俺とあなたが出会うまで

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その推しとは

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「でしたよね、俺たちの出会いって」
「そうだな、まぁあれから色々あって今に至ると言うことだが、1番は杉。お前が前に進んだことじゃないか?」
「俺が?なんで」
「前までのお前はひねくれたやつだった。
しかし今はひねくれがわずかだかマシになてきてる。これも配信のお陰なんだろ?」
そういう兄貴に俺はミラと話したことを伝えた。
「なるほど、推しか。案外そんなことで性格とか変わっていくのかもな」
兄貴はぐっと背伸びをしながら言った。
「それで、お前の推しはどんな人なんだ」
「ラブレター、て名前」
「結構珍しい名前だな」
「それが結構見かけますよ、この名前」
「ほんとか?俺は初耳なんだが」
「あなたはほとんどネット関係を知らないでしょうに」
この人は仕事柄ネットは見ないしスマホもメールか音楽アプリしか開かないため何が流行っているかは全く知らないらしい。
「興味ないしな、ネットは人によっては犯罪にもなる。
刑事にとっては厄介だ」
「ゲームはたまにするくせに」
「あれは…話がそれたな、その人の事、今の段階ではどう思ってる?」
「どうも何もただの推しだが…どこが推しなのか、と訊かれると一言では…ただあの人は人として真っすぐな所が好きなんだ。どんな相手でも嫌がらず普通に接する。
俺にはできない事で、あの人はきっと俺を成長させてくれる。そんな気がするんだ。
後は人として、1人の人間として好きなんだ。
あと声と方言が可愛い」
「そこが一番デカいんじゃないか?」
そう言いながら兄貴は立ち上がって
「先に上がるぞ、お前は」
「もう少ししたら戻る」
「了解」
・‥‥
しばらくして部屋に戻ると布団がひいてあった。
「もう寝るのか」
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