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第27話 魔王
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「……魔王だって?」
「そう、妾は魔王じゃ。…………なんじゃ? 信じられぬと申すのか?」
「いや、疑いはしないよ。むしろ納得した。そんな異様な雰囲気、普通じゃ出せない」
「さすがは魔眼の継承者じゃ。それくらいは見抜けるか。……それに、勘も良いようじゃな。妾のことを視なかったのは、賢明な判断じゃと褒めてやろう」
「それはどうも……」
受け答えしながら、私は考える。
魔王の存在は元から知っていたけど、こんなに可愛らしい姿をしていたのか。
──魔王。
何年にも渡って人と争いを続けてきた絶対悪の存在。ファンタジーのド定番の敵キャラだ。
……って、教えられてきたんだけどなぁ。人の常識ってなんなんだろうね。
「……ん?」
「なんじゃ? 妾の顔をジロジロと見おって何か付いているか?」
「あ、いや……あなたのことを、どこかで見た気がしてね」
「……ふむ? いや、それはありえぬな。妾はお主と会うのは初めてじゃ」
「そう、だよね……ごめん。忘れて」
そう、私もマトイと会うのはこれが初めてだ。
……それなのに、どこか懐かしい感覚を覚えるのはどうしてだろう?
相手は魔王なのに、とても親しく感じる。
「……そういえば、アリスはあの鬼族と知り合いだったの? ほら、同じ魔王の配下なんでしょ?」
もしそうなら、すぐに迷宮に案内した理由もわかる。特別親しい様子はなかったけど、面識だけあったってもの考えられる。
「いえ、あの方は私が仕えていた魔王様ではありません」
「ん? どういうこと? 世代変わったとか?」
「──なんじゃ、そんなことも知らんかったのか」
「申し訳ございません。説明するのを忘れていました」
まだ理解しきれていない私に、マトイの意外そうな声とアリスの謝罪の声がかけられる。
「魔王は一人ではない。複数いるのじゃよ」
「へぇぇ、そうなん──ってええええええ!?」
最早、威厳を保っている余裕なんてなかった。
魔王が複数いるなんて初耳だ。
どの物語でも魔王は一人だった。そして、その魔王を倒してみんなが平和になる。
そんな話ばかりで、いつの間にか私は魔王が一人なのだと思い込んでいた。
「勇者という者も複数おるじゃろ? そっちだけ数が多いなんてズルいじゃろうが」
「……よく、今まで人間が魔王に支配されてなかったな。と私は人を褒めたいよ」
「魔王が複数いると言っても、過激派と穏健派で派閥があるからの。人に知られているのは、主に過激派のやつらじゃよ。ちなみに昔は妾も過激派じゃったが、今は穏健派として落ち着いておる」
勇者が複数いるのは知っていた。物語でも勇者同士が助け合って魔王を倒していたし……それについては魔王が強すぎるから、勇者がたくさんいるのかと思ったけど、どうやら違かったらしい。
というか魔王にも派閥ってあったのか。その中でマトイは穏健派だと言っているけど、もしかしたら悪い奴じゃないのか?
……いや、そう決めるには早い。
いくら穏健派と言っても、人の目線から見たら酷い行いをしているかもしれない。それに、昔は過激派だったとマトイは言った。それはつまり、昔は沢山の人と争ったということになる。
結局は魔王。その固定概念が、私の警戒度を上げている。
だから私は軽率な判断が出来ない。あのレインが今もずっと警戒しているほどの相手だ。怒らせてしまったら、私たちは無事じゃ済まないだろう。
「…………それで、その魔王様が何の用?」
「なぁに、そんなに警戒せんでよい。今日はちょいとした挨拶に来ただけじゃ」
挨拶か。それにしては随分と派手な登場だったけど、単純に派手好きなだけなんだろうなぁ。後ろのグレンたちが呆れたように頭を抱えているのが、その証拠だ。
「妾は……というよりも妾たち魔王の半分は、遥か昔に魔眼に世話になったことがあってな。そのお礼と、新たな継承者を一目見ておきたいと思ったのじゃ」
「私はあなたたちを助けた本人じゃないから、そんな礼なんてされても困るんだけど……」
「別にお主には礼を言わぬよ。妾はお主の保有しているその眼に礼を言うのじゃ」
マトイの雰囲気がガラリと変わった。
さっきまでのおちゃらけた雰囲気とは異なり、今の表情は真剣そのものだった。
「──あの時は妾の命を救ってくれたこと、誠に感謝する。色々と教えてくれたことで、こうして魔王という地位に上り詰めることが出来た。今は何一つ不自由のない生活を送っておるよ。魔眼の後継者は妾が守護することで、恩を返そう。じゃから、どうか安心してくれ」
「…………ん、んん? 私を守護? 何を言っているんだこの狐様は」
「くくっ、ささやかな恩返しといったところじゃよ」
「でも、さっき言った通り、助けたのは私じゃないから、お礼されても困るんだけど?」
「妾はお主に礼を言ってはおらん。じゃが、お返しは誰にするかなんて言っておらん」
……この、言葉巧みに言いやがって。
「セリア様……」
「ん、どうしたのレイン」
「我は守護してもらうのも悪くはないと思います。あの者から感じられる気は、はっきり言って異常です。私でも本気でやって勝てるかどうか……」
「マジか、レインでも厳しいか。……アリスはどう?」
「私もレイン様の意見に賛成です。こちらも十分な戦力を保持しているとはいえ、まだ無知な部分はあります。もしもの時に助けになってくれるのではないでしょうか」
…………ふむふむ、アリスの言うことは最もだ。
確かに私たちは戦力としては十分だろう。けれど、私は元村娘。この世界のことについて知らないことが多すぎる。さっきの魔王の話だってそうだし、色々と教えてもらうためには良いのかもしれない。
「考えは纏まったかの?」
「一つ、聞きたい。これはあなたたちの傘下に加われってこと?」
「いや? 別に配下に迎えようなんて企んでおらんよ。さっき言ったじゃろう。妾は魔眼の魔女に命を救われた。ただ、その恩に報いたいのじゃ。……じゃから、妾は終始対等な立場で接したいと考えておる」
嘘は、言っていない。
悪戯好きっぽいけど、根は真面目で優しいのか。……魔王なのに?
「わかった、その代わり約束して。私の大切な従者、レインとアリスには絶対に害を加えないで」
「了解した。──妾は誓おう。魔眼の友として、お主らを守護すると」
「うん、よろしく」
マトイがそれを言い終わった後、私の中に膨大な魔力が流れ込んで来た。あったかくて、とても安心する感覚。これはマトイの魔力なのか?
「今、ここに誓いは結ばれた。妾はいつでもお主を見守ろう」
それが本当なら、ありがたい。
けど、まだ完全に信じることは出来なかった。
「それと、妾は契りを交わした者がいる場所なら、先ほどのように一瞬で転移することが出来る。遠慮せずになんでも申すがよい」
「契り?」
「先ほどのような契約と一緒じゃ。契りの場合は、ちと特殊じゃがな」
へぇ、じゃあ後ろにいる鬼族の巫女さんはマトイと契りを交わしたってことになるよね。
でも私たちの中にマトイと契りを交わしているのはいないけど、それはどうするんだろう?
それを聞いてみると、マトイは元から予定していたかのようにこう言った。
「それなら、こやつらを置いてゆく。女が多いが、鬼族じゃから頑丈な奴らじゃよ。好きに使ってくれい」
グレンたちに驚きはない。
こっちもすでに知らされていたことらしい。
「こんな田舎者にこき使われることになるけど、あなたたちは良いの?」
「我らは元々、マトイ様を尊敬しているが、忠誠を誓っているわけではない。一つの協力関係として存在しており、今回、友となるための橋渡し役になってくれる者はいないか、というマトイ様の相談により、我々の意思でここに来たのだ」
グレンが。
「ええ、それにあなた様のような、客人にも優しく接してくれる方の下でなら、私共は喜んで働きましょう」
巫女さんが。
「私も同意見です。今は前線を引退した身ですが、上手く使ってください」
武人風の女性が。
「……若の決めたことならば、それに従うのみ」
無口な少女が。
「誠心誠意働くので、どうかよろしくお願いします!」
脳筋っぽい女性が。
「そう……」
レインとアリスを見る。二人は頷き、私に決定を委ねて来た。
「それなら、よろしくお願いしようかな」
皆の心が決まっているなら、私は快くそれを受け入れよう。
こうして、私の迷宮に新たな仲間が加わった。
「そう、妾は魔王じゃ。…………なんじゃ? 信じられぬと申すのか?」
「いや、疑いはしないよ。むしろ納得した。そんな異様な雰囲気、普通じゃ出せない」
「さすがは魔眼の継承者じゃ。それくらいは見抜けるか。……それに、勘も良いようじゃな。妾のことを視なかったのは、賢明な判断じゃと褒めてやろう」
「それはどうも……」
受け答えしながら、私は考える。
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──魔王。
何年にも渡って人と争いを続けてきた絶対悪の存在。ファンタジーのド定番の敵キャラだ。
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「……ん?」
「なんじゃ? 妾の顔をジロジロと見おって何か付いているか?」
「あ、いや……あなたのことを、どこかで見た気がしてね」
「……ふむ? いや、それはありえぬな。妾はお主と会うのは初めてじゃ」
「そう、だよね……ごめん。忘れて」
そう、私もマトイと会うのはこれが初めてだ。
……それなのに、どこか懐かしい感覚を覚えるのはどうしてだろう?
相手は魔王なのに、とても親しく感じる。
「……そういえば、アリスはあの鬼族と知り合いだったの? ほら、同じ魔王の配下なんでしょ?」
もしそうなら、すぐに迷宮に案内した理由もわかる。特別親しい様子はなかったけど、面識だけあったってもの考えられる。
「いえ、あの方は私が仕えていた魔王様ではありません」
「ん? どういうこと? 世代変わったとか?」
「──なんじゃ、そんなことも知らんかったのか」
「申し訳ございません。説明するのを忘れていました」
まだ理解しきれていない私に、マトイの意外そうな声とアリスの謝罪の声がかけられる。
「魔王は一人ではない。複数いるのじゃよ」
「へぇぇ、そうなん──ってええええええ!?」
最早、威厳を保っている余裕なんてなかった。
魔王が複数いるなんて初耳だ。
どの物語でも魔王は一人だった。そして、その魔王を倒してみんなが平和になる。
そんな話ばかりで、いつの間にか私は魔王が一人なのだと思い込んでいた。
「勇者という者も複数おるじゃろ? そっちだけ数が多いなんてズルいじゃろうが」
「……よく、今まで人間が魔王に支配されてなかったな。と私は人を褒めたいよ」
「魔王が複数いると言っても、過激派と穏健派で派閥があるからの。人に知られているのは、主に過激派のやつらじゃよ。ちなみに昔は妾も過激派じゃったが、今は穏健派として落ち着いておる」
勇者が複数いるのは知っていた。物語でも勇者同士が助け合って魔王を倒していたし……それについては魔王が強すぎるから、勇者がたくさんいるのかと思ったけど、どうやら違かったらしい。
というか魔王にも派閥ってあったのか。その中でマトイは穏健派だと言っているけど、もしかしたら悪い奴じゃないのか?
