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59話
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「なんなんだ、これは・・・」
一瞬にして【大剣使いのレン】以外の前衛職が倒され、残るはレンと後衛職の2人になった。
「戦闘において、前衛職だけでなく後衛職も活躍するということがわかったでしょうか?」
取り残されるような形になっているレンに対して、【大剣使いのクイナ】が伝えたかった内容を訴えかける。
「そ、そうだ、まだ後衛職が2人いる!
魔法でこいつらを妨害して、早くジンとアキトを回復しろ!」
レンはクイナの言葉で後衛の役割を思い出したようだけど、その扱いは命令するだけのひどい扱いのままだった。
それにレンは「後衛職が2人いる」って言ったように、メンバーの【魔法使いのアカリ】と【回復職のエリカ】ーー2人の名前もちゃんと覚えていないんだとわかった。
「許せませんね・・・。
この状況になっても命令するだけですか・・・」
クイナはそのレンの態度に怒りがこみ上げてきていた。
知り合いがひどい扱いを受けているのが許せない。
「くっ!
何をしている、早くしろ!」
クイナが今にも襲ってきそうな態度を見て、レンが急かす様に2人に命令を出す。
だけど、アカリとエリカはクイナ達【パレード】とのあまりの力量差に驚きで動けなくなっていた。
クイナと知り合いということで【パレード】のことも色々知っている2人。
しかし、今、目の前にいる【パレード】は2人が知っている【パレード】ではないのだ。
良く知るはずのクイナが今は別人のように感じている。
「・・・やはり言葉だけではダメですか。
一度、お灸をすえる必要があるかもしれませんね」
アカリ達が動かない様子を見たクイナは、レンに向けて大剣を構えた。
ジンやアキト同様、痛い思いをしないとわからないと感じたから。
「な、なんだよ、くるのか?
俺もお前の攻撃を止めてやるよ」
クイナが武器を構えたことで、レンは動揺しながらだけど強気な態度を示す。
ずっと後ろで様子を見ていた僕は、なぜ未だにレンが強気な態度でいられるのかわからない。
既にクイナによって二度吹き飛ばされているのに・・・。
「クイナさん、いいんですか?」
戦闘態勢に入っているクイナに、僕はこの後のことを聞く。
先程までは守りだったけど、今度は攻撃に移るわけだから更に『付与』を施す必要があるのだ。
はっきり言うと、今のままでも十分に勝てる。
「やってください。
彼には本気の力を見せます」
だけど、クイナは容赦しないようで、守備から攻撃に変わった時の力量差を更に見せつけるようだ。
「わかりました」
僕はクイナに追加の『ステータス上昇』として、『攻撃力向上』を使った。
一瞬にして【大剣使いのレン】以外の前衛職が倒され、残るはレンと後衛職の2人になった。
「戦闘において、前衛職だけでなく後衛職も活躍するということがわかったでしょうか?」
取り残されるような形になっているレンに対して、【大剣使いのクイナ】が伝えたかった内容を訴えかける。
「そ、そうだ、まだ後衛職が2人いる!
魔法でこいつらを妨害して、早くジンとアキトを回復しろ!」
レンはクイナの言葉で後衛の役割を思い出したようだけど、その扱いは命令するだけのひどい扱いのままだった。
それにレンは「後衛職が2人いる」って言ったように、メンバーの【魔法使いのアカリ】と【回復職のエリカ】ーー2人の名前もちゃんと覚えていないんだとわかった。
「許せませんね・・・。
この状況になっても命令するだけですか・・・」
クイナはそのレンの態度に怒りがこみ上げてきていた。
知り合いがひどい扱いを受けているのが許せない。
「くっ!
何をしている、早くしろ!」
クイナが今にも襲ってきそうな態度を見て、レンが急かす様に2人に命令を出す。
だけど、アカリとエリカはクイナ達【パレード】とのあまりの力量差に驚きで動けなくなっていた。
クイナと知り合いということで【パレード】のことも色々知っている2人。
しかし、今、目の前にいる【パレード】は2人が知っている【パレード】ではないのだ。
良く知るはずのクイナが今は別人のように感じている。
「・・・やはり言葉だけではダメですか。
一度、お灸をすえる必要があるかもしれませんね」
アカリ達が動かない様子を見たクイナは、レンに向けて大剣を構えた。
ジンやアキト同様、痛い思いをしないとわからないと感じたから。
「な、なんだよ、くるのか?
俺もお前の攻撃を止めてやるよ」
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ずっと後ろで様子を見ていた僕は、なぜ未だにレンが強気な態度でいられるのかわからない。
既にクイナによって二度吹き飛ばされているのに・・・。
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「やってください。
彼には本気の力を見せます」
だけど、クイナは容赦しないようで、守備から攻撃に変わった時の力量差を更に見せつけるようだ。
「わかりました」
僕はクイナに追加の『ステータス上昇』として、『攻撃力向上』を使った。
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