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「俺の攻撃も効果がないしな・・・」
「ロイの大剣やラットの大槌が弾かれるんじゃ俺の攻撃なんて無意味だ」
【大槌使いのラット】も【大剣使いのロイ】同様に嘆くと【双剣使いのカイ】もそれに便乗していた。
「エマにはその分、負担もかけているしな・・・」
前衛職の3人の攻撃が弾かれればその分、反撃を受ける回数が多く、その都度回復を行なうエマには大きな負担がかかっているだろう。
「そんな事より、ライドの『付与』はちゃんと機能しているんだろうな?」
戦闘中にも叫んでいたが、ロイがまたしてもライドの【付与師】の力を疑い始めた。
「ちゃんと発動させていたよ!
そのおかげでこれまで何とかなっていたじゃないか」
あまりにも効果を疑われるので、少しイライラしていた。
「だが、ここ最近あまりモンスターの強さに変動が感じられなくなってきているじゃないか。
アーマー・バイパーにだって、ほとんど効果が見られないし・・・」
ロイの怒りの矛先が僕に向いたようで、【アーマー・バイパー】を倒せないのは僕のせいだと言われているようだった。
確かに僕の付与師の力は、前衛職のように前線で戦うわけでも、【回復職】のように目に見えて手助けしているわけではない。
しかし、見えないなりにパーティー全体の支援を行なっているし、モンスターへと干渉攻撃も行なっている。
文句を言われるように何もしていないわけではないのだ。
「それは、君達が力不足だからだろ!」
あまりにも突っかかってくるもので、僕は思わず強く言い返してしまっていた。
言ってしまった後でハッとする。
言い過ぎてしまったと・・・。
「そう・・・。
お前は俺達が弱いって言いたいわけだな?」
「いや、ごめん。
今のは言い過ぎた・・・」
僕は冷静になり、今の言葉を取り消そうとした。
「いや、問題ない。
ライド、お前はもう不要だ。
このパーティーにお前はもういらない」
しかし、僕の取り消しの言葉は届かず、ロイから解雇を言い渡された。
「おい、なんだよそれ・・・。
冗談だろ?」
急な展開に驚く。
「本当だ。
俺達もこれまでの戦いで力が不足しているように感じていた。
それは俺達の力ではなくお前の力がだ」
ロイが言った解雇を肯定するようにラットがそう説明した。
ロイ以外にもラットも僕の付与師の力を疑っていたようだ。
「っ!
他のやつも解雇に賛成なのか?」
あまりの言い分にショックを受けながらカイとエマにも聞いた。
2人は何も言わないが否定もしなかった。
「誰も反対するものはいない。
決まりだな!」
その様子にロイが勝ち誇ったように言った。
「ロイの大剣やラットの大槌が弾かれるんじゃ俺の攻撃なんて無意味だ」
【大槌使いのラット】も【大剣使いのロイ】同様に嘆くと【双剣使いのカイ】もそれに便乗していた。
「エマにはその分、負担もかけているしな・・・」
前衛職の3人の攻撃が弾かれればその分、反撃を受ける回数が多く、その都度回復を行なうエマには大きな負担がかかっているだろう。
「そんな事より、ライドの『付与』はちゃんと機能しているんだろうな?」
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「ちゃんと発動させていたよ!
そのおかげでこれまで何とかなっていたじゃないか」
あまりにも効果を疑われるので、少しイライラしていた。
「だが、ここ最近あまりモンスターの強さに変動が感じられなくなってきているじゃないか。
アーマー・バイパーにだって、ほとんど効果が見られないし・・・」
ロイの怒りの矛先が僕に向いたようで、【アーマー・バイパー】を倒せないのは僕のせいだと言われているようだった。
確かに僕の付与師の力は、前衛職のように前線で戦うわけでも、【回復職】のように目に見えて手助けしているわけではない。
しかし、見えないなりにパーティー全体の支援を行なっているし、モンスターへと干渉攻撃も行なっている。
文句を言われるように何もしていないわけではないのだ。
「それは、君達が力不足だからだろ!」
あまりにも突っかかってくるもので、僕は思わず強く言い返してしまっていた。
言ってしまった後でハッとする。
言い過ぎてしまったと・・・。
「そう・・・。
お前は俺達が弱いって言いたいわけだな?」
「いや、ごめん。
今のは言い過ぎた・・・」
僕は冷静になり、今の言葉を取り消そうとした。
「いや、問題ない。
ライド、お前はもう不要だ。
このパーティーにお前はもういらない」
しかし、僕の取り消しの言葉は届かず、ロイから解雇を言い渡された。
「おい、なんだよそれ・・・。
冗談だろ?」
急な展開に驚く。
「本当だ。
俺達もこれまでの戦いで力が不足しているように感じていた。
それは俺達の力ではなくお前の力がだ」
ロイが言った解雇を肯定するようにラットがそう説明した。
ロイ以外にもラットも僕の付与師の力を疑っていたようだ。
「っ!
他のやつも解雇に賛成なのか?」
あまりの言い分にショックを受けながらカイとエマにも聞いた。
2人は何も言わないが否定もしなかった。
「誰も反対するものはいない。
決まりだな!」
その様子にロイが勝ち誇ったように言った。
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