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78話
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今、ステージ上に残っているのは【竜の爪】メンバーが、剣を失った【大剣使いのロイ】と戦闘員ではない【回復職のエマ】。
それに対して【パレード】メンバーは、全員無傷で残っている。
勝敗は既に決まっているも同然の状態だった。
「ま、まだ戦える・・・」
だけど諦めきれないロイが吹き飛んだ大剣の元に駆け寄り、試合を再開しようとした。
もちろん【大剣使いのクイナ】がそんなことを許すわけもなく、ロイが剣を拾う前に接近して、一撃。
「ぐぇっ・・・」
ロイを気絶させた。
「まだ続けますか?」
残りはエマだけとなり、クイナが問いかける。
「こ、降参します!」
ロイが敗れたことですぐにエマは降参を選んだ。
「ついに決着がつきました。
勝敗は、【パレード】です!」
その宣言を聞き、審査員をしている【受付嬢のミリア】が勝敗を発表する。
思い返せば、最初の時点で【パレード】の勝利は確定していた。
全ての力を使っていれば圧勝していたし、あえてハンデを背負う戦いをしても危なげなく勝利したのだから文句はない。
この試合で今の【竜の爪】の実力が僕だけでなく、観覧していた冒険者達全てに知れ渡っただろう。
トップ冒険者パーティーだった【竜の爪】はもういないと・・・。
勝敗がついたことで気絶した【竜の爪】メンバーが医療班に運ばれていく。
無傷だったエマもそれに続いた。
「終わったんですね」
試合を終えた僕は呟く。
「はい、終わりましたよ」
すると、試合を終えてもまだ余裕がありそうなメンバー達が集まってくる。
頼もしいこのメンバーで、僕を解雇した元メンバー達を見返すことができたのだと実感する。
今の僕の気持ちはすっきりと晴れ渡っていた。
◇◇◇
ーーそれから数日に渡り、しばらく続いた模擬戦。
僕達【パレード】は全ての冒険者パーティーに対して全力で挑み、全勝した。
あの【竜の爪】の試合以外、一切手を抜くことはない。
僕達と同じように、初戦で負かしたパーティー【虎の牙】はあの試合以来負けなしだった。
初戦の時とはまるで別物で、今試合すれば勝てるか分からないほどだ。
クイナの知り合いが2人いる【虎の牙】は、僕達にとってこれから大きなライバルになるだろう。
そして、敗北している【竜の爪】はというと、他の冒険者パーティーにも敗れ続け、全敗となった。
【虎の牙】にはもちろん、他の冒険者パーティーにとっても試合にすらなっておらず、完膚なきまで叩きのめされていた。
トップメンバーに選ばれるほどの実力者に、並の冒険者が勝てるはずもなかったのだ。
それに対して【パレード】メンバーは、全員無傷で残っている。
勝敗は既に決まっているも同然の状態だった。
「ま、まだ戦える・・・」
だけど諦めきれないロイが吹き飛んだ大剣の元に駆け寄り、試合を再開しようとした。
もちろん【大剣使いのクイナ】がそんなことを許すわけもなく、ロイが剣を拾う前に接近して、一撃。
「ぐぇっ・・・」
ロイを気絶させた。
「まだ続けますか?」
残りはエマだけとなり、クイナが問いかける。
「こ、降参します!」
ロイが敗れたことですぐにエマは降参を選んだ。
「ついに決着がつきました。
勝敗は、【パレード】です!」
その宣言を聞き、審査員をしている【受付嬢のミリア】が勝敗を発表する。
思い返せば、最初の時点で【パレード】の勝利は確定していた。
全ての力を使っていれば圧勝していたし、あえてハンデを背負う戦いをしても危なげなく勝利したのだから文句はない。
この試合で今の【竜の爪】の実力が僕だけでなく、観覧していた冒険者達全てに知れ渡っただろう。
トップ冒険者パーティーだった【竜の爪】はもういないと・・・。
勝敗がついたことで気絶した【竜の爪】メンバーが医療班に運ばれていく。
無傷だったエマもそれに続いた。
「終わったんですね」
試合を終えた僕は呟く。
「はい、終わりましたよ」
すると、試合を終えてもまだ余裕がありそうなメンバー達が集まってくる。
頼もしいこのメンバーで、僕を解雇した元メンバー達を見返すことができたのだと実感する。
今の僕の気持ちはすっきりと晴れ渡っていた。
◇◇◇
ーーそれから数日に渡り、しばらく続いた模擬戦。
僕達【パレード】は全ての冒険者パーティーに対して全力で挑み、全勝した。
あの【竜の爪】の試合以外、一切手を抜くことはない。
僕達と同じように、初戦で負かしたパーティー【虎の牙】はあの試合以来負けなしだった。
初戦の時とはまるで別物で、今試合すれば勝てるか分からないほどだ。
クイナの知り合いが2人いる【虎の牙】は、僕達にとってこれから大きなライバルになるだろう。
そして、敗北している【竜の爪】はというと、他の冒険者パーティーにも敗れ続け、全敗となった。
【虎の牙】にはもちろん、他の冒険者パーティーにとっても試合にすらなっておらず、完膚なきまで叩きのめされていた。
トップメンバーに選ばれるほどの実力者に、並の冒険者が勝てるはずもなかったのだ。
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