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全学年混合実技試験 1
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一人は、四十代くらいの男性で教員用のコートを着用している。
その隣にいるのは、真っ赤な髪が特徴的な十代後半の青年だ。
騎士服のような制服、腰に佩いた長剣、裏地が赤い黒のマントを見ると魔法剣士科のリッカルド先輩だと思う。
もう一人の水色の髪を持つ人は、リアム先輩かな。
僕と同じ魔法科の制服を着てるけど、浄化師が着る白に黒色の刺繍が入ったローブではなく、黒に金色の刺繍が入ったローブを着用しているので魔法師だ。
ちなみに治癒師は白に金色の刺繍が入ったローブである。
「ようやく三人が揃ったな。それでは試験の説明を開始する」
教員が僕達を見て口を開く。
「君達三人は今からダンジョンに入って、ダンジョン奥に棲息する五体の魔獣を討伐し、決められた期間内に『コア』を全て回収出来れば試験合格となる。試験期間は四日間で、その間の食料や救急医療キッドなどの物資は、手渡された札に刻まれている魔法陣に五秒以上触れ続けると受け取れる仕組みになっているから忘れぬように。それと、君達の誰か一人でも行動不能、意識不明の重症を負った場合は緊急避難魔法が発動されることになってる」
緊急避難魔法が発動されると同時に試験は失格になるから、気を付けるようにと言われた。
「なにか分からないことはあるか?」
なにが分からないのかが分からないです……とは言える雰囲気じゃない。
フルフルと僕が首を振るのと同時に先輩達が「ありません」と言う。
「ではこれよりダンジョンへ移送する」
教員が帰還用の魔法陣が書かれた紙をメルヴィン先輩に渡すと、移動用魔法陣を僕達の足元に展開し――先輩達二人に目を向けた。
「リッカルド・アルタックス、メルヴィン・ウォーカー……最高学年生として、学園に入ったばかりで右も左も分からないリアム・セレグレイトを護るように」
その言葉に「俺を誰だと思ってるんですか? 任せて下さいよ先生!」「きちんと護ります」と笑いながら、安心してくださいと胸を叩く。
「それでは試験を開始する。怪我のないように」
最後に少しだけ心配そうな顔をした教員の人と目が合ったのを最後に、僕達はダンジョンの中へ魔法で送られたのだった。
「なぁなぁ、君が途中入学者のリアム君だろ?」
「え? あ、はい。リアムです。よろしくお願いします」
魔法陣の光が収まると同時に、リッカルド先輩がニカッと笑いながら声をかけてきた。
なにも離さなかったときは厳格なイメージがしたんだけど、口を開くと明るくて親しみやすく、頼りになる先輩って感じだ。
「入ったばかりで混合実技試験なんて……予備知識もあまりなく試験を受けないといけないから大変だよね」
そう言うのはメルヴィン先輩で、髪も長くて中性的な外見をしているんだけど、学生の間で学年一喧嘩っ早いって有名みたいなんだよね。
絶対逆らわないでおこう。
「あの、僕本当になにも出来ないんですが……絶対足手まといだけにはならないようにします!」
「あはは、そんなこと気にしなくてもいいって!」
「そうだね。このダンジョンの魔獣は学生用に少し弱い設定にしてくれているから、僕とリッカルドくらいの実力があればそれほど難しい試験じゃないんだ」
「そうそう! 『騎士科』と『魔法科』で一番強い俺とメルヴィンが同じパーティに組み込まれることって、試験を簡単に終わらせちゃうから絶対にないんだ。だけど、今回はリアム君に『混合実技試験を体験してもらう』といった理由で、俺らとパーティを組んだんだと思うんだよ」
「たぶん試験も二日間くらいで終われると思うから、安心してて」
「はい!」
初めて足を踏み入れるダンジョンで足がガクガクするくらい緊張していたし、恐怖感があったんだけど、それらがちょっとでも軽くなった気がした。
凄く心強い!
