魂選塔

中釡 あゆむ

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「その後に、ソヨカがさ、言ってくれたんだ。あなたは怖くても、自分のことを守ろうと一生懸命に頑張ったんですねって。あたしその時思ったんだよ、自分のことばっかりでもいいんじゃないかって。自分のために生きたっていいんじゃないかって。その上でミルビーがあたしたちを助けてくれたこと、感謝してる。その恩は、ソヨカにも……ミルビーにも、返したいと思ったんだ。めちゃくちゃな奴だったけど」


照れ臭そうに笑ってソヨカとリスリは目を合わせ、笑いあった。その様子に安堵した。二人は、自分の選択の先を見つけたようだった。


そういえば、と思い出す。ミルビーに包丁を返していなかったから逃げたことに気がついた。


そして、落ちたまま置いてきたことにも気がついてしまう。
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