29 / 35
ボクたちにまさかの提案?
しおりを挟む
今日も今日とて、学校帰りの帰宅路に。
修平くんと一緒に帰っているんだけど……
「なぜあなた方がいるんでしょうか?」
「俺にも教えてくれ。何で俺はこんなところにいる?」
修平くんは当然として、充も一緒に下校。まあ、彼の家も同じ方角だから、そこまでは良いんだけど……。
「ふふふ。それはハルカが答えて差し上げるのです!」
「何で君までいるんだい!」
何故か兎川さんまでついてきている。まあ大方、充を追いかけてきたんだろうけど、そもそも充がいる理由も分からないし。
「もぅ、エリー先輩は一々細かいことを気にしますね。いくら美人でも、そんなノリが悪いとモテませんよ~」
「余計なお世話だよ! ボクには凪くんがいるからいいんだ!」
なんとなく敵対心のようなものを感じて、凪くんの腕にしがみついてしまった。こんな格好今までしたことないんだけど……。
「そもそも、愛理先輩はモテすぎなくらいですからね。自分が嫉妬してしまう程度には」
「修平くんまで何を言っているんだい!」
「ふ~ん。そーなんですかぁ? まあ、どっちでもいいですけどー」
君が言い出したことだろう! 何で後輩にからかわれなきゃいけないんだ……。
「と、いうことで! ハルカと充先輩がこの場にいる訳ですが──!」
わざわざ帰り道から外れてまで、ボク達についてきたんだ。よっぽど大事な用事があるのかな。
「今度の日曜日に、ダブルデートのお誘いなのです!」
だぶるでーと?
思わず呆けてしまったけど、充と修平くんも不思議そうにしている。ボクがおかしいんじゃないよね?
「なんですかぁ、三人とも? ハルカの天才的な提案に絶句しちゃってます? まあ仕方ないですよねー、ハルカも自分で驚いちゃってますからねー」
「ちなみに確認しておくが、誰と誰の話だ?」
「そんなの、ここにいる四人に決まってますよね? つまり、エリー先輩と凪さん。充先輩とハルカ、四人でのデートです!」
へ? 充と兎川さんはそういう関係だったの?
本人は呆れたようにため息を漏らしているけれど……。
「ふざけるな。俺とお前はそんな関係じゃねぇだろうが。大体、そのダブルデートとやらの意図が分からん」
「意図なんてないですよぉ? 二人っきりのデートというのも楽しいと思いますが、大人数でのデートというのも、楽しくないですか? それに、ハルカと充先輩の関係はいずれ確たるものになりますから、デートの前借りです!」
「また意味のわからんことを……」
二人は別に、そういう関係という訳ではないんだね? 良かった……良かった? 何が良かったんだろう、ボクは。
大人数のデートか……少し気にはなるけれど、充は乗り気じゃないし、修平くんだって
「いいじゃないですか、進藤先輩。とても楽しそうですよ? デートが気に入らなければ、友達との遊びだと思って」
「しゅ、修平くん?」
予想外だ。まさか凪くんが了承するなんて思わなかったよ。兎川さんもなんだか嬉しそうにしている……。
「友達ったってな……愛理だって嫌だろ?」
なんでボクに振ってくるんだ!
ボクだって、デートなら凪くんと二人きりがいいさ。でも、その修平くんが乗り気になってしまっているんだ。
……それに、最近充とお出かけすることなんてなかったから、正直そこは少し楽しみな訳で。この前のカナメとのことも気になるんだ。
「……どうかな。それはそれで、ちょっと面白いかもしれないよ。新しい試みというやつだね」
「愛理……?」
ごめんよ充……ボクもなんでこんなこと言ってるのか分かっていないんだよ。
「ほーら、修平さんもエリー先輩もいいって言ってるじゃないですかー。充先輩もいいですよねー?」
「いや俺は……」
断って欲しいとも思うし、断って欲しくないとも思っている。ごめんよ、どうやらボクはどちらかを選ぶことはできそうにないよ。
だから、そんな風に助けを求めるような視線は送らないでおくれ。
「充先輩、お願いしますぅ」
「きっと楽しいですよ、進藤先輩」
自分で肯定しておいて言うのもおかしなはなしだけど、なんだか責められているみたいで充がかわいそうに見えてきたよ。
「あー……ったく! 分かったよ。今度の日曜だろ? 用事があるわけでもないし、行ってやるよ」
「本当ですか! やったー!」
充が折れたことにも驚きだけど、兎川さんの喜びようにもびっくりだ。本当に充のことが大好きなんだね。
「それじゃそれじゃ、どこ行きます? どうします? なにしますか?」
目を輝かせて訪ねてくるのだけど……もしかして、なにも考えてなかったのかい?
