77 / 80
77話
しおりを挟む
ガキンッガキンッガキンッ
「くっ・・・」
再開した【大剣使いのクイナ】と【大剣使いのロイ】の攻防戦は、一方的なクイナの攻撃に対してロイが防いでいる状況。
力量差は互角だけど、攻撃を繰り出すクイナの速度にロイがギリギリで防いでいるような状態だ。
明らかにロイの攻撃速度より速いクイナの攻撃によって、ロイは防戦一方になっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
攻防が続く中で、ロイの息が上がり始める。
「はぁーっ!」
それに対して、クイナはまだ余裕があるとばかりに攻めていく。
このスタミナの違いは、【回復職】から受けた回復量にある。
フルで回復を得たクイナと途中で回復を絶ってしまったロイの違いだった。
「くそっ・・・なぜここまで違う!?」
ロイは途中で回復を絶ったとはいえ、ほとんど変わらない時間まで回復を受けていたのにここまでスタミナに差が生まれるとは思っていなかった。
クイナはまだ息を切らす様子がないからだ。
カンッッッッッ
「しまった!!」
その時、疲れで反応が遅れたロイの大剣がクイナの攻撃に耐えきれず手元から弾け飛んだ。
「これであなた達の本来の実力がわかったのではないですか?
ずっとライドさんの力に甘えてきていたと・・・」
クイナは無防備となったロイに剣を突き付けて、そう話した。
ロイを始めとした【竜の爪】メンバーは、力で成り上がってきた冒険者パーティーだったが、他の冒険者パーティーに比べて力で劣っていた【パレード】メンバーにその力で負けたのだ。
クイナが言った通り、ロイ達に勝つのに僕の力は必要ないというのは本当だった。
「これが【竜の爪】の本来の実力・・・」
初めてロイ達の戦いを客観的に見ることになった僕は、あまりの姿に言葉を失っていた。
弱すぎる。
ロイ達は僕の持つ『付与』の力で能力を底上げして、#そこで初めて優れた冒険者達と戦えるレベルなんだ__・__と痛感した。
本来の実力だけなら並の冒険者と変わらない。
最初に敗れた【双剣使いのカイ】は動きに速度と、メンバーの【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】に遠く及ばなかった。
次に【大槌使いのラット】は攻撃が単調で防げば隙だらけになる。
案の定アル達に防がれ、敗れていた。
この時使ったアル達の防御術は今後のダンジョン攻略に活かせるだろう。
そして、ロイとクイナの攻防戦。
ロイの攻撃は、力で成り上がってきた冒険者とは思えないほどに弱く感じた。
その力も速度も今まで攻略してきたモンスターの方が余程強く思えるほどに・・・。
それから戦闘の途中で、2人のスタミナを回復し合った【回復職のエマ】と【回復職のエレナ】は、明らかに回復量が違っていた。
『回復』は緑色の光として認識できて、その光の強さで回復量がわかる。
エレナの『回復』から発せられる強い光に対して、エマのは微弱。
【竜の爪】メンバーは、どの部分をとっても未熟だったのだ。
「くっ・・・」
再開した【大剣使いのクイナ】と【大剣使いのロイ】の攻防戦は、一方的なクイナの攻撃に対してロイが防いでいる状況。
力量差は互角だけど、攻撃を繰り出すクイナの速度にロイがギリギリで防いでいるような状態だ。
明らかにロイの攻撃速度より速いクイナの攻撃によって、ロイは防戦一方になっていた。
「はぁ・・・はぁ・・・」
攻防が続く中で、ロイの息が上がり始める。
「はぁーっ!」
それに対して、クイナはまだ余裕があるとばかりに攻めていく。
このスタミナの違いは、【回復職】から受けた回復量にある。
フルで回復を得たクイナと途中で回復を絶ってしまったロイの違いだった。
「くそっ・・・なぜここまで違う!?」
ロイは途中で回復を絶ったとはいえ、ほとんど変わらない時間まで回復を受けていたのにここまでスタミナに差が生まれるとは思っていなかった。
クイナはまだ息を切らす様子がないからだ。
カンッッッッッ
「しまった!!」
その時、疲れで反応が遅れたロイの大剣がクイナの攻撃に耐えきれず手元から弾け飛んだ。
「これであなた達の本来の実力がわかったのではないですか?
