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彼と彼女の新しい関係
おまけの小話(本編後)
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〇バレンタインの翌々日(◆48のあと)
恋人と和解してチョコレートの交換も済ませ、すっかり安堵したそのとき、はっとあることを思い出した。
雪乃は隣の彼をそおっとうかがいみる。こちらに気づいた鷹瑛はふわりと微笑んだ。
「どうかしたか?」
「あ、いえ……その……」
反応に困って、周りをきょろきょろ見回す。
一人暮らし用のアパートはリビングと寝室の二間だけ。キッチンはリビングのすみっこに備え付けられていた。
目の届く範囲に目的のものはなく、昨夜過ごした寝室にもそれらしきものはなかった。
会社にでも置いてあるのだろうか。雪乃はうーんと首を傾けた。
「なにか探しているのか?」
視線の動きを追ってそう訊ねられ、どうしたものかと思う。
わざわざ口にするほどのことでもないし、聞いたところで困らせてしまうだけのような気もする。
「えっと、その……やっぱり」
大丈夫です。そう言って遠慮しようとしたところを、
「雪乃」
と名前を呼ばれて遮られた。
「なにかあるならはっきり言ってくれ」
鷹瑛はにっこりと笑っているが、これは誤魔化しを許さない笑顔だ。本音はちゃんと口にすること。それは今回のすれ違いの教訓でもある。
本当に大したことじゃないんだけどな……。
そんなふうに思いつつ、気がかりだったのは確かなので、思い切って質問してみることした。
「あの……バレンタインチョコ、たくさんもらいましたよね? 鷹瑛さん、自分で食べるんですか……?」
部屋には互いに贈りあったものを除いてチョコレートの影も形もない。だが、会社で多くの女性から受け取っているのを雪乃はばっちり目撃している。それをどうするつもりなのか。
鷹瑛は少し驚いた顔をしたあと、ふっと頬を緩めた。
「……食べるって言ったら、雪乃は怒るのか?」
「怒りは、しません……でも、ちょっとだけ、いやです……」
「ちょっとだけなのか?」
落胆したように眉を下げるのを見て、「いえっ」と思わず首を振る。それから、おずおずと付け足した。
「ほ、本当は…………とても、いやです……」
子供っぽい嫉妬が恥ずかしくて頬を熱くしていると、目の前の彼はぱあっと笑顔になった。それはもう、破顔という表現がぴったりの、この上なく幸せそうな笑顔だった。
「そんなに、嬉しいですか……?」
「そりゃあ、雪乃が嫉妬してくれることなんて、滅多にないから」
言いつつ彼は、にこにこにこにこ笑っている。
喜んでもらえるのは満更ではないものの、それを見ているのはなんだかとてつもなく面映ゆかった。
「で、チョコは、どうするんですか?」
可愛くない口調でつい急かしてしまう。
すると、「ああ、チョコは――」と答えかけた鷹瑛は、なぜだか口角をニヤリと上げた。
「毎年母さんに全部あげてるよ。甘いものはたくさん食べられないし、差をつけるのも申し訳ないからな。
――ん、どうした? 口がへの字になってるぞ」
にやにやにやにや。
今度はいたずら少年のような笑顔を向けられて、雪乃はむっと唇を尖らせた。
自分で食べないなら最初からそう言ってくれればいいのに!
恥ずかしい嫉妬を白状させられただけなんて、面白くない。
とはいえ、彼のこんな表情を見れるのは自分だけ、と思うとなんだかんだで嬉しくなってしまうのだ。
こんな完璧な彼氏には、一生かかってもかなわないのだろう。
〇同棲を始めたら(雪乃side)
同棲を始めたら、ささいなことでドキドキするようになった。
鷹瑛さんには絶対に言えないけれど。
たとえば、私のほうが残業で帰宅が遅くなったとき。
「ただいま」と玄関を開けると「おかえり」と鷹瑛さんがキッチンから顔を出す。
ここで油断しているとハートを撃ち抜かれる。
料理をするとき鷹瑛さんは眼鏡になるのだ。
エプロンに眼鏡という姿は、スマートに仕事をこなしているときとはまた違った印象で、とても素敵。
美形の眼鏡の破壊力を侮るなかれ。
キリッと鋭い容貌が眼鏡によって和らげられると、一転して優しい包容力を溢れんばかりにかもしはじめる。
うっかりしていると、ぼうっと見惚れて、抱きつき甘えそうになってしまう。
「雪乃?」
そんな自覚のない鷹瑛さんは、気軽に微笑んで首を傾げたりするから、私はいつも平気なふりを装うのに苦労している。
いけないいけない。
緩みそうになる顔をなんとか取り繕って、私も微笑を返す。
「なんでもないです。着替えたら私も手伝いますね」
「いや、もうできるから大丈夫だ。テーブルに運んどく」
「ありがとうございます」
仕事から帰ったら、こんなに素晴らしい男性が夕食を作って待っていてくれるなんて……恵まれすぎて、怖いくらいです。
〇同棲を始めたら(鷹瑛side)
同棲を始めたら、ささいなことでドキドキするようになった。
雪乃には絶対に言えないけれど。
たとえば、一緒に夜眠るとき。
同棲前ならお泊まり=夜の営みというのが暗黙の了解だったわけで、ベッドインがすなわち始まりの合図でもあった。
けれど、ベッドをともにするのが当たり前になればそうはいかない。
本当にただ一緒に眠るだけの夜もあり、ソレに及ぶときにはきちんと相手にお誘いをかける必要がある。
俺から誘うのは問題ない。予想外だったのは雪乃だ。
彼女のお願いの仕方が可愛いのである。とても。
彼女が仕掛けてくるタイミングは決まっている。
二人でベッドに横になり、そろそろ就寝しようかとサイドランプを消そうとすると、小さな手が背後からおずおずと回される。
「雪乃?」
どうした? と振り返ってみれば潤んだ瞳で見上げられる。
遠慮がちに、けれど期待するように頬を染めている。
しかし言葉にはしない。恥ずかしくて言えないのだ。
代わりに、分かってとひたすらじっと瞳で甘えられる。
甘え下手な雪乃にしてみれば、あけすけなことを口にする恥ずかしさと天秤にかけたうえでの苦肉の選択なのだろうが、そういったもろもろが全て可愛くて俺はたまらなくなる。
可愛い恋人のわがままをあますことなく叶えてべたべたに甘やかしてやりたい気持ちと、彼女のおねだりに気付かないふりをして意地悪してみたい気持ちと。
相反する幸せな葛藤に頭を悩ませながら、俺は彼女の頬に手を伸ばす。
〇同棲中の二人
休日の昼下がり、鷹瑛は一人ソファに座って読書をしていた。
本を読み始めるとときどきひどくのめり込んでしまうことがあり、気がつくと喉が乾いていたりするので、一人暮らしの頃には気をつけていた。
(そういえば、最近そんなこともないな……)
同居人の気配のおかげで適度に集中がやわらげられているのだろうか。
適当に理由をつけながら、目の前のローテーブルからグラスを取って麦茶を一口飲むと、再び本の続きへと視線を戻した。
