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第八十二話 ルナの幼馴染
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ドタバタな朝食を終え、俺たちは出かける準備をする。ルナが久々に友達に会うのと俺の紹介を兼ねてだ。
一方、アイーダは一度家に戻るようだ。今日の分の仕事もあるし、ヤンガルの事も気になると言っていた。一言、酔いつぶれて使い物にならなかったらどうしましょう、だそうな。闇落ちした笑みだったのは気のせいだと思いたい……
「んで、ラフィアはどうする?」
「勿論、晴成さんたちと一緒に行きます。嫁仲間としてご友人に確りとご挨拶をしなくてはいけませんから」
へー、そんなものか。まぁ、仲が良いことは助かるので特に口を挟むことは無い。ひょっとしたら、エリーの友人にも同じことをしたのかな?
「分かった。準備出来たら言ってね」
彼女は、はい、と返し、テキパキと準備していく。
◇◆◇◆
カンカン
「おはようございます。ナタリアは居ますか?」
ルナが実家と然程変わらない造りの家をノックする。
今はまだ朝八時ごろ。日本なら休日に他人宅に伺うには今少し早い。が、此処は異世界の開拓村。夜明けと共に日々が始まる。なので、彼らにとっては既に一仕事終えてる時間なのだ。
「おや、ルナちゃんじゃないか。昨日は結婚祝いに宴を開いてくれたって聞いて、おばさんもご相伴に預かっちゃった、ありがとね。あんなに美味しい料理初めて食べたわ。でも、あんなに椀飯振る舞いをして大丈夫なのかい?」
顔を出したのはもうじきアラフォーといった細身のおばさんだった。アイーダに比べれば随分と年相応だろう。
「大丈夫だと思いますよ。ウナさんのお店大きいし、何よりダーリンは強いですからあれくらいなら狩ってきたモンスターで賄えちゃいます」
矢継ぎ早に捲し立てられたのにヒラリ、と返すルナ。口で女に勝つなんて無理なのだと改めて思い知らされる。
「そうかい? それなら良いんだけど。まぁ、お土産までもらっておいてこんな心配をするのも変な話だけどね。それでそっちの子供は?」
ん? と首を傾げる彼女。
「こっちがダーリン。今話した様にとっても強いの。で、彼女はラフィアちゃん。ダーリンの最初の奥さんで、お嫁さん仲間だよ」
「そ、そうかい。まぁ、幸せそうで何よりだね。あぁ、そうだった、ナタリアだったね。あの子は半年ほど前に結婚して家を出たんだ。ほら、あそこの……」
今、明らかにはぐらかされたよな? お飯事と思ったのか、面倒ごとと思ったのか……
「うん、うん、分かった。ありがとう、おばさん。私行ってみる。あ、それとおみやげ。クッキーの詰め合わせだよ」
はい、と渡すルナ。
「良いのかい? 昨日から貰いものばかりしているけど……」
「おばさん、気にしないで。ダーリンはすごいんだから。じゃぁ、もう行くね」
「えぇ、気を付けてね。それと、又いつでも顔を見せにおいで」
久しぶりに娘の友達の顔が見れて嬉しかったのか、彼女はとてもいい笑顔で見送りしてくれた。
ルナを先頭に歩きだす。小さな村という事も有り、暫く歩くと程無くして目的地が見えたようだ。
「あ、あれじゃないかな?」
家のサイズは画一的なのか、確かに同じタイプの家が見えた。ただ、新築なのか表面はとてもきれいだった。
そう言えばルナは実家にいた時は隙間風がひどかった、と言っていたが、案外、乾燥が甘いからではなかろうか。乾燥が甘いと木が蓄えた水分量だけ材木が縮むのだ。
などと益体も無いことを考えていると目的の家に着き、ルナがノックをする。
中から返事が聞こえ、程無くして少女が顔を出した。
「誰です……って、ルナ?」
「お久しぶり、ナタリア」
突然の訪問に彼女はひどく驚いたようだった。
ルナの一つ上と言っていたかな? 日本なら天下の女子高生だ。それが既に成人扱いで合法的に交際、結婚が出来る。オヤジ共が異世界転生を願うわけだよ……
《マスターは出来たからそう言えるけど、出来ないでいる人たちは常に血の涙を流しているんだって!》
妙に熱が入っているが、何かあったか?
