自由に、そして幸せに。

あめ

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「おい!だれ…だ…?子供?」
「あ、あの、驚かせてすみません。
俺たちは迷子で、この村にはさっき着いたんです。そしたら燃えてたので、入口からここまで消しながら来ました。
なので俺達が放火したわけじゃありません。
寧ろ俺達は魔法が使えるので、消火作業を手伝います。」

ユウちゃんが僕の代わりに伝えてくれたけど、なんか、子供らしからぬ話し方……僕ら今5歳ほどじゃなかったっけ?ハハ…

「ユウちゃん、僕ら5歳だよ。大人びすぎてない?話し方((コソッ))」
「あ…」

「何だおめぇら、貴族のガキか?」

ほら、変な勘違いされてる。まぁそう思うよね。ここ貴族とか居るみたいだし。敬語でしっかりした喋りの子供が居たら貴族の子かなって思うよね。

「い、いえ、違います!あ、違う。あ?もういっか…」
「ちょっと、諦めないで…!((コソッ))」
「だってもう敬語話せることはバレてるんだし、俺ら記憶喪失設定だし((コソッ))」
「あーじゃあいっか((コソッ))」
「おう((コソッ))」

「あ?なんだ?」
「あ、ごめんなさい。俺達が記憶なくって、貴族…はちょっとわかんないんで違うと思います」
「え?じゃあ君たち記憶喪失なの?どこから来たの?」
「大丈夫なの?」
「あ、えっと、さき、先!消火しましょ!家、燃えてますし…」
「あ、そうねごめんなさい、でももう私たち水がないのよ…」
「そういやおめぇ魔法使えるから消火出来るとか言ってやがったな?本当か?」
「本当です。ここまでも消しながら来ました」
「たしかに、消えてるわね…」
「そっちのガキも使えるのか?」
「((ビクッ))」
「…使えます。ここまで2人で消しながら来ましたから」
「じゃあちょっと水出してみろよ」
「分かりました。
((バシャッ))
はい」
「「「おー」」」

ユウちゃんが近くの炎に水をかけると、村の人達が感心の声を上げた。

「おい、そっちのガキもやってみせろよ」
「((ビクッ))」
「ミカ、出来る?((コソッ))」
「((こくん))
((バシャッ))
ん」
「「「おー」」」

「凄いわね、詠唱なしでこれだけの水を2人とも簡単に出してしまうなんて…」
「ええ、それに、ここまで2人で消しながら来たんでしょ?魔力まだ残ってるの?」

どうやら普通は詠唱するみたいだね。
そんなの恥ずかしくてできません。それに、手紙にも念じればって書いてたし。まぁ唱えるともあったけど。

「魔力はまだあると思います。2人で手分けして消してましたから」
「そう…無理はしないでね」
「はい。お気遣いありがとうございます」
「ええ…(それにしてもしっかりした子ね…)」
「じゃあ、消してきますね。
行こうミカ((コソッ))」
「ん((こくん))」
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