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第九章 クラウディス地方
103 ドラゴンの名はヴェスタ
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なんとかドラゴンを倒し、約束の『女神の指輪』を手に入れたものの、肝心のクリスが目を覚まさない。戦いが終わった後に気を失ったクリス。女ドラゴンのヴェスタによると、ヴェスタの魂がクリスと一体化したために気を失ったらしく、暫くすると目が覚めるという話だったのだが、中々目を覚まさない。
先程まで聞こえていたヴェスタの声も聞こえなくなってしまっていた。多分、思念が詰まった『女神の指輪』がクリスの右手人差し指に収まったからだろう。このまま待っていれば二人の従者トーマスとシャロンや、衛士フィーゼラーが心配して動くのは間違いない。
(仕方がない。クリスを担ごう)
クリスの装備と俺の装備を【収納】で片付け、肩で担ごうとした。
(お、おっと)
担ごうとするとクリスの胸が俺の身体に当たる。
(意外と大きいんだな・・・・・)
意識するとこっちが恥ずかしくなってきた。俺は【収納】でひざ掛け毛布を取り出し、肩に掛けてからクリスを担ぎ上げた。俗に消防士搬送と呼ばれる担ぎ方である。プロレスなどで対戦相手を担ぎ上げているあれだ。俺はクリスを担いで二人の従者のいる『中庭』に向かった。
ダンジョンの帰りはなかなか大変だった。来た道を戻るのならまだしも、来た時とは逆に最深部から上がって行かなければならない。クリスは軽い。俺の身体も若い。しかも現実世界の俺とは違って鍛えている状態。だから負担は少ないのだが、それでもなかなか大変だ。
「よっし、ここまで来たか」
俺が東京を見た場所にまで戻ってきた。最深部からは大分手前に来た感じだ。ふと、ヴェスタの声が聞こえてきた。
「大変そうね」
「おお、戻ってきたのか。どこに行ってたんだ?」
「ずっと居たわよ」
「え? そうなのか」
俺は歩を進めながらヴェスタと話した。聞こえなかった声が聞こえたので出かけていたと思っていた。
「私に触れていると話せるようね」
ああ、そういうことか。クリスを歩きながら担ぎ変えたとき、左手でクリスの右手を握った。そのときに人差し指に触れたのだ。俺はクリスの右手をしっかりと握った。
「俺、ここで俺の世界を見たんだよ」
立ち止まって首を動かし、ヴェスタに教えた。
「貴方、もしかして創造主?」
「ん? 俺はこの世界を作った訳じゃないぞ」
あ、待てよ。エレノ世界から見れば、俺がいた世界は乙女ゲーム「エレノオーレ!」を作った連中がいる世界。エレノ世界を作ったのは、エレノ制作陣。つまりエレノ制作陣が創造主だ。
「よく考えたらここを作った創造主が居る世界の住民なんだな、俺」
「だからなのね!」
ヴェスタの声が弾む。曰く、俺達が来る少し前からダンジョン内がガタガタと揺れ動き、ヴェスタ自身胸騒ぎを覚えたらしい。そんなことは今まで一度もなかったと。
「貴方は創造主の世界の人。だから私と話ができるのね」
「どうしてなんだろうなぁ、それ」
「分からないわ。でも私を作った世界の人と会えて嬉しい!」
ヴェスタのテンションが高まっているのが分かる。今まで誰かと会話なんかしたこともなかったのだろう。急に俺と意志の疎通ができて、気分が高揚しているのは間違いない。
「ヴェスタ。俺はグレン・アルフォードだ。グレンでいいぞ」
「ええ、グレンね。じゃあ、私の主は?」
「クリスティーナ・セイラ・メルシーヌ・ノルト=クラウディス。ノルト=クラウディス公爵家の令嬢だ。俺はクリスと呼んでる」
「じゃあ、私もクリスと呼ぶ!」
そんな会話をしていると向かい側に人影が見えた。ヴェスタにまた後でな、と言うとクリスの右手から手を外し、人影を凝視した。ん、二人いる。あっ!
