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特別試練
一
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青年は目を見開き、私を見つめた。嫌な沈黙が訪れ、ふと、青年が笑い始める。
大声で笑いだし、後ろにのけぞってもまだ笑い続けた。私は油断しないように包丁を力強く握りしめ、体制を正していつでも下から彼を刺せるように彼を睨みつけた。
そして、ついに視線が重なる。どうしてか嬉しそうな表情だった。
「確か金髪男が、メロル、と言っていたな。その包丁があの男のものだな」
「どうして、それを? それにミルビーと話したの?」
聞いてから、もしや、と思い立った。チルギが気付いていた可能性はないだろうか。私の質問に答える気はないらしく「なるほど、そいつでこの魂選塔に穴を開けたわけだ」と呟き、今度はムチで素早く私の首を縛った。
痛みはなく、苦しくもない。ただこの奇妙な男が変な気を起こしそうで怖かった。
「俺様はお前が気に入った。だからいいことを教えてやろう、チャンスをやる」
「チャンス……?」
大声で笑いだし、後ろにのけぞってもまだ笑い続けた。私は油断しないように包丁を力強く握りしめ、体制を正していつでも下から彼を刺せるように彼を睨みつけた。
そして、ついに視線が重なる。どうしてか嬉しそうな表情だった。
「確か金髪男が、メロル、と言っていたな。その包丁があの男のものだな」
「どうして、それを? それにミルビーと話したの?」
聞いてから、もしや、と思い立った。チルギが気付いていた可能性はないだろうか。私の質問に答える気はないらしく「なるほど、そいつでこの魂選塔に穴を開けたわけだ」と呟き、今度はムチで素早く私の首を縛った。
痛みはなく、苦しくもない。ただこの奇妙な男が変な気を起こしそうで怖かった。
「俺様はお前が気に入った。だからいいことを教えてやろう、チャンスをやる」
「チャンス……?」
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