……いや、そう決めるには早い。
いくら穏健派と言っても、人の目線から見たら酷い行いをしているかもしれない。それに、昔は過激派だったとマトイは言った。それはつまり、昔は沢山の人と争ったということになる。
結局は魔王。その固定概念が、私の警戒度を上げている。
だから私は軽率な判断が出来ない。あのレインが今もずっと警戒しているほどの相手だ。怒らせてしまったら、私たちは無事じゃ済まないだろう。
「…………それで、その魔王様が何の用?」
「なぁに、そんなに警戒せんでよい。今日はちょいとした挨拶に来ただけじゃ」
挨拶か。それにしては随分と派手な登場だったけど、単純に派手好きなだけなんだろうなぁ。後ろのグレンたちが呆れたように頭を抱えているのが、その証拠だ。
「妾は……というよりも妾たち魔王の半分は、遥か昔に魔眼に世話になったことがあってな。そのお礼と、新たな継承者を一目見ておきたいと思ったのじゃ」
「私はあなたたちを助けた本人じゃないから、そんな礼なんてされても困るんだけど……」
「別にお主には礼を言わぬよ。妾はお主の保有しているその眼に礼を言うのじゃ」
マトイの雰囲気がガラリと変わった。
さっきまでのおちゃらけた雰囲気とは異なり、今の表情は真剣そのものだった。
「──あの時は妾の命を救ってくれたこと、誠に感謝する。色々と教えてくれたことで、こうして魔王という地位に上り詰めることが出来た。今は何一つ不自由のない生活を送っておるよ。魔眼の後継者は妾が守護することで、恩を返そう。じゃから、どうか安心してくれ」
「…………ん、んん? 私を守護? 何を言っているんだこの狐様は」
「くくっ、ささやかな恩返しといったところじゃよ」
「でも、さっき言った通り、助けたのは私じゃないから、お礼されても困るんだけど?」
「妾はお主に礼を言ってはおらん。じゃが、お返しは誰にするかなんて言っておらん」
……この、言葉巧みに言いやがって。
「セリア様……」
「ん、どうしたのレイン」
「我は守護してもらうのも悪くはないと思います。あの者から感じられる気は、はっきり言って異常です。私でも本気でやって勝てるかどうか……」
「マジか、レインでも厳しいか。……アリスはどう?」
「私もレイン様の意見に賛成です。こちらも十分な戦力を保持しているとはいえ、まだ無知な部分はあります。もしもの時に助けになってくれるのではないでしょうか」
…………ふむふむ、アリスの言うことは最もだ。
確かに私たちは戦力としては十分だろう。けれど、私は元村娘。この世界のことについて知らないことが多すぎる。さっきの魔王の話だってそうだし、色々と教えてもらうためには良いのかもしれない。
「考えは纏まったかの?」
「一つ、聞きたい。これはあなたたちの傘下に加われってこと?」
「いや? 別に配下に迎えようなんて企んでおらんよ。さっき言ったじゃろう。妾は魔眼の魔女に命を救われた。ただ、その恩に報いたいのじゃ。……じゃから、妾は終始対等な立場で接したいと考えておる」
嘘は、言っていない。
悪戯好きっぽいけど、根は真面目で優しいのか。……魔王なのに?
「わかった、その代わり約束して。私の大切な従者、レインとアリスには絶対に害を加えないで」
「了解した。──妾は誓おう。魔眼の友として、お主らを守護すると」
「うん、よろしく」
マトイがそれを言い終わった後、私の中に膨大な魔力が流れ込んで来た。あったかくて、とても安心する感覚。これはマトイの魔力なのか?
「今、ここに誓いは結ばれた。妾はいつでもお主を見守ろう」
それが本当なら、ありがたい。
けど、まだ完全に信じることは出来なかった。
「それと、妾は契りを交わした者がいる場所なら、先ほどのように一瞬で転移することが出来る。遠慮せずになんでも申すがよい」
「契り?」
「先ほどのような契約と一緒じゃ。契りの場合は、ちと特殊じゃがな」
へぇ、じゃあ後ろにいる鬼族の巫女さんはマトイと契りを交わしたってことになるよね。
でも私たちの中にマトイと契りを交わしているのはいないけど、それはどうするんだろう?
それを聞いてみると、マトイは元から予定していたかのようにこう言った。
「それなら、こやつらを置いてゆく。女が多いが、鬼族じゃから頑丈な奴らじゃよ。好きに使ってくれい」
グレンたちに驚きはない。
こっちもすでに知らされていたことらしい。
「こんな田舎者にこき使われることになるけど、あなたたちは良いの?」
「我らは元々、マトイ様を尊敬しているが、忠誠を誓っているわけではない。一つの協力関係として存在しており、今回、友となるための橋渡し役になってくれる者はいないか、というマトイ様の相談により、我々の意思でここに来たのだ」
グレンが。
「ええ、それにあなた様のような、客人にも優しく接してくれる方の下でなら、私共は喜んで働きましょう」
巫女さんが。
「私も同意見です。今は前線を引退した身ですが、上手く使ってください」
武人風の女性が。
「……若の決めたことならば、それに従うのみ」
無口な少女が。
「誠心誠意働くので、どうかよろしくお願いします!」
脳筋っぽい女性が。
「そう……」
レインとアリスを見る。二人は頷き、私に決定を委ねて来た。
「それなら、よろしくお願いしようかな」
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