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12話
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「みんなと一緒で、私も賛成です。
ライドさんが【パレード】に入ってくれたら、このパーティーで懸念していた足りない部分が全て補えると思うので、かなり助かります」
最後に【パレード】のパーティーリーダー【大剣使いのクイナ】もパーティー参加に賛成してくれた。
足りない部分というのは、攻撃面、防御面のことで、僕の『付与』がそれを補うサポートができるということだろう。
「ありがとうございます、皆さん。
これからよろしくお願いします」
こうして僕は、パーティーメンバー全員に温かく迎えられる形で、トップ冒険者パーティー【竜の爪】から、トップ2の冒険者パーティー【パレード】に加入することとなった。
◇◇◇
「ーーえぇぇぇぇぇ。
も、もう40階層の攻略が終わったんですか!?」
僕のパーティー参加が決まって、冒険者ギルドに戻ると、報告を受けた【受付嬢のミリア】が驚いていた。
本来、1つの階層を攻略するのにかかる時間は、早くても丸一日以上かかる。
実際それが平均的な攻略時間であり、それより早く戻ってくるのは攻略失敗か途中リタイアになる。
今回、そのどちらでもなく攻略を済ませた上で、一日が経つ前に戻ってきていることに驚いているのだ。
「ライドさんのおかげで、かなり攻略がスムーズに進みました。
パーティー参加もこのまま許可しようと思います」
パーティーリーダーのクイナが代表して、ミリアにそう伝えた。
早い攻略時間は僕のおかげだと言いつつ・・・。
「それはよかった!
これでトップ2冒険者パーティー【パレード】の完全復活ですね!
ただ、あまりにも早い攻略なので、冒険者カードを見せていただいてもいいですか?」
「かまいませんよ」
ミリアからしても、僕を推薦することで【パレード】が復活したのは喜ばしいことだと思う。
ただ感傷に浸る前に、ギルド職員として異例のことに対応せざるを得ない状況を作ってしまったのは、申し訳ない。
「あ、それと40階層のボスについて、新しい情報がありまして、その報告も大丈夫ですか?」
僕は更に仕事を増やすようで申し訳ないが、一刻も早く伝えておかないといけない情報で、それもミリアにお願いした。
内容は、階層ボスである【ミノタウロス】が開幕早々に使ってきた攻撃についてだ。
「わかりました。
では、少しお時間をいただくので奥の部屋へ」
ミリアにもその重要性がわかったようで、すぐに前回利用した個室へと案内された。
ーー【パレード】のメンバー5人だけになり、僕はみんなに話をする。
「これからどうしましょうか?
次は最下層までの攻略を進めますか?」
ここに集まる前にミリアが言ったように、これからトップ2冒険者パーティー【パレード】として攻略復帰を迎える。
しかし、このメンバーで今回初めて攻略した場所は一度攻略済みの、メンバー全員が知っている場所だった。
これから最下層への攻略を進める場合、51階層から最下層の60階層まではメンバーの中で僕以外、誰も知らない場所になる。
たった一度の攻略で、先に進んでいいのかという話し合いだ。
ライドさんが【パレード】に入ってくれたら、このパーティーで懸念していた足りない部分が全て補えると思うので、かなり助かります」
最後に【パレード】のパーティーリーダー【大剣使いのクイナ】もパーティー参加に賛成してくれた。
足りない部分というのは、攻撃面、防御面のことで、僕の『付与』がそれを補うサポートができるということだろう。
「ありがとうございます、皆さん。
これからよろしくお願いします」
こうして僕は、パーティーメンバー全員に温かく迎えられる形で、トップ冒険者パーティー【竜の爪】から、トップ2の冒険者パーティー【パレード】に加入することとなった。
◇◇◇
「ーーえぇぇぇぇぇ。
も、もう40階層の攻略が終わったんですか!?」
僕のパーティー参加が決まって、冒険者ギルドに戻ると、報告を受けた【受付嬢のミリア】が驚いていた。
本来、1つの階層を攻略するのにかかる時間は、早くても丸一日以上かかる。
実際それが平均的な攻略時間であり、それより早く戻ってくるのは攻略失敗か途中リタイアになる。
今回、そのどちらでもなく攻略を済ませた上で、一日が経つ前に戻ってきていることに驚いているのだ。
「ライドさんのおかげで、かなり攻略がスムーズに進みました。
パーティー参加もこのまま許可しようと思います」
パーティーリーダーのクイナが代表して、ミリアにそう伝えた。
早い攻略時間は僕のおかげだと言いつつ・・・。
「それはよかった!
これでトップ2冒険者パーティー【パレード】の完全復活ですね!
ただ、あまりにも早い攻略なので、冒険者カードを見せていただいてもいいですか?」
「かまいませんよ」
ミリアからしても、僕を推薦することで【パレード】が復活したのは喜ばしいことだと思う。
ただ感傷に浸る前に、ギルド職員として異例のことに対応せざるを得ない状況を作ってしまったのは、申し訳ない。
「あ、それと40階層のボスについて、新しい情報がありまして、その報告も大丈夫ですか?」
僕は更に仕事を増やすようで申し訳ないが、一刻も早く伝えておかないといけない情報で、それもミリアにお願いした。
内容は、階層ボスである【ミノタウロス】が開幕早々に使ってきた攻撃についてだ。
「わかりました。
では、少しお時間をいただくので奥の部屋へ」
ミリアにもその重要性がわかったようで、すぐに前回利用した個室へと案内された。
ーー【パレード】のメンバー5人だけになり、僕はみんなに話をする。
「これからどうしましょうか?
次は最下層までの攻略を進めますか?」
ここに集まる前にミリアが言ったように、これからトップ2冒険者パーティー【パレード】として攻略復帰を迎える。
しかし、このメンバーで今回初めて攻略した場所は一度攻略済みの、メンバー全員が知っている場所だった。
これから最下層への攻略を進める場合、51階層から最下層の60階層まではメンバーの中で僕以外、誰も知らない場所になる。
たった一度の攻略で、先に進んでいいのかという話し合いだ。
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