髪の色は愛の証 〜白髪少年愛される〜

第1章

59.そう言えば。

『『ユキ!!』』

アミュートとケインに呼ばれた気がし、気がつけばそこはいつもケインと会う白い不思議な空間だった。

「……」
『大丈夫か？…緊急じゃったから急いでこっちに飛ばしたのじゃ』
「…そんなことも出来るんだね」
『普段は体力消耗するから使わないのじゃが、緊急事態じゃったからな、仕方ないわい』

ということは俺の呼吸困難なさっきの状態は、ケイン的にも緊急事態だったということか。

「…そっか」
『それでお主、残念なお知らせじゃ』
「え?!?!」

まさか死んだ？！

『あ、違うぞ？別にしんだ訳では無い』
「あ、なんだ良かった」
『…まぁ“死”と比べれば良かったじゃろうが、普通に良くない事じゃ。死の次くらいには悪いことじゃ。』

転生2日目で死ぬことが1番の悪いニュースだとしたらそりゃ、どんな事でもましに思えるだろうけど、死の次くらいに悪いことってなんだ？
はっ！もしかして武部さんも死んだとか？！
それは残念どころの話じゃないんだけど？

『…お主、これからも身体、弱いかもしれん』
「え?!あ、なんだ、武部さんの事じゃないんだね」
『彼奴の事ではないが、そんなスルーするようなことではないと思うぞ？』
『そうだよ！大問題だよ?!』
「…確かに。武部さんの事じゃなかった安心の方が大きくて……というか聞いてたでしょ？心の声」
『わしもお主も今疲弊しておるから、聞こえんのじゃよ。』
「なるほど…じゃあケインのこと可愛いと思っててもバレないんだね」
『たった今バレたがな』
「大丈夫。まだ思ってないから」
『……そんなことよりじゃ！』
「あ、はい」

……聞きたいような聞きたくないような事だったから、誤魔化そうと思ったのに誤魔化せなかった。
だって、せっかく転生したのに身体弱くなるかもって……しかも今発覚したことみたいな雰囲気だし、魂と馴染んでいない時に疲弊しすぎた。みたいな理由な気がするし。

「それで、理由は…？」

まぁ一応聞くけど。

『…お主の魂が馴染む前に疲弊しすぎたせいじゃ。その疲弊した状態で馴染んでしまうと、それが普通になってしまうのじゃ。』

ほらやっぱり。

「じゃあ、異世界産のものは使えなくなるかも？」
『いや、それは体がこの世界に適したものじゃから問題ない。じゃが、魂は拒絶反応を何度も起こしておるから、丈夫な体にはなれないかもしれないということじゃ』
「つまり、虚弱体質になってしまうかもってこと？」
『そこまで酷くはないと思うがまぁ、そういうことじゃな』

はぁ…まじかよ。せっかく人気な世界特典を付けてもらってたのに。
……あ。

「そう言えば、異世界特典ってなんだったの？」
『…心の声が聞こえないのは不便じゃな』
「あ、異世界特典貰ったのに虚弱体質だったら力使って強くなるとか出来なそうだな～みたいな思考から、そう言えば何貰ったんだろう？みたいな流れです。」
『なるほどな…逆になんじゃと思う？』

質問返しかよ。さんざん苦しい思いして心が荒んでる人にそんな事しないで欲しいけど、ケインだから許す。

「んー……鑑定とインベントリと魔法使える系のと、たくさんの魔力……くらいしか思いつかない。」
『そうじゃな、それ全部つけておるぞ』
「おぉ!!!」
まじか。





𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
予約投稿設定中に寝落ちてしまい、投稿遅れてしまいました。すみません…