「グレン!」
短いが同時に発声された男女混声の響きがダンジョンに広がる。トーマスとシャロンが俺の元に駆け寄ってくる。近づいて来ると、二人とも血相を変えて迫ってきた。
「ど、どういうことなんだ!」
「お、お嬢様は?」
二人は取り乱している。俺を問い詰めるような形で、一緒に迫ってきた。無理もない。クリスが命令に近い形で足止めした上に、俺に担がれて返ってきているのだから。
「大丈夫だ。『実技対抗戦』のような状態じゃない」
俺は二人に『女神の指輪』を護るドラゴンを倒したら、ドラゴンの魂がクリスと一体となったことと、それが原因で一時的に気を失っている事を告げた。安堵したのかシャロンが泣いている。そのシャロンの両肩をトーマスが持った。
「実は『女神の指輪』そのものがヴェスタというドラゴンだったんだ」
「どうしてそんなことを」
「ヴェスタが教えてくれたのさ」
トーマスの問いかけに俺は答えた。どういう理由かは分からないが、ヴェスタは俺とは会話ができること。それは俺がこの世界の人間でないことが原因のようだということ。そしてヴェスタは俺の世界のことを「創造主の世界」と読んでいることを説明した。
「もしもグレンがいなかったら・・・・・」
シャロンが俺を見つめてくる。
「グレン。お嬢様にはグレンが必要です。どうかお力をお貸し下さい」
そう言うとシャロンは長い黒髪の頭を下げてきた。
「もちろんだ。だからここまで来たんだから」
「グレン。いつも済まない」
トーマスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「そんな顔をするな。これからはお前たちに加えて、ヴェスタもクリスを護ってくれると言ってるぞ」
俺は左手でクリスの『女神の指輪』が輝く右手を見せた。
「!!!!!」
二人とも驚いた顔をした。
「ヴェスタの魂はクリスと一体化し、思念は『女神の指輪』に宿っている。クリスはドラゴンから祝福を受けたんだ。安心しろ」
トーマスもシャロンも俺の話に半ば信じられないという顔をしたが、俺が力強く安心するように改めて言うと、共に頷いてくれた。
「みんなよくここまで迎えに来てくれたな。帰ろうぜ、クラウディス城に」
二人に声をかけ、俺達は『中庭』に向かって歩き出した。
「グレン、一つ聞いてもいい」
「なんだ?」
「どうしてタオルを肩に掛けてるの?」
「胸が当たるからな・・・・・」
あっ、という驚きの声と共にシャロンの顔が赤くなった。そして前を歩いているトーマスは俯いてしまっている。まぁ、二人とも若いよな。十五なんだから恥ずかしがるのも無理はない。
『中庭』に到着するとフィーゼラーがいた。クリスを担いでいる俺の姿を見ると蒼白となって俺の元に走ってきた。
「お嬢様の容態は!」
「安心しろ、大丈夫だ。気を失っているだけだ」
俺が状況を説明すると、フィーゼラーは安堵の表情を見せた。そのフィーゼラーに対し、しばらくこの中庭に留まる為、帰るのが遅くなることを告げ、遅くなることを早馬でクラウディス城に伝えて欲しい、と頼んだ。するとフィーゼラーは快諾し、直ぐにダンジョン前に向かって走り去っていった。
はぁ、来てくれたのがフィーゼラーで良かった。俺は【収納】で椅子やら板やらを出して、トーマスとシャロンに簡易ベットを組んでもらい、肩に担いだクリスを寝かせた。
「はぁ、やれやれ」
俺はクリスを降ろすと地面にヘタリこんだ。疲労と緊張感は俺が思った以上に大きかったようである。二人から慰労の言葉を受け、俺はそのまま地面に寝転がった。
「お嬢様が目を覚まされました!」
しばらく寝転がっていると、シャロンが叫んだ。ヴェスタが言った通りだったな。
「グレンは? グレンはどこ!」
クリスが言っているので、俺は立ち上がった。
「グレン! どうなったの私・・・・・」