ずっとライドさんの力に甘えてきていたと・・・」
クイナは無防備となったロイに剣を突き付けて、そう話した。
ロイを始めとした【竜の爪】メンバーは、力で成り上がってきた冒険者パーティーだったが、他の冒険者パーティーに比べて力で劣っていた【パレード】メンバーにその力で負けたのだ。
クイナが言った通り、ロイ達に勝つのに僕の力は必要ないというのは本当だった。
「これが【竜の爪】の本来の実力・・・」
初めてロイ達の戦いを客観的に見ることになった僕は、あまりの姿に言葉を失っていた。
弱すぎる。
ロイ達は僕の持つ『付与』の力で能力を底上げして、#そこで初めて優れた冒険者達と戦えるレベルなんだ__・__と痛感した。
本来の実力だけなら並の冒険者と変わらない。
最初に敗れた【双剣使いのカイ】は動きに速度と、メンバーの【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】に遠く及ばなかった。
次に【大槌使いのラット】は攻撃が単調で防げば隙だらけになる。
案の定アル達に防がれ、敗れていた。
この時使ったアル達の防御術は今後のダンジョン攻略に活かせるだろう。
そして、ロイとクイナの攻防戦。
ロイの攻撃は、力で成り上がってきた冒険者とは思えないほどに弱く感じた。
その力も速度も今まで攻略してきたモンスターの方が余程強く思えるほどに・・・。
それから戦闘の途中で、2人のスタミナを回復し合った【回復職のエマ】と【回復職のエレナ】は、明らかに回復量が違っていた。
『回復』は緑色の光として認識できて、その光の強さで回復量がわかる。
エレナの『回復』から発せられる強い光に対して、エマのは微弱。
【竜の爪】メンバーは、どの部分をとっても未熟だったのだ。
0
お気に入りに追加
1,476
あなたにおすすめの小説
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
勇者パーティーから追放されたけど、最強のラッキーメイカーがいなくて本当に大丈夫?~じゃあ美少女と旅をします~
竹間単
ファンタジー
【勇者PTを追放されたチートなユニークスキル持ちの俺は、美少女と旅をする】
役立たずとして勇者パーティーを追放されて途方に暮れていた俺は、美少女に拾われた。
そして俺は、美少女と旅に出る。
強力すぎるユニークスキルを消す呪いのアイテムを探して――――
【完結】結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが
Rohdea
恋愛
結婚式の当日、花婿となる人は式には来ませんでした───
伯爵家の次女のセアラは、結婚式を控えて幸せな気持ちで過ごしていた。
しかし結婚式当日、夫になるはずの婚約者マイルズは式には現れず、
さらに同時にセアラの二歳年上の姉、シビルも行方知れずに。
どうやら、二人は駆け落ちをしたらしい。
そんな婚約者と姉の二人に裏切られ惨めに捨てられたセアラの前に現れたのは、
シビルの婚約者で、冷酷だの薄情だのと聞かされていた侯爵令息ジョエル。
身勝手に消えた姉の代わりとして、
セアラはジョエルと新たに婚約を結ぶことになってしまう。
そして一方、駆け落ちしたというマイルズとシビル。
二人の思惑は───……
傍若無人な姉の代わりに働かされていた妹、辺境領地に左遷されたと思ったら待っていたのは王子様でした!? ~無自覚天才錬金術師の辺境街づくり~
日之影ソラ
恋愛
【新作連載スタート!!】
https://ncode.syosetu.com/n1741iq/
https://www.alphapolis.co.jp/novel/516811515/430858199
【小説家になろうで先行公開中】
https://ncode.syosetu.com/n0091ip/
働かずパーティーに参加したり、男と遊んでばかりいる姉の代わりに宮廷で錬金術師として働き続けていた妹のルミナ。両親も、姉も、婚約者すら頼れない。一人で孤独に耐えながら、日夜働いていた彼女に対して、婚約者から突然の婚約破棄と、辺境への転属を告げられる。
地位も婚約者も失ってさぞ悲しむと期待した彼らが見たのは、あっさりと受け入れて荷造りを始めるルミナの姿で……?
引退したオジサン勇者に子供ができました。いきなり「パパ」と言われても!?
リオール
ファンタジー
俺は魔王を倒し世界を救った最強の勇者。
誰もが俺に憧れ崇拝し、金はもちろん女にも困らない。これぞ最高の余生!
まだまだ30代、人生これから。謳歌しなくて何が人生か!
──なんて思っていたのも今は昔。
40代とスッカリ年食ってオッサンになった俺は、すっかり田舎の農民になっていた。
このまま平穏に田畑を耕して生きていこうと思っていたのに……そんな俺の目論見を崩すかのように、いきなりやって来た女の子。
その子が俺のことを「パパ」と呼んで!?
ちょっと待ってくれ、俺はまだ父親になるつもりはない。
頼むから付きまとうな、パパと呼ぶな、俺の人生を邪魔するな!
これは魔王を倒した後、悠々自適にお気楽ライフを送っている勇者の人生が一変するお話。
その子供は、はたして勇者にとって救世主となるのか?
そして本当に勇者の子供なのだろうか?
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる