72 / 218
第1章
72.うさちゃん。
しおりを挟む
「ユキ!これなんてどうだ?」
そうしてノアさんが俺に聞くのは雑貨屋のような店の中。俺に持たせたい人形をガイさんと共に選んでいる。その間俺の抱っこをライさんが代わろうか?と言ったが断固として拒否していた。
「いや、それもいいがこれもいい」
「あーー!それもいいな~どれにしようか…」
あーだこーだと、仲良く言い合っている2人。こうしてみると仲良いのに…。
と言うか、俺中身15歳なもんで人形なんて不要なのだが?
「いりゃにゃいよ?」
「「はぁ?!?!」」
いらないと伝えると、2人がすごい形相で迫ってきた。ちょっとこわ。
「子供は人形好きだろうが!」
「そうだろ!俺は好きだぞ!」
「「え…」」
「あ、いや違うぞ?俺が人形を好きなんじゃなくて、人形を持ってる子供が好きなんだ!!」
「ドヤることじゃないが、分かるぞ!!!」
「だろ!!!」
一瞬ノアさんの発言にライさんと二人びっくりしたが、その次の発言にもびっくりした。
そしてそれに同意するガイさん。
容姿のいいふたりが、今とても残念に思えた。
「これはどうだ?」
「お、いいな!それがいいな!」
2人でワイワイとしばらく人形選びをしていて、ようやくいいのを見つけたようだ。
一人は整った顔立ちだが、ガタイがよくムキムキでいかにも冒険者、といったナリ。もう1人はイケメンだが、冒険者感のある細マッチョという体格に格好。
そんなふたりがファンシーなぬいぐるみを選んでいる絵面はとてもシュールだった。
「「ユキ、どうだ!!」」
そうして目の前に持ってこられたぬいぐるみは片耳の折れた可愛い、薄いピンクのうさぎさん。いや、うさちゃんと呼ぶのがふさわしいと思う。
瞳は本物か偽物か分からないが宝石のようにキラキラと光る薄い水色の物が埋め込まれていた。
首元にはチェックのネクタイが巻いてあり、服は着ておらず、襟だけがネクタイに付いていた。それはどうやら2人が選びつけたらしい。
ということは着せ替え人形のようにもできるということだろう。
「かぁいいね!!」
素直に可愛かった為、可愛いね、と普通に感想を告げる。
「「気に入ったか!これにするか!」」
「う~~ん…」
持たされて、触れてみるとそのぬいぐるみは柔らかい素材でできているのか、とてもふわふわしていて手触りが良い。思わず頬ずりしたいなという衝動に駆られる。
しかし、ほんのりと右耳が暖かくなりハッとする。これは浮気ではないか?と。
だって俺にはアミュートという最高のもふもふがいるのに、俺は…俺は、ぬいぐるみに頬ずりしかけた…アミュート!ごめん!!
すると直ぐに右耳がほわっとして、そこから伝わる感情に俺はほっとした。
「気に入らないか?」
「んー」
正直、子供の人形を持つ姿は可愛いだろう。だがしかし、俺の中身は子供じゃないため羞恥心がある。15歳の思春期真っ只中の男の子に人形を持たせるのは……。まぁでもみんなはその事を知らないんだもんな。しかたないか。
せめてうさぎさんはやめて欲しい。
「うさちゃん、ちあうにょにゃい?」
「うさぎは嫌か?」
「う~ん…」
言い切ることは出来なかった。だってうさぎさんは可愛いし?好きだよ?でも、これはうさぎさんと言うより、うさちゃんじゃん?それは恥ずかしいというか……それに俺、中身どうこうなしで、男の子だよ?いくら2歳児でも男の子がうさちゃんは…ねぇ。
そうしてノアさんが俺に聞くのは雑貨屋のような店の中。俺に持たせたい人形をガイさんと共に選んでいる。その間俺の抱っこをライさんが代わろうか?と言ったが断固として拒否していた。
「いや、それもいいがこれもいい」
「あーー!それもいいな~どれにしようか…」
あーだこーだと、仲良く言い合っている2人。こうしてみると仲良いのに…。
と言うか、俺中身15歳なもんで人形なんて不要なのだが?
「いりゃにゃいよ?」
「「はぁ?!?!」」
いらないと伝えると、2人がすごい形相で迫ってきた。ちょっとこわ。
「子供は人形好きだろうが!」
「そうだろ!俺は好きだぞ!」
「「え…」」
「あ、いや違うぞ?俺が人形を好きなんじゃなくて、人形を持ってる子供が好きなんだ!!」
「ドヤることじゃないが、分かるぞ!!!」
「だろ!!!」
一瞬ノアさんの発言にライさんと二人びっくりしたが、その次の発言にもびっくりした。
そしてそれに同意するガイさん。
容姿のいいふたりが、今とても残念に思えた。
「これはどうだ?」
「お、いいな!それがいいな!」
2人でワイワイとしばらく人形選びをしていて、ようやくいいのを見つけたようだ。
一人は整った顔立ちだが、ガタイがよくムキムキでいかにも冒険者、といったナリ。もう1人はイケメンだが、冒険者感のある細マッチョという体格に格好。
そんなふたりがファンシーなぬいぐるみを選んでいる絵面はとてもシュールだった。
「「ユキ、どうだ!!」」
そうして目の前に持ってこられたぬいぐるみは片耳の折れた可愛い、薄いピンクのうさぎさん。いや、うさちゃんと呼ぶのがふさわしいと思う。
瞳は本物か偽物か分からないが宝石のようにキラキラと光る薄い水色の物が埋め込まれていた。
首元にはチェックのネクタイが巻いてあり、服は着ておらず、襟だけがネクタイに付いていた。それはどうやら2人が選びつけたらしい。
ということは着せ替え人形のようにもできるということだろう。
「かぁいいね!!」
素直に可愛かった為、可愛いね、と普通に感想を告げる。
「「気に入ったか!これにするか!」」
「う~~ん…」
持たされて、触れてみるとそのぬいぐるみは柔らかい素材でできているのか、とてもふわふわしていて手触りが良い。思わず頬ずりしたいなという衝動に駆られる。
しかし、ほんのりと右耳が暖かくなりハッとする。これは浮気ではないか?と。
だって俺にはアミュートという最高のもふもふがいるのに、俺は…俺は、ぬいぐるみに頬ずりしかけた…アミュート!ごめん!!
すると直ぐに右耳がほわっとして、そこから伝わる感情に俺はほっとした。
「気に入らないか?」
「んー」
正直、子供の人形を持つ姿は可愛いだろう。だがしかし、俺の中身は子供じゃないため羞恥心がある。15歳の思春期真っ只中の男の子に人形を持たせるのは……。まぁでもみんなはその事を知らないんだもんな。しかたないか。
せめてうさぎさんはやめて欲しい。
「うさちゃん、ちあうにょにゃい?」
「うさぎは嫌か?」
「う~ん…」
言い切ることは出来なかった。だってうさぎさんは可愛いし?好きだよ?でも、これはうさぎさんと言うより、うさちゃんじゃん?それは恥ずかしいというか……それに俺、中身どうこうなしで、男の子だよ?いくら2歳児でも男の子がうさちゃんは…ねぇ。
40
お気に入りに追加
785
あなたにおすすめの小説
動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!
海夏世もみじ
ファンタジー
旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました
動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。
そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。
しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!
戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!
一番モテないヒロインに転生しましたが、なぜかモテてます
Teko
ファンタジー
ある日私は、男の子4人、女の子4人の幼なじみ達が出てくる乙女ゲームを買った。
魔法の世界が舞台のファンタジーゲームで、プレーヤーは4人の女の子の中から1人好きなヒロインを選ぶ事ができる。
・可愛くて女の子らしい、守ってあげたくなるようなヒロイン「マイヤ」
・スポーツ、勉強と何でもできるオールマイティーなヒロイン「セレス」
・クールでキレイな顔立ち、笑顔でまわりを虜にしてしまうヒロイン「ルナ」
・顔立ちは悪くないけど、他の3人が飛び抜けている所為か平凡に見られがちなヒロイン「アリア」
4人目のヒロイン「アリア」を選択する事はないな……と思っていたら、いつの間にか乙女ゲームの世界に転生していた!
しかも、よりにもよって一番モテないヒロインの「アリア」に!!
モテないキャラらしく恋愛なんて諦めて、魔法を使い楽しく生きよう! と割り切っていたら……?
本編の話が長くなってきました。
1話から読むのが大変……という方は、「子どもの頃(入学前)」編 、「中等部」編をすっと飛ばして「第1部まとめ」、「登場人物紹介」、「第2部まとめ」、「第3部まとめ」からどうぞ!
※「登場人物紹介」はイメージ画像ありがございます。
※自分の中のイメージを大切にしたい方は、通常の「登場人物紹介」の主要キャラ、サブキャラのみご覧ください。
※長期連載作品になります。
俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
魔境暮らしの転生予言者 ~開発に携わったゲーム世界に転生した俺、前世の知識で災いを先読みしていたら「奇跡の予言者」として英雄扱いをうける~
鈴木竜一
ファンタジー
「前世の知識で楽しく暮らそう! ……えっ? 俺が予言者? 千里眼?」
未来を見通す千里眼を持つエルカ・マクフェイルはその能力を生かして国の発展のため、長きにわたり尽力してきた。その成果は人々に認められ、エルカは「奇跡の予言者」として絶大な支持を得ることになる。だが、ある日突然、エルカは聖女カタリナから神託により追放すると告げられてしまう。それは王家をこえるほどの支持を得始めたエルカの存在を危険視する王国側の陰謀であった。
国から追いだされたエルカだったが、その心は浮かれていた。実は彼の持つ予言の力の正体は前世の記憶であった。この世界の元ネタになっているゲームの開発メンバーだった頃の記憶がよみがえったことで、これから起こる出来事=イベントが分かり、それによって生じる被害を最小限に抑える方法を伝えていたのである。
追放先である魔境には強大なモンスターも生息しているが、同時にとんでもないお宝アイテムが眠っている場所でもあった。それを知るエルカはアイテムを回収しつつ、知性のあるモンスターたちと友好関係を築いてのんびりとした生活を送ろうと思っていたのだが、なんと彼の追放を受け入れられない王国の有力者たちが続々と魔境へとやってきて――果たして、エルカは自身が望むようなのんびりスローライフを送れるのか!?
もふもふで始めるVRMMO生活 ~寄り道しながらマイペースに楽しみます~
ゆるり
ファンタジー
☆第17回ファンタジー小説大賞で【癒し系ほっこり賞】を受賞しました!☆
ようやくこの日がやってきた。自由度が最高と噂されてたフルダイブ型VRMMOのサービス開始日だよ。
最初の種族選択でガチャをしたらびっくり。希少種のもふもふが当たったみたい。
この幸運に全力で乗っかって、マイペースにゲームを楽しもう!
……もぐもぐ。この世界、ご飯美味しすぎでは?
***
ゲーム生活をのんびり楽しむ話。
バトルもありますが、基本はスローライフ。
主人公は羽のあるうさぎになって、愛嬌を振りまきながら、あっちへこっちへフラフラと、異世界のようなゲーム世界を満喫します。
カクヨム様にて先行公開しております。
願いの守護獣 チートなもふもふに転生したからには全力でペットになりたい
戌葉
ファンタジー
気付くと、もふもふに生まれ変わって、誰もいない森の雪の上に寝ていた。
人恋しさに森を出て、途中で魔物に間違われたりもしたけど、馬に助けられ騎士に保護してもらえた。正体はオレ自身でも分からないし、チートな魔法もまだ上手く使いこなせないけど、全力で可愛く頑張るのでペットとして飼ってください!
チートな魔法のせいで狙われたり、自分でも分かっていなかった正体のおかげでとんでもないことに巻き込まれちゃったりするけど、オレが目指すのはぐーたらペット生活だ!!
※「1-7」で正体が判明します。「精霊の愛し子編」や番外編、「美食の守護獣」ではすでに正体が分かっていますので、お気を付けください。
番外編「美食の守護獣 ~チートなもふもふに転生したからには全力で食い倒れたい」
「冒険者編」と「精霊の愛し子編」の間の食い倒れツアーのお話です。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/2227451/394680824
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる