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思い出の中
三
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「さて、白状するよ。確かに君の言う通り魂を消してる。ただし確かめてからだ、生き返る意志があるか、ないか。ないならその権利をボクに譲ってもらうために消してる。ボクは殺されてしまったんだ、生き返りたいのは当たり前だろう?」
問いかけてみるがメロルは特に反応がなかった。ボクは肩を竦めてから続けた。
「どうしてボクが思い出の中に入り込むかと言うと、この中にボクを殺した犯人がいるからだ。けれど殺されたその時が一瞬のことだったから顔は見れていない。そのために入って、思い出の中にボクがいないか探してるんだ。そこにボクがいたらそいつが犯人だから」
「なるほど。だから私にチクられることを恐れたんだね」
生真面目に言う彼女にボクは苦笑を零し、頷く。相変わらず無表情のまま質問してきた。
「思い出に入り込むのはどうしてるの?」
「ああ、それはその人の心にボクという存在を作り上げるんだ。笑って話しかければ大体の人はボクに心を許すだろ? あとは先に買わせて、心と記憶によって作り上げられる思い出の中に許されたボクが入り込む。実際のところボクが買ってるのは入り込むための彼らの思い出だ」
問いかけてみるがメロルは特に反応がなかった。ボクは肩を竦めてから続けた。
「どうしてボクが思い出の中に入り込むかと言うと、この中にボクを殺した犯人がいるからだ。けれど殺されたその時が一瞬のことだったから顔は見れていない。そのために入って、思い出の中にボクがいないか探してるんだ。そこにボクがいたらそいつが犯人だから」
「なるほど。だから私にチクられることを恐れたんだね」
生真面目に言う彼女にボクは苦笑を零し、頷く。相変わらず無表情のまま質問してきた。
「思い出に入り込むのはどうしてるの?」
「ああ、それはその人の心にボクという存在を作り上げるんだ。笑って話しかければ大体の人はボクに心を許すだろ? あとは先に買わせて、心と記憶によって作り上げられる思い出の中に許されたボクが入り込む。実際のところボクが買ってるのは入り込むための彼らの思い出だ」
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