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おもちゃたちの魂
三
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「そうよ、けれど私たちぬいぐるみにはほとんど関係ない話。何故なら元々私たちに生きる死ぬの概念がないから。私たちにはそれがない代わりに生まれ変わることが出来ない。魂もいつか消滅するから、ヒロタの本来の仕事は消滅したぬいぐるみの処分なのよ。ただ、あんたが言うようにたまに霊になるぬいぐるみが現れるの」
ムロルは話しながら、ちょっかいをかけてきた大きなキャラクターもののぬいぐるみにのしかかられてしまう。ぬいぐるみは楽しそうに笑っている。どうにか顔を出してくると、続けてくれた。
「例えば、下の階の、あんたたちのような自殺者や他殺者に出会い、話すとね。人間と遊んだ時の遠い記憶が近くなって、自分がぬいぐるみだったことを忘れてしまう。生きる死ぬ、という概念を覚えてしまって、魂ではなく、霊に変わってしまう。霊になるとね、色々思い出すらしいけど、その中でもただ一つのことに囚われてしまうらしいの」
「一つのこと?」
「そう。忘れてるわけじゃないみたいだけど、その一つのことが強くなるそうよ」
私は、まだ流暢に話していたときの少年のことを思い出した。私に出会って、彼はなにに囚われたのだろうか。魂ではなく、黒くなっていってたのは……霊になろうとしていたから。そして、なにか一つのことに囚われてしまってついに霊になってしまった。
それをヒロタが……。
ムロルは話しながら、ちょっかいをかけてきた大きなキャラクターもののぬいぐるみにのしかかられてしまう。ぬいぐるみは楽しそうに笑っている。どうにか顔を出してくると、続けてくれた。
「例えば、下の階の、あんたたちのような自殺者や他殺者に出会い、話すとね。人間と遊んだ時の遠い記憶が近くなって、自分がぬいぐるみだったことを忘れてしまう。生きる死ぬ、という概念を覚えてしまって、魂ではなく、霊に変わってしまう。霊になるとね、色々思い出すらしいけど、その中でもただ一つのことに囚われてしまうらしいの」
「一つのこと?」
「そう。忘れてるわけじゃないみたいだけど、その一つのことが強くなるそうよ」
私は、まだ流暢に話していたときの少年のことを思い出した。私に出会って、彼はなにに囚われたのだろうか。魂ではなく、黒くなっていってたのは……霊になろうとしていたから。そして、なにか一つのことに囚われてしまってついに霊になってしまった。
それをヒロタが……。
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