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第3章

167.アミュートのこだわり。

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そして漸くアミュートの人型の話へ話題が変わった。

『やっと僕の話だね!』
「そうだね、よかったね!……」
『ユキ?』
「ん?」
『どうしたの?』
「……疲れてきただけだよ。大丈夫」
『また今度にするか?』
「え、いや、大丈夫だよ!」

あんなに嬉しそうにしていたのに、俺のせいでしょんもりさせる訳にはいかない。

「アミュートの人型、ケインが考えたんでしょ?」
『あぁ、昨日にな、人型になれるようになったがどうしたら良いかと聞かれたのじゃ』
「え、昨日?!」
『うん、昨日のうちにね達成してたんだけど、人型になるには練習がいるからね。だからお昼になっちゃった…本当は朝起きた時に人型で驚かせようと思ったのに……』
「いや、寝起きに驚かせるって言う点は達成されてるからいいんじゃない?」
『それもそうだね!』

一日で達成してるのも、人型になるのを一日で成功させているのも、どっちも凄いけどそれを喜ぶんじゃなくて驚かせれたことに喜んでいるアミュートが可愛い。

「ちょっともっかい人型になってみてよ」
『いいよ~…どう?!どうどう!』
「う、うん、落ち着いてアミュート。なに、その姿になったらもれなくそのテンションなの?」
『あ、ごめんね、褒めて欲しくてつい……』

人型のくせに垂れ下がった耳としっぽが見える…。

『儂にも見えるぞ。じゃが耳としっぽはついておらん。』
「だよね」
『ん?耳としっぽが欲しいの?いいよ~付いてるのも創造主様がつくってくれたから!』

ぽんっと現れた耳としっぽはいつも見ているものと触り心地も含め同じように思う。

『……3時間撫でさせられた結果じゃ。同じはずじゃよ』
「え?」
『ちなみに髪の毛も獣時の頭頂部とおなじ毛質のはずじゃ。』
『ユキは僕の頭の毛が1番好きみたいだったからね!お願いしたの!!』
『……初めの出来では満足してくれんでな……ものすごく撫でさせられて、満足するまで作り直されたのじゃ……これじゃユキが触ってくれない!とか言っておった……』
「………お疲れ様、ケイン。」
『ありがとうと言ってくれ……報われん…お主も満足じゃろ?』
「…そうだね、ありがとうケイン!そしてほんとにお疲れ様」

アミュートの人型を作る話になると急に疲れた顔をして、手を見つめながら話すケインは、相当苦労したのだろう。

『創造主様!本当にありがとうございました!!』
『…よい、よいのじゃ。お主らが喜んでくれるなら手の感覚を犠牲にしただけはあるっ!』

手の感覚を犠牲に……多分撫ですぎてしばらく変になったんだろう。わかる。俺もやったことある。本に夢中になって一日アミュートを放置していた時に1日撫でてとお願いされ1日撫でた時は、本当に手の感覚がバグった。触ってないのに触ってる感覚があったし、なんかもう、色々手が変になった。

『分かってくれるか?!』
「うん。あれは嫌だよね……」
『……創造主様、ごめんなさい。』
『よい。気にするな。もうよそう、この話は…』








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