視をお願いしていました。
そういう裏の思惑を探るにはちょうどいいでしょう。
そして、その彼女が『嘘』と言った。
『その理由は?』
『……ただ招待しようって、感じじゃない。むしろ、何というか……戦場に迎え入れようとしているような、変な感じ。それに…………』
『それに?』
『あの人から感じる魔力の流れは……気持ち悪い』
魔力に精通している精霊がそう言うのであれば、間違いないのでしょう。
私はウンディーネの勘を信じることにしました。
『まだ詳しくはわかりませんが、歓迎しようという雰囲気ではない。……そういうことですか?』
『……うん、そんな感じ。…………ごめんなさい、まだ詳しくわからなくて』
『いえ、それだけでもわかれば十分です。ありがとうございます』
とにかく、国王がミリアさん達を心から歓迎しようとしていない、ということがわかりました。
「それで、その魔王を招待することと、私の用件と、何が関係しているのでしょうか?」
「うむ、リフィ殿には、魔王の監視をお願いしたい」
「…………は?」
ちょっと何を言っているのかわかりません。
私が魔王の監視? はぁ?
どうしてそうなりました?
「……理由を、教えてください」
頭痛を覚えながら、私は国王に真意を問います。
「勇者から聞いた。お前の里は、魔王軍幹部によって滅ぼされたのだろう?」
「……そうですね」
本当は魔王幹部ではなく、ミリアさんですけどね。
訂正したら面倒なことになるので、しませんけど。
「お前は魔王軍に恨みを持っている。違うか?」
──違います。
とは言いません。
何度も言いますが、話をややこしくするのは嫌なので。
「まぁ、そうですね。それが何か?」
「恨みを持っている者が監視をした方が、魔王が怪しい行動をとった時、より敏感に反応出来る。そうだろう?」
なんか、良いことを言ったみたいなドヤ顔をされましたけど、何を言っているんですかこの人は?
恨みを持っているから、その憎い相手の行動を敏感に察知出来る。
それを否定はしません。
ですが、憎しみを持っている者を、友好を結びたい人の監視に付かせますか?
逆に、本当に友好を結びたいのであれば、魔王の安全を確保するために私を遠ざけるでしょう。
……これで、国王が魔王を本当に歓迎していないことが確定しましたね。
「リフィ殿は辛いと思うが……どうか引き受けてはくれないだろうか? 勿論、報酬はたんまりと用意しよう」
何が辛いとは思うが……ですか。これっぽっちも辛くないですけど、内心大荒れですよ。
──と言いたいのをグッと堪えつつ、私は頭を下げます。
「……わかりました。引き受けましょう」
「助かる。では三日後、よろしく頼む」
元よりミリアさん達と接触するため、色々と手回しをしようと思っていました。
とても面倒だったので、どうしたら最短ルートで手回し出来るかを考えていたのですが、国王のおかげでその手間が省けました。
今回はポジティブにそう捉え、これで良しとしましょう。
「では、私はこれで失礼します」
軽くお辞儀をして、私は謁見の間を出ます。
その後ろに、古谷さんが付いてきました。
ずっと黙っていたので忘れていましたが、居たんですね。
「なんか、大変なことになったね」
「そうですね」
「魔王の監視なんて、リフィさんには厳しいんじゃないか?」
古谷さんは純粋に私を心配してくれます。
それはそうですよね。
ただの協力者である私に、敵の総大将の監視をさせるのは、普通に考えて危険すぎます。
普通は勇者か、それに並ぶ実力者の仕事でしょう。
「やっぱり、俺が国王に考え直すよう言ってくる……!」
「待ってください」
そう言って走り出そうとする古谷さんの腕を、掴みます。
「私は大丈夫です」
「でも……」
「大丈夫ですって。私を信じてください」
「…………わかった。無理はしないで」
「はい、心配してくれてありがとうございます。では、私は一度部屋に戻ります」
「あ、うん……お疲れ様」
「お疲れ様でした」
私は足早に部屋へと戻ります。
『ウンディーネ、ミリアさん達に報告を。無事、接触することが出来そうです、と。……ああ、それと、アカネさんに────』
