111 / 246
鬼ごっこ
四
しおりを挟む
「これって終わりはいつなんだろう?」
「と……言いますと?」
「この鬼ごっこの終わり。そういえば言ってなかったんだよね。……まさか、最後の一人になるまで、ではないよね……」
「まさか……」
私は笑ってみせたがソヨカの声は震えていた。しまった、不安を煽ってしまった。慌てて取り繕おうとした時、壁に住んだ影が一瞬動いた。
目を凝らし、ソヨカの奥の影をジッと見つめる。気のせいだろうか。
「あの……?」
すっかり怯えた声だ。私は首を横に振った。
「なんでもないよ、気のせい」
その直後、ソヨカと同じように突っ立っていた影がぐにゃりと動き、壁から抜き出て手を伸ばしてきた。
「と……言いますと?」
「この鬼ごっこの終わり。そういえば言ってなかったんだよね。……まさか、最後の一人になるまで、ではないよね……」
「まさか……」
私は笑ってみせたがソヨカの声は震えていた。しまった、不安を煽ってしまった。慌てて取り繕おうとした時、壁に住んだ影が一瞬動いた。
目を凝らし、ソヨカの奥の影をジッと見つめる。気のせいだろうか。
「あの……?」
すっかり怯えた声だ。私は首を横に振った。
「なんでもないよ、気のせい」
その直後、ソヨカと同じように突っ立っていた影がぐにゃりと動き、壁から抜き出て手を伸ばしてきた。
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
風の音
月(ユエ)/久瀬まりか
ホラー
赤ん坊の頃に母と死に別れたレイラ。トマスとシモーヌ夫婦に引き取られたが、使用人としてこき使われている。
唯一の心の支えは母の形見のペンダントだ。ところがそのペンダントが行方不明の王女の証だとわかり、トマスとシモーヌはレイラと同い年の娘ミラを王女にするため、レイラのペンダントを取り上げてしまう。
血などの描写があります。苦手な方はご注意下さい。
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる