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69話

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「すごい!」


【魔法使いのクレア】は、自身が生み出した『炎の玉ファイア・ボール』を目にして、その大きさと質量に感心していた。


クレアが思い描く魔法を思い通りに使えるのは昔の冒険者パーティーーー【付与師ふよし】であるギルドマスターがいた時のパーティー以来なのだ。


「これでどちらのパーティーが相応しいかわかりましたか?」


すると一度退室していたギルドマスターが現れ、【幻影ファントム】と【竜の爪ドラゴン・ネール】でどちらがクレアに相応しいパーティーかを聞く。


クレアが生み出せた魔法の大きさは【竜の爪ドラゴン・ネール】にいる時よりも【幻影ファントム】にいる時の方が圧倒的に凄かった。


「わ、わかった。
諦めよう、降参だ・・・」


今クレアの魔法はロイ達【竜の爪ドラゴン・ネール】に向けられており、魔法が放たれたら間違いなく軽傷ではすまないだろう。


そのために認めるざるを得なかった。


「試合の勝敗が決まりました!
勝者は【幻影ファントム】です」


ロイの降参宣言により、勝負に決着がついた。


ミリアは審査員としてその勝敗を発表する。


勝敗が決まったことで、クレアは生み出していた巨大な魔法を消した。


魔力が消費されているはずのパーティーメンバーは特に何ともなさそうで、まだまだ戦える状態である。


本当にクレアにとって最高なパーティーともいえる。


「ーー勝敗が決まった所で悪いのですが、話があります」


すると、ステージ上に現れたギルドマスターがそう言って話を切り出した。


話というのは冒険者パーティー【幻影ファントム】とそのパーティーに加わったクレアにある。


今回、初めてお披露目となった【幻影ファントム】メンバーだが、これまでの成果はクレアがいなかった枠はギルドマスターが務めていた。


そのため、【幻影ファントム】本来の実力ではないということで、出場を無効。


これからの活躍に期待するという形となる。


クレア達【幻影ファントム】メンバーもそれには納得していた。


幻影ファントム】対【竜の爪ドラゴン・ネール】の試合をしたものの、結果はなかったことになった。


最終試合、【竜の爪ドラゴン・ネール】対【幻影ファントム】。


結果は、無効。


最終試合は、少し不完全燃焼気味の終わりになってしまったが次の日の試合に期待する。


こうして1日目のギルド公式大会が終わった。


◇◇◇


※【竜の爪ドラゴン・ネール】視点終了です。

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