「昨日、凄い宴を開いてたけど、お金持ちの人の愛人にでもなったの?」
「もう、ナタリアったら、違うよ。私はここに居るダーリンの四番目の奥さんになったの!」
不安そうに聞いてくる彼女に、勘違いもいいとこ、と訂正をするルナ。そんなナタリアは俺に目を向けて、
「ハーフドワーフ?」
と聞いてきた。
成人したドワーフは既に筋骨隆々なのだが、ハーフドワーフはドワーフの血に引かれて人間のまま身長が伸びなかったりすることがある。だから彼女はそう聞いたのだ。
「人間です(一応は……)」
ボソッと付け加える。
「そうなの? まぁ、良く分からないけど、こんなところで立ち話もなんだし、中に入って。そちらの二人もどうぞ」
マルチナは快く家の中へと迎えてくれた。俺たちは、お邪魔します、と断りながら彼女のもてなしを受ける。
家に入って最初に思ったことはルナの実家と間取りが同じだ、という事だ。案外、家の設計図が一枚しかないのかもしれない。それか無しでも作れるのがこのタイプなのか。
アイーダの家にもあった小さなテーブルを囲むように座り、ルナが俺たちを紹介してくれた。
「マルチナ、改めて紹介するね。こっちがダーリンで私の旦那さん。名前は雨宮晴成さん。で、その隣に座っているのがラフィアちゃん。ダーリンの最初の奥さんでお嫁さん仲間だよ」
「初めまして、雨宮晴成です。縁あってルナと結婚しました。どうぞよろしく」
「初めまして、ラフィアです。ルナとは嫁仲間なので仲良くしてくださいね」
「あ、私はマルチナです。ルナとは幼馴染です。昨日の御馳走、ありがとうございました」
俺たちが頭を下げると彼女も合わせるように頭を下げる。
「あ、マルチナ、お土産。クッキーの詰め合わせだよ。さっきおばさんにも渡してきた」
「いいの? ありがとう!」
気の置けない仲なのだろう。彼女は笑顔で受け取ってくれた。
「しかし驚いた。マルチナってば結婚しているんだもの」
「それはこっちのセリフよ。しかもこんなお金持ちの人となんて……」
「あはは、お互い様だったね。お相手はラグーンさんって聞いたけど、ラグーンさんってあの“ウド”さん?」
「んもう、人の旦那を“ウド”呼ばわりしない。まぁ、でもそうよ。あの“ウド”さんよ」
“ウド”さんとはマルチナより七つ年上の男性で、体は大きいのだが、とかく要領が悪く、同年代からは相手にされなかった可哀想な人らしい。んで、小さいマルチナはお山の大将宜しく、彼を子分にしていたのだそうな。ルナの印象としてはそれをそれほど嫌がっていたとは思えず、山菜取りや果実狩りを一緒にしてくれた、という感じらしい。
因みに、ルナが家を出る前はマルチナはまだ結婚しておらず、彼女も“ウド”と呼んでいたそうな。
しかし、随分と名前負けしているなぁ……“ラグーン”って響きが良いのに。
「まぁ、でも、彼も良い所あるのよ? 優しいし、力持ちだし、何より……」
ずい、とルナに近づくと、
「夜の生活がすごいの!」
と、声のトーンを落として言う。
薄い本みたいなシチュだな! とは内緒の話。
「彼ったら一回が長いくせに三回もするのよ。しかも毎日!」
キャー、言っちゃった! と顔を赤らめて恥ずかしがるマルチナ。
女の猥談は嫌いじゃないけど慣れない。恥ずかしいのだ。
とは言え、旦那も若いなぁ、とは思う。二十代半ばなら流石に毎日三発は余程体力ないと無理じゃね? と思うし。
「え? マルチナ、それってすごいの?」
恥ずかしがっている彼女を余所にルナが首を傾げる。
「すごいわよ。ママから聞いたけど、普通は一日一回だって。それにパパは二日に一回がやっとだったって言ってたもの! ママったら羨ましがってたんだから。ったく、ルナってばお子様ね」
「そうなんだ、知らなかった。ダーリン、一晩中なんだもの……しかも毎日」
え? と固まるマルチナ。
ルナさん、何暴露してるの! うちの事情は良いでしょ?
