上 下
11 / 80

11話

しおりを挟む
「今です」


「いくよー!」


クイナが作った大きな隙を見て、【双剣使いのアル】と【双剣使いのルア】の2人が攻撃に参加する。


僕もこの反撃のチャンスを逃すまいと更に『ステータス低下デバフ』を行なう。


ーー『防御力低下ディフェンス・ディクライン


隙だらけとはいえ、ずっしりとした肉体に守られている【ミノタウロス】に防御力低下で守りを弱めた。


こうして絶好の攻略チャンスを作り出す。


「はっ!『クロス斬り』」


「『十字斬り』」


【ミノタウロス】の弱まった肉体にアルとルアの絶妙なコンビプレイによる斬撃のラッシュが放たれる。


モォォォォォッ


2人の大技をまともに受けた【ミノタウロス】は怯み、苦痛に雄叫びを上げていた。


しかし、攻撃はこれだけでは終わらない。


アルとルアの攻撃で怯んだ隙に、クイナの技の準備が整っていたのだ。


「いきます!『一閃いっせん』」


大剣の一直線に叩き切るような斬撃が【ミノタウロス】にクリティカルヒットした。


モォォォォォッ・・・


全ての大技を直接受けた【ミノタウロス】は、そのまま後ろに倒れ、もう起き上がってくることはなくなった。


見事に3人の連携でボスを瞬く間に倒し切ったのだ。


「やりましたね、皆さん!」


上手く決まった連携プレイに僕は絶賛する。


「本当に、ボスをこんなにあっという間に・・・」


「信じられない・・・」


「うん・・・」


だけど、それを行なった当の本人達は、「信じられない」といった様子で立ち尽くしていた。


ボスを倒した速度でいうなら、どの冒険者よりも圧倒的に早いだろう。


最初の一撃以外、ボスに何の攻撃もさせなかったのが大きい。


ーー無事ボス攻略も終え、メンバーが正気に戻った所で、改めて本題に入る。


「メンバーへの参加はいかがでしょうか?」


僕が今回【パレード】メンバーとして、この40階層を攻略したのはあくまで腕試しであり、まだ決定しているわけではない。


それで攻略を終えた今、改めて結果を聞いていた。


「私は賛成だよ!
ライドさんの力はすごいよ!
むしろ、こっちからお願いしたいぐらい」


「私も賛成」


最初に答えを出してくれたのは、アル。


それに続いてルアも、メンバー参加に賛成してくれた。


「私も賛成です。
ライドさんが参加してくれたら、今まで以上に攻略が安定して行なえると思います」


回復職ヒーラーのエレナ】も賛成のようだ。


回復職ヒーラー】として、パーティーメンバーの安全を考えた結果、被弾の減少と魔力の枯渇がなくなるのは大きい。


回復ヒール』ができないというリスクがなくなるので、安定した攻略が行なえるということだろう。

しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

職業選択の自由~ネクロマンサーを選択した男~

新米少尉
ファンタジー
「私は私の評価を他人に委ねるつもりはありません」 多くの者達が英雄を目指す中、彼はそんなことは望んでいなかった。 ただ一つ、自ら選択した道を黙々と歩むだけを目指した。 その道が他者からは忌み嫌われるものであろうとも彼には誇りと信念があった。 彼が自ら選んだのはネクロマンサーとしての生き方。 これは職業「死霊術師」を自ら選んだ男の物語。 ~他のサイトで投稿していた小説の転載です。完結済の作品ですが、若干の修正をしながらきりのよい部分で一括投稿していきますので試しに覗いていただけると嬉しく思います~

【完結】新しい我輩、はじめます。

コル
ファンタジー
 魔界を統一した魔王デイルワッツ、次に人間界を支配するために侵攻を開始する。  そんな時、人間界で「天使の剣を抜いたものが勇者となり魔王を討つべし」とお触れが出た。  これを聞いたデイルワッツは自分の魂と魔力を人間の体に移し、自ら剣の破壊と勇者を始末しようと儀式に紛れ込むがなかなか剣を抜けるものは出てこなかった。  見物人にも儀式参加となりデイルワッツの順番が回っきてしまう、逃げるに逃げれなくなってしまい仕方なく剣を掴んだ瞬間に魔力を吸われ剣に宿る精霊エリンが具現化し剣が抜けてしまった。  剣を抜いた事により勇者と認められ魔王討伐の命が下る……がその魔王は自分自身である。  自分が自分を討ちに行く謎の冒険記はじめます。 【完結済】 ・スケルトンでも愛してほしい![https://www.alphapolis.co.jp/novel/525653722/331309959] ・私が勇者を追いかける理由。[https://www.alphapolis.co.jp/novel/525653722/132420209]  ※この作品は「小説家になろう」さん、「カクヨム」さん、「ノベルアップ+」さんとのマルチ投稿です。

【短編】追放した仲間が行方不明!?

mimiaizu
ファンタジー
Aランク冒険者パーティー『強欲の翼』。そこで支援術師として仲間たちを支援し続けていたアリクは、リーダーのウーバの悪意で追補された。だが、その追放は間違っていた。これをきっかけとしてウーバと『強欲の翼』は失敗が続き、落ちぶれていくのであった。 ※「行方不明」の「追放系」を思いついて投稿しました。短編で終わらせるつもりなのでよろしくお願いします。

良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました

ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。 そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった…… 失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。 その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。 ※小説家になろうにも投稿しています。

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

竜騎士の俺は勇者達によって無能者とされて王国から追放されました、俺にこんな事をしてきた勇者達はしっかりお返しをしてやります

しまうま弁当
ファンタジー
ホルキス王家に仕えていた竜騎士のジャンはある日大勇者クレシーと大賢者ラズバーによって追放を言い渡されたのだった。 納得できないジャンは必死に勇者クレシーに訴えたが、ジャンの意見は聞き入れられずにそのまま国外追放となってしまう。 ジャンは必ずクレシーとラズバーにこのお返しをすると誓ったのだった。 そしてジャンは国外にでるために国境の町カリーナに向かったのだが、国境の町カリーナが攻撃されてジャンも巻き込まれてしまったのだった。 竜騎士ジャンの無双活劇が今始まります。

通称偽聖女は便利屋を始めました ~ただし国家存亡の危機は謹んでお断りします~

フルーツパフェ
ファンタジー
 エレスト神聖国の聖女、ミカディラが没した。  前聖女の転生者としてセシル=エレスティーノがその任を引き継ぐも、政治家達の陰謀により、偽聖女の濡れ衣を着せられて生前でありながら聖女の座を剥奪されてしまう。  死罪を免れたセシルは辺境の村で便利屋を開業することに。  先代より受け継がれた魔力と叡智を使って、治療から未来予知、技術指導まで何でこなす第二の人生が始まった。  弱い立場の人々を救いながらも、彼女は言う。 ――基本は何でもしますが、国家存亡の危機だけはお断りします。それは後任(本物の聖女)に任せますから

処理中です...