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33話

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「確かに、【パレード】がトップ冒険者パーティーになってもおかしくありませんね」


ギルドマスターの言う通り、今年の大会で世代交代があるかもしれない。


それもこれも【付与師ふよしのライド】が【パレード】に加入してから変わったといえる。


「あら、それだけではないわよ。
そのパーティーに加入した【付与師】の冒険者は忘れちゃった?」


「え?
あ、そういえば・・・」


ライドが【パレード】に加入するきっかけは、トップ冒険者パーティー【竜の爪ドラゴン・ネール】からの解雇にある。


理由は確か、と言われたこと・・・。


「どうしてそんなことを・・・」


今のミリアなら【付与師】が持つ力の強さを知っているため、決してとわかる。


「簡単な話よ。
彼らは【付与師】の力で強化された状態、モンスターが弱体化されている状態が


ギルドマスターが言うには、【竜の爪ドラゴン・ネール】のメンバーはライドを含めて、パーティー結成当初から常に一緒に攻略している仲だという。


常日頃から【付与師】の強化を受けていたパーティーメンバーは、いつしか強化された状態が自身の実力だと思い込んでいた。


今回ライドが解雇された理由は、強化された状態でもモンスターの強さが【竜の爪ドラゴン・ネール】の強さを上回ってしまったからに過ぎない。


階層が深くなるに連れて、モンスター達がただ強くなっただけ・・・。


実際のところ、常日頃から【付与師】の力で強化していたライドは何も悪くない。


ーーそれで、ここからが問題だ。


「これから【竜の爪ドラゴン・ネール】はどうなるのでしょう?」


勘違いからライドを解雇したことで、強化無しの状態で【竜の爪ドラゴン・ネール】は攻略していくことになる。


「さぁ~。
今頃、体の変化に気が付いた頃じゃないかしら」


今まさに、【竜の爪ドラゴン・ネール】は40階層の攻略に苦戦しているところだった。


変化に気付いても、それが【付与師】の効果がないからだとはまだ気付いていない。


「ところで、【付与師】のいない状態での【竜の爪ドラゴン・ネール】の実力はどうなのでしょう・・・」


「ん~、多分元々の実力だけならかな」


竜の爪ドラゴン・ネール】のメンバーですら知らないであろう情報をギルドマスターは推測する。


ですか!?」


それも仮にも今はトップ冒険者パーティーだというのに、ギルドマスターはそう言ったのだ。

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