「え? 一晩中を毎日?」
「うん。ラフィアちゃんとエリーさんと三人で交代しながら毎日してる。って言っても途中で寝落ちちゃうんだけどね」
ハイハイそうですね。ルナもエリーも体力が続く限りなのだが、ラフィアは基本、睡眠不要の体力無尽蔵。んで、俺も飽きないからラフィアとは結局一晩中交わっているわけで、出先とかで“お預け”が無い限りは猿の如くしてるのが実情です……
《サルだってそんな体力ないよ?》
さり気無くアルルにディスられた。
《まぁ、この世界は“しこしこピュッ”が推奨されてるからマルチナの旦那は変わり者の部類なんだよ》
(まじで? 二こすり半? 三こすり半以下?)
《大マジ! 戦争が有って、略奪OK! な世界だからね。彼は体力はともかくとして“遅漏”みたいだね。愛の営みならそっちのほうが嬉しいけど、強姦される方からしたら早く済んだ方が楽なのかも》
法が未熟で戦争が有れば現状はそんなものか、と遣る瀬無くなる。
「何それ、体験してみたい……」
ゴクリとのどを鳴らすマルチナ。
女性って、そういう事に好奇心旺盛なの? 個人的にはエッチなこと知りません(表向き)、けど、感度抜群です。って方が燃えるんだけど? あ、ご奉仕タイプは別ね!
「っと言われても……どうする、ダーリン?」
困った顔でこちらを向くルナ。く~ん、と子犬みたいにして庇護欲がむくむくと出てくる。
「えっと、数日夫婦の営みをやめて、その間はなるべく精力のつくものを食べさせてみてください。似た事は体験できると思います」
庇護欲出ても、一線超えちゃダメ。
《もうまとめて相手してあげなよ。この世界の女性は欲求不満なんだって。前戯も愛撫も無い二こすり半で満足なんか出来るわけ無いでしょ!》
ぷんすかと怒るアルルだが、耳を馬にしてやり過ごすことにする。
その後はルナたちの昔話が花を咲かせ、彼女たちは懐かしそうに談笑していた。
ふと、もう会う事の出来ない旧友は丈夫で居るだろうか、と懐古の念が募った。
一方、アイーダは一度家に戻るようだ。今日の分の仕事もあるし、ヤンガルの事も気になると言っていた。一言、酔いつぶれて使い物にならなかったらどうしましょう、だそうな。闇落ちした笑みだったのは気のせいだと思いたい……
「んで、ラフィアはどうする?」
「勿論、晴成さんたちと一緒に行きます。嫁仲間としてご友人に確りとご挨拶をしなくてはいけませんから」
へー、そんなものか。まぁ、仲が良いことは助かるので特に口を挟むことは無い。ひょっとしたら、エリーの友人にも同じことをしたのかな?
