43 / 78
閑話 フォールティア
しおりを挟む
使い魔になったフォールティアの一日は、使い魔仲間のエルピスを起こすことから始まる。
見た目がにゃんこなエルピスは日当たりの良い場所に丸い籠を置き、その中にふわふわな手触りのクッションを敷き、そんな籠の中で寝ることを至福としている。
《キュー!》
そろそろ起きる時間だよ! と寝ているエルピスの頭を嘴でツンツンと突くも全然起きない。
しょうがないな~と思いながら、次に主の元へ両足でぴょんぴょん飛びながらベッドの上を歩く。
《キュー!》
主にも同じく鳴くと、主はぎゅーっと眉間を寄せて「もう少し……」と言って毛布の中に潜っていっちゃう。
ダメダメ! これ以上寝たらお腹が空いて、主のお腹と背中がくっ付いちゃう!
《ピキュー!?》
昨日ネヴィル様に「いいですか? 人間はお腹が空き過ぎるとお腹と背中がくっ付いちゃうんですよ」と怖い『人間情報』を教えてもらっていたので、フォールティアは焦ったの。
羽ばたいてから毛布の中に潜った主の体の上に着地すると、その場でぴょんぴょんしながら《キューッ!》と鳴き続ける。
それでも起きないと最終手段として――フォールティアの得意技、衝撃波を放つ。
《キュッ!》
「ぐえっ!?」
主から凄い声が聞こえてきたけど……起きたかな?
「……ふぉ、フォールティアさん。痛くはないけど、さすがにそれはめちゃくちゃ驚くからやめてね?」
《キュゥ~?》
どういうことだろうと首を傾げると、主以外に衝撃波で人を起こすのは危険だからやめてねって言われた。
なるほど。
かなり力は抑えて撃ったけど、それでも人間にはつらいらしい。
「はぁ……それじゃあ起きますかね」
ベッドから起きて寝間着から普段着に着替えた主は、まだ籠の中で爆睡してるエルピスを持ち上げると、服のポケットの中に入れて「まだ寝てていいよ」と頭を撫でていた。
フォールティアは主の肩に載って、主の頬や首に頭を擦り付ける。
優しい主、大好きですー!
「あはは、くすぐったいよフォールティア」
《キュ~》
喉元を指先で撫でられると、フォールティアの体は蕩けちゃう。
これも使い魔になってから初めて知った感覚だった。
大好きなエルピスと、大好きな主と一緒にいれるなんて……今日も幸せ!
見た目がにゃんこなエルピスは日当たりの良い場所に丸い籠を置き、その中にふわふわな手触りのクッションを敷き、そんな籠の中で寝ることを至福としている。
《キュー!》
そろそろ起きる時間だよ! と寝ているエルピスの頭を嘴でツンツンと突くも全然起きない。
しょうがないな~と思いながら、次に主の元へ両足でぴょんぴょん飛びながらベッドの上を歩く。
《キュー!》
主にも同じく鳴くと、主はぎゅーっと眉間を寄せて「もう少し……」と言って毛布の中に潜っていっちゃう。
ダメダメ! これ以上寝たらお腹が空いて、主のお腹と背中がくっ付いちゃう!
《ピキュー!?》
昨日ネヴィル様に「いいですか? 人間はお腹が空き過ぎるとお腹と背中がくっ付いちゃうんですよ」と怖い『人間情報』を教えてもらっていたので、フォールティアは焦ったの。
羽ばたいてから毛布の中に潜った主の体の上に着地すると、その場でぴょんぴょんしながら《キューッ!》と鳴き続ける。
それでも起きないと最終手段として――フォールティアの得意技、衝撃波を放つ。
《キュッ!》
「ぐえっ!?」
主から凄い声が聞こえてきたけど……起きたかな?
「……ふぉ、フォールティアさん。痛くはないけど、さすがにそれはめちゃくちゃ驚くからやめてね?」
《キュゥ~?》
どういうことだろうと首を傾げると、主以外に衝撃波で人を起こすのは危険だからやめてねって言われた。
なるほど。
かなり力は抑えて撃ったけど、それでも人間にはつらいらしい。
「はぁ……それじゃあ起きますかね」
ベッドから起きて寝間着から普段着に着替えた主は、まだ籠の中で爆睡してるエルピスを持ち上げると、服のポケットの中に入れて「まだ寝てていいよ」と頭を撫でていた。
フォールティアは主の肩に載って、主の頬や首に頭を擦り付ける。
優しい主、大好きですー!
「あはは、くすぐったいよフォールティア」
《キュ~》
喉元を指先で撫でられると、フォールティアの体は蕩けちゃう。
これも使い魔になってから初めて知った感覚だった。
大好きなエルピスと、大好きな主と一緒にいれるなんて……今日も幸せ!
110
お気に入りに追加
250
あなたにおすすめの小説
僕の兄上マジチート ~いや、お前のが凄いよ~
SHIN
ファンタジー
それは、ある少年の物語。
ある日、前世の記憶を取り戻した少年が大切な人と再会したり周りのチートぷりに感嘆したりするけど、実は少年の方が凄かった話し。
『僕の兄上はチート過ぎて人なのに魔王です。』
『そういうお前は、愛され過ぎてチートだよな。』
そんな感じ。
『悪役令嬢はもらい受けます』の彼らが織り成すファンタジー作品です。良かったら見ていってね。
隔週日曜日に更新予定。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
獣の国~獣人だらけの世界で僕はモフモフする~
雅乃
ファンタジー
獣人達とモフモフする話が多いです。
バトル重視かまったり重視か悩み中。
希望や意見があればよろしくお願いします。
~あらすじ~
突如現世から飛ばされた主人公の青年、猫山静一
辿り着いたのは獣人が数多く暮らす世界「ラミナ」
かつて縄張りを争い、幾度も戦いを繰り返した誇り高き獣達
この世界の全ての住人にはその獣の血が流れている
しかし何度も繰り返された虐殺により、亡骸の数だけ怨念が生まれた
怨念は大地を彷徨い、やがて魔物として形を得た
無差別に戦闘を繰り返す魔物による被害は甚大
そこに終止符を打つべく集った12種の獣
全ての障害を力で捻じ伏せた虎や竜
知恵で欺き、相手を翻弄する猿や戌
気配を消し、虎視眈々と隙を狙う蛇や酉
死を恐れぬ特攻で敵を怯ませた鼠や猪
危険察知能力を駆使して敵陣を闊歩した兎や羊
大群で行動し、強い団結力を誇った牛や馬
彼らは十二支と崇められ、全ての獣達従えた
団結した獣たちは凄まじく、一部の縄張りから魔物を駆逐することに成功する
しかし、魔物が消え去る事はなく、戦いはまだ終わらない
時を重ねるごとに獣同士で争った記憶が忘れ去られてゆき
やがて獣達は似た姿の魔物と別れを告げるように、獣人へと進化した
新たな力を手に入れ、仮初の安息を手に入れた獣人達
そこに人間が出会うことで、新たな時代が幕を開ける
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい
616號
ファンタジー
不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。
討妖の執剣者 ~魔王宿せし鉐眼叛徒~ (とうようのディーナケアルト)
LucifeR
ファンタジー
その日、俺は有限(いのち)を失った――――
どうも、ラーメンと兵器とHR/HM音楽のマニア、顔出しニコ生放送したり、ギャルゲーサークル“ConquistadoR(コンキスタドール)”を立ち上げたり、俳優やったり色々と活動中(有村架純さん/東山紀之さん主演・TBS主催の舞台“ジャンヌダルク”出演)の中学11年生・LucifeRです!
本作は“小説カキコ”様で、私が発表していた長編(小説大会2014 シリアス・ダーク部門4位入賞作)を加筆修正、挿絵を付けての転載です。
作者本人による重複投稿になります。
挿絵:白狼識さん
表紙:ラプターちゃん
† † † † † † †
文明の発達した現代社会ではあるが、解明できない事件は今なお多い。それもそのはず、これらを引き起こす存在は、ほとんどの人間には認識できないのだ。彼ら怪魔(マレフィクス)は、古より人知れず災いを生み出してきた。
時は2026年。これは、社会の暗部(かげ)で闇の捕食者を討つ、妖屠たちの物語である。
† † † † † † †
タイトル・・・主人公がデスペルタルという刀の使い手なので。
サブタイトルは彼の片目が魔王と契約したことにより鉐色となって、眼帯で封印していることから「隻眼」もかけたダブルミーニングです。
悪魔、天使などの設定はミルトンの“失楽園”をはじめ、コラン・ド・プランシーの“地獄の事典”など、キリス〇ト教がらみの文献を参考にしました。「違う学説だと云々」等、あるとは思いますが、フィクションを元にしたフィクションと受け取っていただければ幸いです。
天使、悪魔に興味のある方、厨二全開の詠唱が好きな方は、良かったら読んでみてください!
http://com.nicovideo.jp/community/co2677397
https://twitter.com/satanrising
ご感想、アドバイス等お待ちしています!
Fate/grand orderのフレンド申請もお待ちしていますw
※)アイコン写真はたまに変わりますが、いずれも本人です。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる