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32話
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「何か知っているのですか?」
【付与師】について知ってるような口振りのギルドマスターに、ミリアは思い切って聞いてみた。
「えぇ、色々と知っているわよ」
すると、知る人が少ない職業なのにギルドマスターは詳しく知っているという。
ギルドのトップ故に、多くの情報を持っているとも考えられる。
だけど、上司が言っていた「ギルドマスターの職業が【付与師】」という噂も気になった。
「私からもいくつか質問してもいいですか?」
ミリアは、「話をしたい」と言っていたギルドマスターの言葉を借りて、この機会に色々と質問してみようと考えた。
「いいわよ。
私もあなたに聞きたいことがあるから、それに答えてくれるなら」
「わかりました」
ギルドマスターは、ミリアの考えに快く賛成してくれて、お互いに質問し合う場になった。
「じゃぁ、私からいくわね。
【付与師】について気になったということは、今回の任務で冒険者パーティーの変化に気付いたということでいい?」
「はい。
今回付き添った【パレード】というパーティーは昔から知っているので、あの変化には驚きました」
トップ2冒険者パーティー【パレード】のリーダー【大剣使いのクイナ】とは昔馴染みであり、ミリアは他の誰よりも知っている自信がある。
それゆえに、【パレード】の変化とその理由が何にあるのかがすぐにわかった。
「よろしい。
実は、あの任務は私が直接あなたを指名して、依頼したものなの」
「え?」
ミリアが質問に対して答えると、ギルドマスターからそんなことを言われた。
「あなたなら【付与師】の力が理解できると思い、依頼したのです」
ギルドマスターはミリアが【パレード】のことを知っていたからこそ、この依頼を出したという。
「どうしてそんなことを?」
「今回の任務で気付かなかった?
これから冒険者達に大きな変化が起きるわよ。
あなたが担当しているパーティーを起点にね」
ギルドマスターが言うには、これから冒険者パーティーに定められている順位に大きな変化があるという。
確かに今の【パレード】の実力なら、トップ冒険者パーティー【竜の爪】を越えて、トップになるかもしれないと思える。
これまでどうすることもできなかった欠点が今の【パレード】には存在しないから・・・。
復帰するまでにブランクがあるとはいえ、すぐに解決して最前線での攻略を再開するだろう。
なぜギルドマスターが突然そんなことを言い始めたかというと、実は毎年行われている冒険者パーティーの実力をみる大会が迫っているからだ。
そこで今年の冒険者パーティーに順位が決まる。
【付与師】について知ってるような口振りのギルドマスターに、ミリアは思い切って聞いてみた。
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だけど、上司が言っていた「ギルドマスターの職業が【付与師】」という噂も気になった。
「私からもいくつか質問してもいいですか?」
ミリアは、「話をしたい」と言っていたギルドマスターの言葉を借りて、この機会に色々と質問してみようと考えた。
「いいわよ。
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「わかりました」
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【付与師】について気になったということは、今回の任務で冒険者パーティーの変化に気付いたということでいい?」
「はい。
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トップ2冒険者パーティー【パレード】のリーダー【大剣使いのクイナ】とは昔馴染みであり、ミリアは他の誰よりも知っている自信がある。
それゆえに、【パレード】の変化とその理由が何にあるのかがすぐにわかった。
「よろしい。
実は、あの任務は私が直接あなたを指名して、依頼したものなの」
「え?」
ミリアが質問に対して答えると、ギルドマスターからそんなことを言われた。
「あなたなら【付与師】の力が理解できると思い、依頼したのです」
ギルドマスターはミリアが【パレード】のことを知っていたからこそ、この依頼を出したという。
「どうしてそんなことを?」
「今回の任務で気付かなかった?
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ギルドマスターが言うには、これから冒険者パーティーに定められている順位に大きな変化があるという。
確かに今の【パレード】の実力なら、トップ冒険者パーティー【竜の爪】を越えて、トップになるかもしれないと思える。
これまでどうすることもできなかった欠点が今の【パレード】には存在しないから・・・。
復帰するまでにブランクがあるとはいえ、すぐに解決して最前線での攻略を再開するだろう。
なぜギルドマスターが突然そんなことを言い始めたかというと、実は毎年行われている冒険者パーティーの実力をみる大会が迫っているからだ。
そこで今年の冒険者パーティーに順位が決まる。
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