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おもちゃたちの魂
五
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「なるほど、チルギは私たちだけではなく、悪霊たちにも試練を与えてるんだ。私たちを捕まえられたら、成仏させ、生まれ変わらせる、と言って。でもどうして、そんなこと……」
言いながら、悪に飲まれたあの少年が消滅させられていたのを思い出す。それにチルギは私たち自殺者のことも悪だと言っていた。つまり、出来る限り悪をなくして、世界に放出したい、ということだろうか。
「それは確かに理想郷だけれど……」
どんな人間だって、悪になりうる。例え、私が生まれ変わって普通に死んだとしても、ふとしたら悪になるかもしれないのだ。悪を全てなくすことなんて出来やしない。心は変化するから。
ムロルは私にしがみつき、登っていたらしく、肩にようやく乗って座り込んだ。ふと私は、不思議なことに気がついた。
「ヒロタはそれを分かっていたのにどうして少年に、私を呼びに行かせたんだろ」
「もしかしたら消滅しかけていた魂を使ったのかもね。ヒロタは自殺者だから下に行けない、と聞いたことがあるから」
言いながら、悪に飲まれたあの少年が消滅させられていたのを思い出す。それにチルギは私たち自殺者のことも悪だと言っていた。つまり、出来る限り悪をなくして、世界に放出したい、ということだろうか。
「それは確かに理想郷だけれど……」
どんな人間だって、悪になりうる。例え、私が生まれ変わって普通に死んだとしても、ふとしたら悪になるかもしれないのだ。悪を全てなくすことなんて出来やしない。心は変化するから。
ムロルは私にしがみつき、登っていたらしく、肩にようやく乗って座り込んだ。ふと私は、不思議なことに気がついた。
「ヒロタはそれを分かっていたのにどうして少年に、私を呼びに行かせたんだろ」
「もしかしたら消滅しかけていた魂を使ったのかもね。ヒロタは自殺者だから下に行けない、と聞いたことがあるから」
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