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葛藤ミキサー
三
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緊迫感が漂う中、魂たちは顔を見合わせ、渋々と小さな音が湧き始める。やがて全員が拍手をするが盛り上がりに欠け、チルギ一人で嬉しそうに微笑むと、ミルビーの手を引っ張った。
拍手が止まり、彼に視線が集まる中、ミルビーは「楽しみだなあ!」なんて呑気に口にしてスキップでミキサーのボタンに着地する。
ボタンはトランポリンのように弾けさせ、蓋に到達させた。目を丸くするミルビーに向かってチルギが手を振った。
「真ん中にキャップがありますよね? それを外して中に入ってください。大丈夫、君たちに痛みはないし、そのボタンは必ず蓋へ到達するようになっています」
後半は私たちに向けて言っていた。それでも高所恐怖症の人は怖いだろう、その証拠に横の人は震えてミキサーを見ていた。
ジッと見ていたものだからついに目が合う。髪が腰まである黒髪の女の子だ。前髪がきっちりと垂直に切られ、そこから見える黒目が不安げに揺れている。白いブラウスで胸元に大きなリボンがあり、膝丈の黒いスカートを履いている。
拍手が止まり、彼に視線が集まる中、ミルビーは「楽しみだなあ!」なんて呑気に口にしてスキップでミキサーのボタンに着地する。
ボタンはトランポリンのように弾けさせ、蓋に到達させた。目を丸くするミルビーに向かってチルギが手を振った。
「真ん中にキャップがありますよね? それを外して中に入ってください。大丈夫、君たちに痛みはないし、そのボタンは必ず蓋へ到達するようになっています」
後半は私たちに向けて言っていた。それでも高所恐怖症の人は怖いだろう、その証拠に横の人は震えてミキサーを見ていた。
ジッと見ていたものだからついに目が合う。髪が腰まである黒髪の女の子だ。前髪がきっちりと垂直に切られ、そこから見える黒目が不安げに揺れている。白いブラウスで胸元に大きなリボンがあり、膝丈の黒いスカートを履いている。
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