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第9話

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side 香苗

 後悔している。あそこでチャラ男のナンパに乗ってしまったことに。後悔しても遅い……その通りだと思う。

 でもだからこそどうしたらいいのかわからない。

 謝っても星矢は許してくれない、、、、いや正確にはまだしっかりと謝ることはできてない。

 しっかりと謝るチャンスは2度もあった。最初のチャンスは誤魔化そうとした。2回目のチャンスは……自分が言ったことを思い返すのも嫌になる。

 私が悪いんだからずっと星矢に謝り続けていればよかったのに。そしたらまだ星矢は許してくれたかもしれない。あくまで可能性の話だけど。

 星矢と喧嘩していた――これも私の片思いだったようだ。星矢は私と喧嘩をしているつもりはなかったらしい。一方的に私が悪いと思っていたらしいのだ。でもこれもよく考えたらその通り。私が星矢の邪魔をしたから星矢は怒った。星矢は何も悪くない。

 生徒会のメンバーとイチャイチャしてるってのも私の考えすぎだったのかもしれない。
 でもひとつ言えることは、生徒会のメンバーは星矢に惚れている。これは間違いないだろう。だからこそ余計に考えすぎてしまったのかもしれない。

 みんなが学園を代表する美少女だし……。

 星矢はもう私のことを許してくれないと思う。でもまだ許してくれる可能性はゼロじゃない。星矢を見てるとそんな気がした。

 可能性が1でもある限り私は諦めない。

 明日は言い訳もせずに心から謝罪しよう。もう聞く耳を持ってくれないかもしれない。それでも謝ろう。
 だって今の私にはそれしかできないから。


 いつかまた星矢と心から笑い合える日が訪れますように。


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