一瞬遅れて、はっとする。
(――待て。この麦茶を持ってきたの僕じゃないぞ)
鷹瑛はこっそり視線を上げて、ローテーブルを挟んだ反対側を窺いみる。
クッションを抱えて座り込み、読書にいそしむ雪乃がいた。その手前には、同じように麦茶のグラス。
(うーん……)
鷹瑛は天井を仰いで、眉を下げた。
(ここまでいたれりつくせりだと、雪乃なしじゃいられなくなりそうで怖いな)
そこはきちんと家事を分担して、依存しすぎることにはならないようにしなければ。
胸の内で密かに決意した。
恋人と和解してチョコレートの交換も済ませ、すっかり安堵したそのとき、はっとあることを思い出した。
雪乃は隣の彼をそおっとうかがいみる。こちらに気づいた鷹瑛はふわりと微笑んだ。
「どうかしたか?」
「あ、いえ……その……」
反応に困って、周りをきょろきょろ見回す。
一人暮らし用のアパートはリビングと寝室の二間だけ。キッチンはリビングのすみっこに備え付けられていた。
目の届く範囲に目的のものはなく、昨夜過ごした寝室にもそれらしきものはなかった。
会社にでも置いてあるのだろうか。雪乃はうーんと首を傾けた。
「なにか探しているのか?」
視線の動きを追ってそう訊ねられ、どうしたものかと思う。
わざわざ口にするほどのことでもないし、聞いたところで困らせてしまうだけのような気もする。
「えっと、その……やっぱり」
大丈夫です。そう言って遠慮しようとしたところを、
「雪乃」
と名前を呼ばれて遮られた。
「なにかあるならはっきり言ってくれ」
鷹瑛はにっこりと笑っているが、これは誤魔化しを許さない笑顔だ。本音はちゃんと口にすること。それは今回のすれ違いの教訓でもある。
本当に大したことじゃないんだけどな……。
そんなふうに思いつつ、気がかりだったのは確かなので、思い切って質問してみることした。
「あの……バレンタインチョコ、たくさんもらいましたよね? 鷹瑛さん、自分で食べるんですか……?」
部屋には互いに贈りあったものを除いてチョコレートの影も形もない。だが、会社で多くの女性から受け取っているのを雪乃はばっちり目撃している。それをどうするつもりなのか。
鷹瑛は少し驚いた顔をしたあと、ふっと頬を緩めた。
「……食べるって言ったら、雪乃は怒るのか?」
「怒りは、しません……でも、ちょっとだけ、いやです……」
「ちょっとだけなのか?」
落胆したように眉を下げるのを見て、「いえっ」と思わず首を振る。それから、おずおずと付け足した。
「ほ、本当は…………とても、いやです……」
子供っぽい嫉妬が恥ずかしくて頬を熱くしていると、目の前の彼はぱあっと笑顔になった。それはもう、破顔という表現がぴったりの、この上なく幸せそうな笑顔だった。
「そんなに、嬉しいですか……?」
「そりゃあ、雪乃が嫉妬してくれることなんて、滅多にないから」
言いつつ彼は、にこにこにこにこ笑っている。
喜んでもらえるのは満更ではないものの、それを見ているのはなんだかとてつもなく面映ゆかった。
「で、チョコは、どうするんですか?」
可愛くない口調でつい急かしてしまう。
すると、「ああ、チョコは――」と答えかけた鷹瑛は、なぜだか口角をニヤリと上げた。
「毎年母さんに全部あげてるよ。甘いものはたくさん食べられないし、差をつけるのも申し訳ないからな。
――ん、どうした? 口がへの字になってるぞ」
にやにやにやにや。
今度はいたずら少年のような笑顔を向けられて、雪乃はむっと唇を尖らせた。
自分で食べないなら最初からそう言ってくれればいいのに!
