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第3章

147.ふくらはぎだけ。

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苦い苦い不味い薬を飲んで、もう一度寝て、次に目が覚めたのは真っ暗闇の夜中だった。
目眩や頭の痛みはないけれど、暗闇であることから俺は気分が悪くなる。
いつもそばに居るアミュートはピアスになっていたようで姿はない。

そっと右耳に触れ、アミュートに声をかける。

『アミュート、アミュート。起きてる?ねぇ』
『ん?あ、ユキ、起きたんだね。ちょっとまってて』

そうして直ぐに出できてくれたアミュートにしがみついて、恐怖を誤魔化す。

『ごめんね、気持ちよさそうに寝てたし、大丈夫かなって思って戻ってたの』
『んーん。出てきてくれてありがと』
『体調は?大丈夫?』
『んーまだ熱っぽいけどさっきみたいに目眩とかはないよ』
『そっか。熱だけ?』
『うん。ちょっと倦怠感はあるけど、明日には多分もう大丈夫。沢山ブラッシングしてあげるね』
『うん。』

アミュートをなでなでしているとまた段々と眠くなってきて、アミュートにおやすみをいい、再び眠りについた。


目が覚めればやはり昨晩の倦怠感は無くなっていて、ほのかに顔が火照るような感じがあったが、気にするほどではない。

マリエリさんが俺を起こしに来るよりも前に目が覚めた俺は、アミュートにブラッシングをしてあげる為にブラシを取りに立ち上がった。
その動きでアミュートも目を覚まし、俺の体調確認をしてから、ブラシを見つめしっぽを振り回していた。

その様子が愛くるしくて、再びベッドへ登り、そうそうにアミュートにブラシをかけていく。

『どう?気持ちいい?』
『うん!とっても気持ちいいよ!もっとして』
『もちろん』

丁寧にとかしていくと、沢山毛が抜ける。
俺はそれを集めてはカゴに入れていく。俺は毎日のブラッシングでアミュートの毛を集め、アミュートジュニアを作り量産しようと目論んでいるのだ。

そうしているとマリエリさんが俺を起こしに部屋へやってくる。

「坊ちゃん、おはようございます。お加減は如何ですか?」
「うん!もうぜんぜんしんろくないよ!」
「そのようですね。よかったです」
「しんぱいかけてごめんね」
「いえいえ。……お着替えや朝食はどうなさいますか?」
「あ~えっと、もうちょっとだけまってくれりゅ?もうみんな、あつまってるの?」
「いえ、もう少しお時間がございますよ」
「そっか、じゃ、ちょっとまっててくれりゅ?」
「かしこまりました」

俺がアミュートのブラッシングをしている為、マリエリさんがどうするか尋ねてくれた。
今やっているふくらはぎの辺りだけでももう少し綺麗にしてあげたくて、待ってもらうことにした。

『ユキ、後ででもいいよ?』
『ここだけ!』








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