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63話
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「あなたが冒険者パーティーを抜けた後、パーティーが目に見えて弱くなったのは、あなたの力がなくなったから・・・。
今のトップ冒険者パーティーみたいに・・・」
魔女ことーー【魔法使いのクレア】とギルドマスターーー【付与師のライカ】は以前同じ冒険者パーティーに所属していた。
ライカが冒険者パーティーを抜けるときもクレアは一緒にいて、ライカが抜けた後の冒険者パーティーの様子も知っている。
あまりの変化にその時は理由がわからなかったけど、今は【付与師】の力だと理由がわかった。
今、クレアが所属している【竜の爪】の実力と実績の異なりがその時の様子と似ていて、その理由が重なったからだ。
「その通りよ」
そのクレアの考えが正しいとライカは肯定する。
「どうして冒険者パーティーを抜けたのですか?」
クレアは冒険者を辞め、ギルドマスターになったライカに問う。
クレアの持つ唯一攻撃できる魔法には代償があり、ライカの抜けた後のパーティーでは思い通りにその魔法が使えなかった。
その代償は、パーティーメンバー全員の魔力を使うことで魔法を発動していたから・・・。
ライカの強化がなくなったパーティーにはクレアの力を維持する魔力はなかった。
クレアは今、魔法が使えなくなったことがライカのせいだと考える・・・。
「今のクレアなら、あのパーティーが限界にきていたのはわかるでしょ?
私が『付与』を行なっても勝てなかった・・・」
ライカが冒険者パーティーを抜けるきっかけになったのは、【付与師のライド】が【竜の爪】を解雇されるきっかけと同じ、勝てなくなったから・・・。
ライドと違うのは、ライカが自身の力を疑う前に本来のパーティーの実力に気付いたことにある。
ライカが強化を施すことで、今の実力があるのだと・・・。
そして、それも限界にきている・・・。
「それは・・・」
ライカを責める予定だったクレアも、限界に気付いていたようで黙り込む。
「あのまま私がいれば、本来の実力がわからないパーティーになっていました。
それに、クレア・・・。
あなたにも力の使い方を学んでほしかったの」
ライカはパーティーメンバーだったクレアにも魔法の使い方を学ばせたくて、抜けたのもあった。
クレアが使う攻撃できる魔法は本来禁止するようなものだ。
パーティーメンバーの魔力を無許可で使用するため、注意が必要になる。
ライカが魔力量を強化することで制限することなく使えていたが、本来ならありえないことだった。
それを知ってほしかったのだ。
だけど実際クレアは、弱くなってしまったその冒険者パーティーを抜け、転々とパーティーを変えた。
そして、そこで攻撃できる魔法を使い過ぎて、魔力の枯渇で壊滅するパーティーも出ていて、学ぶのに時間が掛かりすぎたともいえる・・・。
今のトップ冒険者パーティーみたいに・・・」
魔女ことーー【魔法使いのクレア】とギルドマスターーー【付与師のライカ】は以前同じ冒険者パーティーに所属していた。
ライカが冒険者パーティーを抜けるときもクレアは一緒にいて、ライカが抜けた後の冒険者パーティーの様子も知っている。
あまりの変化にその時は理由がわからなかったけど、今は【付与師】の力だと理由がわかった。
今、クレアが所属している【竜の爪】の実力と実績の異なりがその時の様子と似ていて、その理由が重なったからだ。
「その通りよ」
そのクレアの考えが正しいとライカは肯定する。
「どうして冒険者パーティーを抜けたのですか?」
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その代償は、パーティーメンバー全員の魔力を使うことで魔法を発動していたから・・・。
ライカの強化がなくなったパーティーにはクレアの力を維持する魔力はなかった。
クレアは今、魔法が使えなくなったことがライカのせいだと考える・・・。
「今のクレアなら、あのパーティーが限界にきていたのはわかるでしょ?
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ライカが強化を施すことで、今の実力があるのだと・・・。
そして、それも限界にきている・・・。
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クレアが使う攻撃できる魔法は本来禁止するようなものだ。
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それを知ってほしかったのだ。
だけど実際クレアは、弱くなってしまったその冒険者パーティーを抜け、転々とパーティーを変えた。
そして、そこで攻撃できる魔法を使い過ぎて、魔力の枯渇で壊滅するパーティーも出ていて、学ぶのに時間が掛かりすぎたともいえる・・・。
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