俺はクリスが気を失った後の顛末を教えた。俺がここまで担いで運んだ事を伝えると、クリスは顔を真っ赤にしながら頭を下げた。こういうクリスは実に可愛らしい。ここまで担いで来た甲斐があったというもの。
「クリス。右手を見るんだ」
「あっ!」
「お望みの『女神の指輪』だ。これからクリスを護ってくれるぞ!」
「ありがとう!」
クリスは左手で自分の右手を握りしめた。クリスは元気に歩ける状態だったので、俺たちはそのままダンジョンを抜け、入口部で待ってくれていたフィーゼラーらと合流した。馬車のあるところまで戻る頃には既に日が落ち、新月だったので月明かりもなかった。その為、急遽魔灯具を灯して馬車を走らせ、クラウディス城への帰途についた。
先程まで聞こえていたヴェスタの声も聞こえなくなってしまっていた。多分、思念が詰まった『女神の指輪』がクリスの右手人差し指に収まったからだろう。このまま待っていれば二人の従者トーマスとシャロンや、衛士フィーゼラーが心配して動くのは間違いない。
(仕方がない。クリスを担ごう)
クリスの装備と俺の装備を【収納】で片付け、肩で担ごうとした。
(お、おっと)
担ごうとするとクリスの胸が俺の身体に当たる。
(意外と大きいんだな・・・・・)
意識するとこっちが恥ずかしくなってきた。俺は【収納】でひざ掛け毛布を取り出し、肩に掛けてからクリスを担ぎ上げた。俗に消防士搬送と呼ばれる担ぎ方である。プロレスなどで対戦相手を担ぎ上げているあれだ。俺はクリスを担いで二人の従者のいる『中庭』に向かった。
ダンジョンの帰りはなかなか大変だった。来た道を戻るのならまだしも、来た時とは逆に最深部から上がって行かなければならない。クリスは軽い。俺の身体も若い。しかも現実世界の俺とは違って鍛えている状態。だから負担は少ないのだが、それでもなかなか大変だ。
「よっし、ここまで来たか」
俺が東京を見た場所にまで戻ってきた。最深部からは大分手前に来た感じだ。ふと、ヴェスタの声が聞こえてきた。
「大変そうね」
「おお、戻ってきたのか。どこに行ってたんだ?」
「ずっと居たわよ」
「え? そうなのか」
俺は歩を進めながらヴェスタと話した。聞こえなかった声が聞こえたので出かけていたと思っていた。
「私に触れていると話せるようね」
ああ、そういうことか。クリスを歩きながら担ぎ変えたとき、左手でクリスの右手を握った。そのときに人差し指に触れたのだ。俺はクリスの右手をしっかりと握った。
「俺、ここで俺の世界を見たんだよ」
立ち止まって首を動かし、ヴェスタに教えた。
「貴方、もしかして創造主?」
「ん? 俺はこの世界を作った訳じゃないぞ」
あ、待てよ。エレノ世界から見れば、俺がいた世界は乙女ゲーム「エレノオーレ!」を作った連中がいる世界。エレノ世界を作ったのは、エレノ制作陣。つまりエレノ制作陣が創造主だ。
「よく考えたらここを作った創造主が居る世界の住民なんだな、俺」
「だからなのね!」
ヴェスタの声が弾む。曰く、俺達が来る少し前からダンジョン内がガタガタと揺れ動き、ヴェスタ自身胸騒ぎを覚えたらしい。そんなことは今まで一度もなかったと。
「貴方は創造主の世界の人。だから私と話ができるのね」
「どうしてなんだろうなぁ、それ」
「分からないわ。でも私を作った世界の人と会えて嬉しい!」
ヴェスタのテンションが高まっているのが分かる。今まで誰かと会話なんかしたこともなかったのだろう。急に俺と意志の疎通ができて、気分が高揚しているのは間違いない。
「ヴェスタ。俺はグレン・アルフォードだ。グレンでいいぞ」
「ええ、グレンね。じゃあ、私の主は?」
「クリスティーナ・セイラ・メルシーヌ・ノルト=クラウディス。ノルト=クラウディス公爵家の令嬢だ。俺はクリスと呼んでる」
「じゃあ、私もクリスと呼ぶ!」
そんな会話をしていると向かい側に人影が見えた。ヴェスタにまた後でな、と言うとクリスの右手から手を外し、人影を凝視した。ん、二人いる。あっ!
「グレン!」
短いが同時に発声された男女混声の響きがダンジョンに広がる。トーマスとシャロンが俺の元に駆け寄ってくる。近づいて来ると、二人とも血相を変えて迫ってきた。
「ど、どういうことなんだ!」
「お、お嬢様は?」
二人は取り乱している。俺を問い詰めるような形で、一緒に迫ってきた。無理もない。クリスが命令に近い形で足止めした上に、俺に担がれて返ってきているのだから。
「大丈夫だ。『実技対抗戦』のような状態じゃない」
俺は二人に『女神の指輪』を護るドラゴンを倒したら、ドラゴンの魂がクリスと一体となったことと、それが原因で一時的に気を失っている事を告げた。安堵したのかシャロンが泣いている。そのシャロンの両肩をトーマスが持った。
「実は『女神の指輪』そのものがヴェスタというドラゴンだったんだ」
「どうしてそんなことを」
「ヴェスタが教えてくれたのさ」
トーマスの問いかけに俺は答えた。どういう理由かは分からないが、ヴェスタは俺とは会話ができること。それは俺がこの世界の人間でないことが原因のようだということ。そしてヴェスタは俺の世界のことを「創造主の世界」と読んでいることを説明した。
「もしもグレンがいなかったら・・・・・」
シャロンが俺を見つめてくる。
「グレン。お嬢様にはグレンが必要です。どうかお力をお貸し下さい」
そう言うとシャロンは長い黒髪の頭を下げてきた。
「もちろんだ。だからここまで来たんだから」
「グレン。いつも済まない」
トーマスが申し訳なさそうに頭を下げる。
「そんな顔をするな。これからはお前たちに加えて、ヴェスタもクリスを護ってくれると言ってるぞ」
俺は左手でクリスの『女神の指輪』が輝く右手を見せた。
「!!!!!」
二人とも驚いた顔をした。
「ヴェスタの魂はクリスと一体化し、思念は『女神の指輪』に宿っている。クリスはドラゴンから祝福を受けたんだ。安心しろ」
トーマスもシャロンも俺の話に半ば信じられないという顔をしたが、俺が力強く安心するように改めて言うと、共に頷いてくれた。
「みんなよくここまで迎えに来てくれたな。帰ろうぜ、クラウディス城に」
二人に声をかけ、俺達は『中庭』に向かって歩き出した。
「グレン、一つ聞いてもいい」
「なんだ?」
「どうしてタオルを肩に掛けてるの?」
「胸が当たるからな・・・・・」
あっ、という驚きの声と共にシャロンの顔が赤くなった。そして前を歩いているトーマスは俯いてしまっている。まぁ、二人とも若いよな。十五なんだから恥ずかしがるのも無理はない。
『中庭』に到着するとフィーゼラーがいた。クリスを担いでいる俺の姿を見ると蒼白となって俺の元に走ってきた。
「お嬢様の容態は!」
「安心しろ、大丈夫だ。気を失っているだけだ」
俺が状況を説明すると、フィーゼラーは安堵の表情を見せた。そのフィーゼラーに対し、しばらくこの中庭に留まる為、帰るのが遅くなることを告げ、遅くなることを早馬でクラウディス城に伝えて欲しい、と頼んだ。するとフィーゼラーは快諾し、直ぐにダンジョン前に向かって走り去っていった。
はぁ、来てくれたのがフィーゼラーで良かった。俺は【収納】で椅子やら板やらを出して、トーマスとシャロンに簡易ベットを組んでもらい、肩に担いだクリスを寝かせた。
「はぁ、やれやれ」
俺はクリスを降ろすと地面にヘタリこんだ。疲労と緊張感は俺が思った以上に大きかったようである。二人から慰労の言葉を受け、俺はそのまま地面に寝転がった。
「お嬢様が目を覚まされました!」
しばらく寝転がっていると、シャロンが叫んだ。ヴェスタが言った通りだったな。
「グレンは? グレンはどこ!」
クリスが言っているので、俺は立ち上がった。
「グレン! どうなったの私・・・・・」
俺はクリスが気を失った後の顛末を教えた。俺がここまで担いで運んだ事を伝えると、クリスは顔を真っ赤にしながら頭を下げた。こういうクリスは実に可愛らしい。ここまで担いで来た甲斐があったというもの。
「クリス。右手を見るんだ」
「あっ!」
「お望みの『女神の指輪』だ。これからクリスを護ってくれるぞ!」
「ありがとう!」
クリスは左手で自分の右手を握りしめた。クリスは元気に歩ける状態だったので、俺たちはそのままダンジョンを抜け、入口部で待ってくれていたフィーゼラーらと合流した。馬車のあるところまで戻る頃には既に日が落ち、新月だったので月明かりもなかった。その為、急遽魔灯具を灯して馬車を走らせ、クラウディス城への帰途についた。
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