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13話

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「私は、もう最下層への攻略を進めてもいいと思っています。
今回の攻略で、以前のパーティーでは考えられないほど安定していましたし、問題ないかと・・・」


僕が今後の方針について聞くと、パーティーリーダーである【大剣使いのクイナ】がそう答えてくれた。


「私達も賛成です。
ライドさんだけでも一度攻略しているのでしたら、情報量として十分だと思いますよ」


クイナの意見に【回復職ヒーラーのエレナ】を中心に皆も賛成のようだ。


パーティーメンバーは、僕だけしか知らない情報を元に攻略を進めてもいいと思っているらしい。


ーー話を進めていると、扉をノックする音が響く。


「お待たせしました。
40階層の攻略、確認取れましたよ。
詳しくは言えませんが、異例の攻略時間です!」


部屋に入ってきたの【受付嬢のミリア】で、急いできたのか息を切らしていた。


早速、冒険者カードによる攻略の確認ができたようだ。


冒険者カードには、ある特殊な魔力が込められていて、ダンジョン内の攻略情報が記録されている。


一般の人は見ることはできないが、ギルド職員はある特殊な道具を使うことで、それを確認することができるようになっている。


ミリアの話では、その記録が異例のということだろう。


「そうでしたか!」


その攻略時間が【パレード】の皆が言うような、十分な戦力があるという証明である。


ーーミリアが部屋に来たということで、一度話を変える。


ギルドに提供する新しい情報についてだ。


「40階層のボス【ミノタウロス】について、知らない攻撃があるなどの情報はありませんか?」


僕はミリアに情報を伝える前に、前もって話が届いていないか聞いてみる。


「いえ、ギルド内には特にそういった情報はありませんね。
何かあったのですか?」


「実はーー・・・」


ギルドには何の情報も届いていないということで、僕達が今回の攻略で仕入れた情報をミリアに伝えた。


あの【ミノタウロス】の攻撃は、要注意するような強力なもので、ギルド内で注意喚起をしてもらいたいのだ。


この話をギルドにする前に、パーティーメンバーには伝えており、メンバー全員から許可をもらっている。


「私達のような二の舞を作りたくないので、お願いします」と・・・。


メンバーが言っているのは、【パレード】の元メンバーである【魔法使いのリタ】のことだ。


リタは、情報になかったボスの強力な攻撃を受けてしまって、冒険者人生を絶たれてしまった。


そういう冒険者を増やしたくないという想いからだろう。


「わかりました!
早速冒険者の皆さんに報告いたします。
ありがとうございます、ライドさん」


「いえいえ」


僕の話を聞いて、ミリアがもう一度急いで駆け出すように部屋を出ていった。


「ーー前にもこうしてギルドに報告していたのですか?」


ミリアがいなくなり、また【パレード】メンバーだけになったタイミングで、クイナが僕に話を聞いてきた。


ミリアが最後に残した言葉が引っかかったのだろう。

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