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第1章

53.やっぱムリそう。

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水飲んで、少しして、まだ気持ち悪いけどお腹が空っぽで少しなにか入れたいなと思い始めた。

「ねぇ、にゃにか、たぇたい…たぇちゃ、りゃめ?」
「ん~医者からは今日は極力食べさせるなって言われてるんだけど、食べさせるならお腹に優しいものだけだとも言われてるから、ユキの好きなスープ持ってこようか?」
「…ありぇ、くっちゅいてにゃいにょ?」
「あれだけでも頼めるよ」
「いりゅ!」
「わかった、持ってくるな」
「ありぁちょう!」

どうやらスープは単品でも頼めるみたいだ。
……ただ、スープ飲んで吐かないか心配だ。あのスープ具が入ってるし。
薬入りの水はまぁ、吐かなかったけど気持ち悪かったし、少し嘔吐いたし、どうだろうか…?

そうこうしていると、すぐにノアさんがスープと小さめのパンを持って部屋へ入ってきた。

「ほら、持ってきたぞ~」
「ありあちょう!」
「…食えそうか?」

まぁ見ただけじゃ判断つかないよ、普通。
匂いも美味しそうだな~早く食べたいな~って思うだけで嘔吐感を誘われるようなことは無い。
まぁ多分大丈夫でしょ!

「たえりゅ!」
「そうか、たべさそうか?」
「いー!ちぅんれたえりゅ」
「そうか、はい、どうぞ」
「ん、ありぁちょう」

ノアさんが俺にスープなどが乗ったお盆ごと渡し、スプーンを持たせてくれた。
俺はまだベッドの上にいて上半身を起こした体勢だったため、お盆を太ももの上に置き、少しお行儀が悪い気がするがそのまま食べることにした。
スプーンで1口具と一緒に掬って口に運ぶ。
具を少し咀嚼し、一緒に飲み込む。
口に入れた時は美味しいな~大丈夫そうだな~なんて考えていたが、飲み込むとやっぱり気持ち悪くなってくる。

…どうしよう止めるべき?でももう一口だけでも食べたい。
でも次食べたらもっと気持ち悪くなりそう。
じゃあスープだけでも飲むか?具を食べるからダメなのかな?そういう問題じゃない?

「ユキ、無理そうなら無理して食べなくていいからな」
「そうだぞ」
「ユキ、無理そう?」
「……もうちょっちょたえりゅ」
「そうか、無理するなよ」
「………あい」

欲に負けてつい食べると言ってしまった。
ま、まぁ、食欲はあるから決して無理をしている訳では無いので嘘ではない、はず!大丈夫!よし食べよう!

意を決してスプーンでもう一口掬い口に運ぶ。
今回は具を掬わなかったのでスープをだけをこくんと飲み込む。
……やはりダメなようだ。さっきよりも気持ち悪くなった。もう一口でも何かを口に入れると吐くだろう。流石にもうダメだ。

「ユキ、もう食わないのか?気持ち悪いか?大丈夫か?」
「ん…も、ちょっちょ、たぇちゃいけろ、も、きもち、わりゅい……」
「そうか、無理はしなくていい。二口も食えて偉いな」

ガイさんに褒められ、ヨシヨシと頭を撫でられる。
俺はもうちょっと気持ち悪くて吐きそうで辛いのでもそもそと動き横になる。

しかし、選択ミス。
寝っ転がって、横を向いて、天井を向いて。
何をしても横になっている時点で胃と口が平行になり、いつでも出れるよ~みたいな感じになっている。座っていたら押し上げる力が必要だが、寝ているとそれはほとんど要らない。体制としては楽だが、吐き気に耐えるなら向いていない。
しかし起き上がろうにももう遅い。今動けば確実に吐く。お腹に力を入れて起き上がるなんて行為をしたら確実に。さっき横向きから仰向けになっただけでも吐きそうになったのに。
無理だどうしよう……。

「ユキ…?どうした気持ち悪いか?吐きそうか?」
「ん…ぁき、しょう…きもち、わりゅいぃ……」










𓂃◌𓈒𓐍◌𓈒
次回ほとんど嘔吐表現です。
苦手な方はご注意を…。


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