恥ずかしい嫉妬を白状させられただけなんて、面白くない。
とはいえ、彼のこんな表情を見れるのは自分だけ、と思うとなんだかんだで嬉しくなってしまうのだ。
こんな完璧な彼氏には、一生かかってもかなわないのだろう。
〇同棲を始めたら(雪乃side)
同棲を始めたら、ささいなことでドキドキするようになった。
鷹瑛さんには絶対に言えないけれど。
たとえば、私のほうが残業で帰宅が遅くなったとき。
「ただいま」と玄関を開けると「おかえり」と鷹瑛さんがキッチンから顔を出す。
ここで油断しているとハートを撃ち抜かれる。
料理をするとき鷹瑛さんは眼鏡になるのだ。
エプロンに眼鏡という姿は、スマートに仕事をこなしているときとはまた違った印象で、とても素敵。
美形の眼鏡の破壊力を侮るなかれ。
キリッと鋭い容貌が眼鏡によって和らげられると、一転して優しい包容力を溢れんばかりにかもしはじめる。
うっかりしていると、ぼうっと見惚れて、抱きつき甘えそうになってしまう。
「雪乃?」
そんな自覚のない鷹瑛さんは、気軽に微笑んで首を傾げたりするから、私はいつも平気なふりを装うのに苦労している。
いけないいけない。
緩みそうになる顔をなんとか取り繕って、私も微笑を返す。
「なんでもないです。着替えたら私も手伝いますね」
「いや、もうできるから大丈夫だ。テーブルに運んどく」
「ありがとうございます」
仕事から帰ったら、こんなに素晴らしい男性が夕食を作って待っていてくれるなんて……恵まれすぎて、怖いくらいです。
〇同棲を始めたら(鷹瑛side)
同棲を始めたら、ささいなことでドキドキするようになった。
雪乃には絶対に言えないけれど。
たとえば、一緒に夜眠るとき。
同棲前ならお泊まり=夜の営みというのが暗黙の了解だったわけで、ベッドインがすなわち始まりの合図でもあった。
けれど、ベッドをともにするのが当たり前になればそうはいかない。
本当にただ一緒に眠るだけの夜もあり、ソレに及ぶときにはきちんと相手にお誘いをかける必要がある。
俺から誘うのは問題ない。予想外だったのは雪乃だ。
彼女のお願いの仕方が可愛いのである。とても。
彼女が仕掛けてくるタイミングは決まっている。
二人でベッドに横になり、そろそろ就寝しようかとサイドランプを消そうとすると、小さな手が背後からおずおずと回される。
「雪乃?」
どうした? と振り返ってみれば潤んだ瞳で見上げられる。
遠慮がちに、けれど期待するように頬を染めている。
しかし言葉にはしない。恥ずかしくて言えないのだ。
代わりに、分かってとひたすらじっと瞳で甘えられる。
甘え下手な雪乃にしてみれば、あけすけなことを口にする恥ずかしさと天秤にかけたうえでの苦肉の選択なのだろうが、そういったもろもろが全て可愛くて俺はたまらなくなる。
可愛い恋人のわがままをあますことなく叶えてべたべたに甘やかしてやりたい気持ちと、彼女のおねだりに気付かないふりをして意地悪してみたい気持ちと。
相反する幸せな葛藤に頭を悩ませながら、俺は彼女の頬に手を伸ばす。
〇同棲中の二人
休日の昼下がり、鷹瑛は一人ソファに座って読書をしていた。
本を読み始めるとときどきひどくのめり込んでしまうことがあり、気がつくと喉が乾いていたりするので、一人暮らしの頃には気をつけていた。
(そういえば、最近そんなこともないな……)
同居人の気配のおかげで適度に集中がやわらげられているのだろうか。
適当に理由をつけながら、目の前のローテーブルからグラスを取って麦茶を一口飲むと、再び本の続きへと視線を戻した。
一瞬遅れて、はっとする。
(――待て。この麦茶を持ってきたの僕じゃないぞ)
鷹瑛はこっそり視線を上げて、ローテーブルを挟んだ反対側を窺いみる。
クッションを抱えて座り込み、読書にいそしむ雪乃がいた。その手前には、同じように麦茶のグラス。
(うーん……)
鷹瑛は天井を仰いで、眉を下げた。
(ここまでいたれりつくせりだと、雪乃なしじゃいられなくなりそうで怖いな)
そこはきちんと家事を分担して、依存しすぎることにはならないようにしなければ。
胸の内で密かに決意した。
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