「お前が言い出したことなのに、なにも考えてなかったのか?」
「だってー、まさか充先輩がおーけーしてくれるなんて、思わないじゃないですかー! ダメ元で聞いたんで、もーびっくりですよ! ──あ! 今のでキャンセルとか、絶対ダメですからね!」
「……ドタキャンしてやろうか」
うん。充に同情するよ。
「それでは、自分の家に来てみませんか? 色々と用意させていただきますよ」
「まじですか、凪さん! さすがに太っ腹ですね!」
修平くんの、家? 見たこともない、初めての、凪くんのお家……。
「あ、えと……ボクは、いいと思う。凪くんの家見てみたい」
「すみませんね。初めてお招きするときは二人きりとも思ったんですが……せっかくなのでどうかなと思いまして。二人よりも抵抗は少ないと思いますし」
確かに、修平くんとはいえ二人きりで彼の家というのは……この前のカナメのセリフを思い出してしまうね。
「まあ、俺はなんでもいいぞ。どこにだっていってやるよ」
「じゃあ、決まりですね! 凪さん、当日のこと、お願いしますね!」
その後は他愛もない話をしながらの帰路。どうやら、兎川さんもこちら方面の人らしく、結局近くまで一緒に帰ることになってしまった。
……修平くんのお家か。どんなお家なんだろう。
修平くんと一緒に帰っているんだけど……
「なぜあなた方がいるんでしょうか?」
「俺にも教えてくれ。何で俺はこんなところにいる?」
修平くんは当然として、充も一緒に下校。まあ、彼の家も同じ方角だから、そこまでは良いんだけど……。
「ふふふ。それはハルカが答えて差し上げるのです!」
「何で君までいるんだい!」
何故か兎川さんまでついてきている。まあ大方、充を追いかけてきたんだろうけど、そもそも充がいる理由も分からないし。
「もぅ、エリー先輩は一々細かいことを気にしますね。いくら美人でも、そんなノリが悪いとモテませんよ~」
「余計なお世話だよ! ボクには凪くんがいるからいいんだ!」
なんとなく敵対心のようなものを感じて、凪くんの腕にしがみついてしまった。こんな格好今までしたことないんだけど……。
「そもそも、愛理先輩はモテすぎなくらいですからね。自分が嫉妬してしまう程度には」
「修平くんまで何を言っているんだい!」
「ふ~ん。そーなんですかぁ? まあ、どっちでもいいですけどー」
君が言い出したことだろう! 何で後輩にからかわれなきゃいけないんだ……。
「と、いうことで! ハルカと充先輩がこの場にいる訳ですが──!」
わざわざ帰り道から外れてまで、ボク達についてきたんだ。よっぽど大事な用事があるのかな。
「今度の日曜日に、ダブルデートのお誘いなのです!」
だぶるでーと?
思わず呆けてしまったけど、充と修平くんも不思議そうにしている。ボクがおかしいんじゃないよね?
「なんですかぁ、三人とも? ハルカの天才的な提案に絶句しちゃってます? まあ仕方ないですよねー、ハルカも自分で驚いちゃってますからねー」
「ちなみに確認しておくが、誰と誰の話だ?」
「そんなの、ここにいる四人に決まってますよね? つまり、エリー先輩と凪さん。充先輩とハルカ、四人でのデートです!」
へ? 充と兎川さんはそういう関係だったの?
本人は呆れたようにため息を漏らしているけれど……。
「ふざけるな。俺とお前はそんな関係じゃねぇだろうが。大体、そのダブルデートとやらの意図が分からん」
「意図なんてないですよぉ? 二人っきりのデートというのも楽しいと思いますが、大人数でのデートというのも、楽しくないですか? それに、ハルカと充先輩の関係はいずれ確たるものになりますから、デートの前借りです!」
「また意味のわからんことを……」
二人は別に、そういう関係という訳ではないんだね? 良かった……良かった? 何が良かったんだろう、ボクは。
大人数のデートか……少し気にはなるけれど、充は乗り気じゃないし、修平くんだって
「いいじゃないですか、進藤先輩。とても楽しそうですよ? デートが気に入らなければ、友達との遊びだと思って」
「しゅ、修平くん?」
予想外だ。まさか凪くんが了承するなんて思わなかったよ。兎川さんもなんだか嬉しそうにしている……。
「友達ったってな……愛理だって嫌だろ?」
なんでボクに振ってくるんだ!