『……うん、うん。……わかった。すぐに、報告してくるね!』
さて、少々予想外の事態が起こりましたが、これでミリアさんを迎える全ての準備が整いました。
後、三日。
この国で集められそうな情報は、もうほとんど集め終わりました。
後は適当に、古谷さんや国王と友好を築きながら過ごすだけ。
それまで我慢したら────
「うふふ……」
私は今後の展開を想像して、自然と口角が釣り上がりました。
「待っていてくださいね……愛しのベッドちゃん」
ただ私だけの用件だというのに、随分と大掛かりですね。
ただ単に目立ちたいだけな気がしますが……まぁ、今は深く考えないようにしましょう。
「よく来てくれた、リフィ殿」
「はい、お久しぶりです。陛下」
「……うむ、今日も美しいな」
──チッ。
「ありがとうございます。陛下にそう言っていただけて、嬉しいです」
ここの王様が女好きというのは、すでに調査済みです。
なんせ、出会って初めに求婚して来たような人ですからね。
そう言われることも予想してあったので、事前にポーカーフェイスを作っていて良かったです。
「我の妻になる気にはなったか?」
「ご冗談を。前にも断った通り、私はただのエルフ。陛下とは釣り合いません」
こんなアホと結婚?
冗談ではありません。
そんなことになるくらいなら、この国を滅ぼします。
「それで、用件とはなんでしょうか?」
「実はな、リフィ殿に頼みがあるのだ」
「頼み、ですか?」
国王からの頼み事。
軽い用事ではないのは確かです。
まさか、古谷さんのように、私も小間使いにしようと思っているのではないでしょうね?
「三日後、この国に魔王が来るのだ」
……ああ、その話ですか。
「それは驚きです」
私は初めて聞いたかのような反応を返しました。
古谷さんに聞いていましたが、本人は私に教えたことを隠しているようですし、何かを聞き出せるいい機会だと思ったので、わざと何も知らない風を装います。
「どうしてそんなことに?」
そう質問をすると、王は神妙な顔つきになり、重々しく口を開きました。
「……勿論、平和のためだ」
「平和ですか?」
「ああ、我々人と魔族は、長年争っている。これ以上無益な戦いをしても、双方が不幸になるだけだ。そうは思わないか?」
「…………はぁ、そうですね」
一方的に人側が戦力を送りつけて、魔族領の地を占領しようとするからでしょうに……何を都合の良いことを言っているのでしょうか?
「だから、だ。我は魔族と友好を結びたいと思い、魔王を我が国へ招待したのだ」
「本気なのですか?」
「無論だ。本気でなければ、敵の総大将を招待などせぬ」
友好を結びたいと言っておきながら、自然とミリアさんのことを敵って言っていますが……まぁ、それは別にいいです。
問題なのは、本当に国王が魔王と友好を結ぼうと考えているのか、です。
嘘かどうかなんて、私には見破れません。
なので、専門家に聞きましょう。
『ウンディーネ』
『多分……嘘だよ』
ウンディーネには国王の監視をお願いしていました。
そういう裏の思惑を探るにはちょうどいいでしょう。
そして、その彼女が『嘘』と言った。
『その理由は?』
『……ただ招待しようって、感じじゃない。むしろ、何というか……戦場に迎え入れようとしているような、変な感じ。それに…………』
『それに?』
『あの人から感じる魔力の流れは……気持ち悪い』
魔力に精通している精霊がそう言うのであれば、間違いないのでしょう。
私はウンディーネの勘を信じることにしました。
『まだ詳しくはわかりませんが、歓迎しようという雰囲気ではない。……そういうことですか?』
『……うん、そんな感じ。…………ごめんなさい、まだ詳しくわからなくて』
『いえ、それだけでもわかれば十分です。ありがとうございます』
とにかく、国王がミリアさん達を心から歓迎しようとしていない、ということがわかりました。
「それで、その魔王を招待することと、私の用件と、何が関係しているのでしょうか?」
「うむ、リフィ殿には、魔王の監視をお願いしたい」
「…………は?」
ちょっと何を言っているのかわかりません。
私が魔王の監視? はぁ?
どうしてそうなりました?
「……理由を、教えてください」
頭痛を覚えながら、私は国王に真意を問います。
「勇者から聞いた。お前の里は、魔王軍幹部によって滅ぼされたのだろう?」
「……そうですね」
本当は魔王幹部ではなく、ミリアさんですけどね。
訂正したら面倒なことになるので、しませんけど。
「お前は魔王軍に恨みを持っている。違うか?」
──違います。
とは言いません。
何度も言いますが、話をややこしくするのは嫌なので。
「まぁ、そうですね。それが何か?」
「恨みを持っている者が監視をした方が、魔王が怪しい行動をとった時、より敏感に反応出来る。そうだろう?」
なんか、良いことを言ったみたいなドヤ顔をされましたけど、何を言っているんですかこの人は?
恨みを持っているから、その憎い相手の行動を敏感に察知出来る。
それを否定はしません。
ですが、憎しみを持っている者を、友好を結びたい人の監視に付かせますか?
逆に、本当に友好を結びたいのであれば、魔王の安全を確保するために私を遠ざけるでしょう。
……これで、国王が魔王を本当に歓迎していないことが確定しましたね。
「リフィ殿は辛いと思うが……どうか引き受けてはくれないだろうか? 勿論、報酬はたんまりと用意しよう」
何が辛いとは思うが……ですか。これっぽっちも辛くないですけど、内心大荒れですよ。
──と言いたいのをグッと堪えつつ、私は頭を下げます。
「……わかりました。引き受けましょう」
「助かる。では三日後、よろしく頼む」
元よりミリアさん達と接触するため、色々と手回しをしようと思っていました。
とても面倒だったので、どうしたら最短ルートで手回し出来るかを考えていたのですが、国王のおかげでその手間が省けました。
今回はポジティブにそう捉え、これで良しとしましょう。
「では、私はこれで失礼します」
軽くお辞儀をして、私は謁見の間を出ます。
その後ろに、古谷さんが付いてきました。
ずっと黙っていたので忘れていましたが、居たんですね。
「なんか、大変なことになったね」
「そうですね」
「魔王の監視なんて、リフィさんには厳しいんじゃないか?」
古谷さんは純粋に私を心配してくれます。
それはそうですよね。
ただの協力者である私に、敵の総大将の監視をさせるのは、普通に考えて危険すぎます。
普通は勇者か、それに並ぶ実力者の仕事でしょう。
「やっぱり、俺が国王に考え直すよう言ってくる……!」
「待ってください」
そう言って走り出そうとする古谷さんの腕を、掴みます。
「私は大丈夫です」
「でも……」
「大丈夫ですって。私を信じてください」
「…………わかった。無理はしないで」
「はい、心配してくれてありがとうございます。では、私は一度部屋に戻ります」
「あ、うん……お疲れ様」
「お疲れ様でした」
私は足早に部屋へと戻ります。
『ウンディーネ、ミリアさん達に報告を。無事、接触することが出来そうです、と。……ああ、それと、アカネさんに────』
『……うん、うん。……わかった。すぐに、報告してくるね!』
さて、少々予想外の事態が起こりましたが、これでミリアさんを迎える全ての準備が整いました。
後、三日。
この国で集められそうな情報は、もうほとんど集め終わりました。
後は適当に、古谷さんや国王と友好を築きながら過ごすだけ。
それまで我慢したら────
「うふふ……」
私は今後の展開を想像して、自然と口角が釣り上がりました。
「待っていてくださいね……愛しのベッドちゃん」
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