それからリッカルド先輩が先頭で、僕とメルヴィン先輩がその後ろを歩きながら魔獣がいそうな場所を目指しつつ、ダンジョン内を移動することにしたのだった。
その隣にいるのは、真っ赤な髪が特徴的な十代後半の青年だ。
騎士服のような制服、腰に佩いた長剣、裏地が赤い黒のマントを見ると魔法剣士科のリッカルド先輩だと思う。
もう一人の水色の髪を持つ人は、リアム先輩かな。
僕と同じ魔法科の制服を着てるけど、浄化師が着る白に黒色の刺繍が入ったローブではなく、黒に金色の刺繍が入ったローブを着用しているので魔法師だ。
ちなみに治癒師は白に金色の刺繍が入ったローブである。
「ようやく三人が揃ったな。それでは試験の説明を開始する」
教員が僕達を見て口を開く。
「君達三人は今からダンジョンに入って、ダンジョン奥に棲息する五体の魔獣を討伐し、決められた期間内に『コア』を全て回収出来れば試験合格となる。試験期間は四日間で、その間の食料や救急医療キッドなどの物資は、手渡された札に刻まれている魔法陣に五秒以上触れ続けると受け取れる仕組みになっているから忘れぬように。それと、君達の誰か一人でも行動不能、意識不明の重症を負った場合は緊急避難魔法が発動されることになってる」
緊急避難魔法が発動されると同時に試験は失格になるから、気を付けるようにと言われた。
「なにか分からないことはあるか?」
なにが分からないのかが分からないです……とは言える雰囲気じゃない。
フルフルと僕が首を振るのと同時に先輩達が「ありません」と言う。
「ではこれよりダンジョンへ移送する」
教員が帰還用の魔法陣が書かれた紙をメルヴィン先輩に渡すと、移動用魔法陣を僕達の足元に展開し――先輩達二人に目を向けた。
「リッカルド・アルタックス、メルヴィン・ウォーカー……最高学年生として、学園に入ったばかりで右も左も分からないリアム・セレグレイトを護るように」
その言葉に「俺を誰だと思ってるんですか? 任せて下さいよ先生!」「きちんと護ります」と笑いながら、安心してくださいと胸を叩く。
「それでは試験を開始する。怪我のないように」
最後に少しだけ心配そうな顔をした教員の人と目が合ったのを最後に、僕達はダンジョンの中へ魔法で送られたのだった。
「なぁなぁ、君が途中入学者のリアム君だろ?」
「え? あ、はい。リアムです。よろしくお願いします」
魔法陣の光が収まると同時に、リッカルド先輩がニカッと笑いながら声をかけてきた。
なにも離さなかったときは厳格なイメージがしたんだけど、口を開くと明るくて親しみやすく、頼りになる先輩って感じだ。
「入ったばかりで混合実技試験なんて……予備知識もあまりなく試験を受けないといけないから大変だよね」
そう言うのはメルヴィン先輩で、髪も長くて中性的な外見をしているんだけど、学生の間で学年一喧嘩っ早いって有名みたいなんだよね。
絶対逆らわないでおこう。
「あの、僕本当になにも出来ないんですが……絶対足手まといだけにはならないようにします!」
「あはは、そんなこと気にしなくてもいいって!」
「そうだね。このダンジョンの魔獣は学生用に少し弱い設定にしてくれているから、僕とリッカルドくらいの実力があればそれほど難しい試験じゃないんだ」
「そうそう! 『騎士科』と『魔法科』で一番強い俺とメルヴィンが同じパーティに組み込まれることって、試験を簡単に終わらせちゃうから絶対にないんだ。だけど、今回はリアム君に『混合実技試験を体験してもらう』といった理由で、俺らとパーティを組んだんだと思うんだよ」
「たぶん試験も二日間くらいで終われると思うから、安心してて」
「はい!」
初めて足を踏み入れるダンジョンで足がガクガクするくらい緊張していたし、恐怖感があったんだけど、それらがちょっとでも軽くなった気がした。
凄く心強い!
それからリッカルド先輩が先頭で、僕とメルヴィン先輩がその後ろを歩きながら魔獣がいそうな場所を目指しつつ、ダンジョン内を移動することにしたのだった。
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