ボクだって、デートなら凪くんと二人きりがいいさ。でも、その修平くんが乗り気になってしまっているんだ。
……それに、最近充とお出かけすることなんてなかったから、正直そこは少し楽しみな訳で。この前のカナメとのことも気になるんだ。
「……どうかな。それはそれで、ちょっと面白いかもしれないよ。新しい試みというやつだね」
「愛理……?」
ごめんよ充……ボクもなんでこんなこと言ってるのか分かっていないんだよ。
「ほーら、修平さんもエリー先輩もいいって言ってるじゃないですかー。充先輩もいいですよねー?」
「いや俺は……」
断って欲しいとも思うし、断って欲しくないとも思っている。ごめんよ、どうやらボクはどちらかを選ぶことはできそうにないよ。
だから、そんな風に助けを求めるような視線は送らないでおくれ。
「充先輩、お願いしますぅ」
「きっと楽しいですよ、進藤先輩」
自分で肯定しておいて言うのもおかしなはなしだけど、なんだか責められているみたいで充がかわいそうに見えてきたよ。
「あー……ったく! 分かったよ。今度の日曜だろ? 用事があるわけでもないし、行ってやるよ」
「本当ですか! やったー!」
充が折れたことにも驚きだけど、兎川さんの喜びようにもびっくりだ。本当に充のことが大好きなんだね。
「それじゃそれじゃ、どこ行きます? どうします? なにしますか?」
目を輝かせて訪ねてくるのだけど……もしかして、なにも考えてなかったのかい?
「お前が言い出したことなのに、なにも考えてなかったのか?」
「だってー、まさか充先輩がおーけーしてくれるなんて、思わないじゃないですかー! ダメ元で聞いたんで、もーびっくりですよ! ──あ! 今のでキャンセルとか、絶対ダメですからね!」
「……ドタキャンしてやろうか」
うん。充に同情するよ。
「それでは、自分の家に来てみませんか? 色々と用意させていただきますよ」
「まじですか、凪さん! さすがに太っ腹ですね!」
修平くんの、家? 見たこともない、初めての、凪くんのお家……。
「あ、えと……ボクは、いいと思う。凪くんの家見てみたい」
「すみませんね。初めてお招きするときは二人きりとも思ったんですが……せっかくなのでどうかなと思いまして。二人よりも抵抗は少ないと思いますし」
確かに、修平くんとはいえ二人きりで彼の家というのは……この前のカナメのセリフを思い出してしまうね。
「まあ、俺はなんでもいいぞ。どこにだっていってやるよ」
「じゃあ、決まりですね! 凪さん、当日のこと、お願いしますね!」
その後は他愛もない話をしながらの帰路。どうやら、兎川さんもこちら方面の人らしく、結局近くまで一緒に帰ることになってしまった。
……修平くんのお家か。どんなお家なんだろう。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
お兄ちゃんが私にぐいぐいエッチな事を迫って来て困るんですけど!?
さいとう みさき
恋愛
私は琴吹(ことぶき)、高校生一年生。
私には再婚して血の繋がらない 二つ年上の兄がいる。
見た目は、まあ正直、好みなんだけど……
「好きな人が出来た! すまんが琴吹、練習台になってくれ!!」
そう言ってお兄ちゃんは私に協力を要請するのだけど、何処で仕入れた知識だかエッチな事ばかりしてこようとする。
「お兄ちゃんのばかぁっ! 女の子にいきなりそんな事しちゃダメだってばッ!!」
はぁ、見た目は好みなのにこのバカ兄は目的の為に偏った知識で女の子に接して来ようとする。
こんなんじゃ絶対にフラれる!
仕方ない、この私がお兄ちゃんを教育してやろーじゃないの!
実はお兄ちゃん好きな義妹が奮闘する物語です。
女の子なんてなりたくない?
我破破
恋愛
これは、「男」を取り戻す為の戦いだ―――
突如として「金の玉」を奪われ、女体化させられた桜田憧太は、「金の玉」を取り戻す為の戦いに巻き込まれてしまう。
魔法少女となった桜田憧太は大好きなあの娘に思いを告げる為、「男」を取り戻そうと奮闘するが……?
ついにコミカライズ版も出ました。待望の新作を見届けよ‼
https://www.alphapolis.co.jp/manga/216382439/225307113
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる