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お値段ゲーム
十
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「ムロル……」
「メロル、あんたと会えてよかった。あの子から話には聞いてたのよ、見た瞬間すぐにわかったわ。成長はしてたけど聞いてた通りだった。覚えてないんでしょ? あの子のこと」
「あの子……? あなたは……」
私は首を傾げた。そういえば、ムロルに出会ったときやけに懐かしさを覚えたのだ。架け橋のような尊さを感じたのも、覚えている。
「やっぱり覚えてないのね、でもその帽子をしてるってことは完全に忘れたわけじゃないんでしょう? メロル、これだけは覚えておいて、あの子はね」
「おい早く!」
雪だるまが私の背中に飛んできた。慌ててぬいぐるみたちの上に乗る、体重はないからか、安定感があった。扉を開け、ムロルを見下ろした。
「あの子はね、あんたのこと嫌いだった。けれど、嫌いになれなかった。いつもあんたを気にしてた、不健康な愛だったけど、死ねなんて本当に思ってなかったのよ!」
うん。私は、誰のことかも分からないのに頷いた。表情の変えないムロルが微笑んだ気がした。
「メロル、あんたと会えてよかった。あの子から話には聞いてたのよ、見た瞬間すぐにわかったわ。成長はしてたけど聞いてた通りだった。覚えてないんでしょ? あの子のこと」
「あの子……? あなたは……」
私は首を傾げた。そういえば、ムロルに出会ったときやけに懐かしさを覚えたのだ。架け橋のような尊さを感じたのも、覚えている。
「やっぱり覚えてないのね、でもその帽子をしてるってことは完全に忘れたわけじゃないんでしょう? メロル、これだけは覚えておいて、あの子はね」
「おい早く!」
雪だるまが私の背中に飛んできた。慌ててぬいぐるみたちの上に乗る、体重はないからか、安定感があった。扉を開け、ムロルを見下ろした。
「あの子はね、あんたのこと嫌いだった。けれど、嫌いになれなかった。いつもあんたを気にしてた、不健康な愛だったけど、死ねなんて本当に思ってなかったのよ!」
うん。私は、誰のことかも分からないのに頷いた。表情の変えないムロルが微笑んだ気がした。
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