「分かった。準備出来たら言ってね」
彼女は、はい、と返し、テキパキと準備していく。
◇◆◇◆
カンカン
「おはようございます。ナタリアは居ますか?」
ルナが実家と然程変わらない造りの家をノックする。
今はまだ朝八時ごろ。日本なら休日に他人宅に伺うには今少し早い。が、此処は異世界の開拓村。夜明けと共に日々が始まる。なので、彼らにとっては既に一仕事終えてる時間なのだ。
「おや、ルナちゃんじゃないか。昨日は結婚祝いに宴を開いてくれたって聞いて、おばさんもご相伴に預かっちゃった、ありがとね。あんなに美味しい料理初めて食べたわ。でも、あんなに椀飯振る舞いをして大丈夫なのかい?」
顔を出したのはもうじきアラフォーといった細身のおばさんだった。アイーダに比べれば随分と年相応だろう。
「大丈夫だと思いますよ。ウナさんのお店大きいし、何よりダーリンは強いですからあれくらいなら狩ってきたモンスターで賄えちゃいます」
矢継ぎ早に捲し立てられたのにヒラリ、と返すルナ。口で女に勝つなんて無理なのだと改めて思い知らされる。
「そうかい? それなら良いんだけど。まぁ、お土産までもらっておいてこんな心配をするのも変な話だけどね。それでそっちの子供は?」
ん? と首を傾げる彼女。
「こっちがダーリン。今話した様にとっても強いの。で、彼女はラフィアちゃん。ダーリンの最初の奥さんで、お嫁さん仲間だよ」
「そ、そうかい。まぁ、幸せそうで何よりだね。あぁ、そうだった、ナタリアだったね。あの子は半年ほど前に結婚して家を出たんだ。ほら、あそこの……」
今、明らかにはぐらかされたよな? お飯事と思ったのか、面倒ごとと思ったのか……
「うん、うん、分かった。ありがとう、おばさん。私行ってみる。あ、それとおみやげ。クッキーの詰め合わせだよ」
はい、と渡すルナ。
「良いのかい? 昨日から貰いものばかりしているけど……」
「おばさん、気にしないで。ダーリンはすごいんだから。じゃぁ、もう行くね」
「えぇ、気を付けてね。それと、又いつでも顔を見せにおいで」
久しぶりに娘の友達の顔が見れて嬉しかったのか、彼女はとてもいい笑顔で見送りしてくれた。
ルナを先頭に歩きだす。小さな村という事も有り、暫く歩くと程無くして目的地が見えたようだ。
「あ、あれじゃないかな?」
家のサイズは画一的なのか、確かに同じタイプの家が見えた。ただ、新築なのか表面はとてもきれいだった。
そう言えばルナは実家にいた時は隙間風がひどかった、と言っていたが、案外、乾燥が甘いからではなかろうか。乾燥が甘いと木が蓄えた水分量だけ材木が縮むのだ。
などと益体も無いことを考えていると目的の家に着き、ルナがノックをする。
中から返事が聞こえ、程無くして少女が顔を出した。
「誰です……って、ルナ?」
「お久しぶり、ナタリア」
突然の訪問に彼女はひどく驚いたようだった。
ルナの一つ上と言っていたかな? 日本なら天下の女子高生だ。それが既に成人扱いで合法的に交際、結婚が出来る。オヤジ共が異世界転生を願うわけだよ……
《マスターは出来たからそう言えるけど、出来ないでいる人たちは常に血の涙を流しているんだって!》
妙に熱が入っているが、何かあったか?
「昨日、凄い宴を開いてたけど、お金持ちの人の愛人にでもなったの?」
「もう、ナタリアったら、違うよ。私はここに居るダーリンの四番目の奥さんになったの!」
不安そうに聞いてくる彼女に、勘違いもいいとこ、と訂正をするルナ。そんなナタリアは俺に目を向けて、
「ハーフドワーフ?」
と聞いてきた。
成人したドワーフは既に筋骨隆々なのだが、ハーフドワーフはドワーフの血に引かれて人間のまま身長が伸びなかったりすることがある。だから彼女はそう聞いたのだ。
「人間です(一応は……)」
ボソッと付け加える。
「そうなの? まぁ、良く分からないけど、こんなところで立ち話もなんだし、中に入って。そちらの二人もどうぞ」
マルチナは快く家の中へと迎えてくれた。俺たちは、お邪魔します、と断りながら彼女のもてなしを受ける。
家に入って最初に思ったことはルナの実家と間取りが同じだ、という事だ。案外、家の設計図が一枚しかないのかもしれない。それか無しでも作れるのがこのタイプなのか。
アイーダの家にもあった小さなテーブルを囲むように座り、ルナが俺たちを紹介してくれた。
「マルチナ、改めて紹介するね。こっちがダーリンで私の旦那さん。名前は雨宮晴成さん。で、その隣に座っているのがラフィアちゃん。ダーリンの最初の奥さんでお嫁さん仲間だよ」
「初めまして、雨宮晴成です。縁あってルナと結婚しました。どうぞよろしく」
「初めまして、ラフィアです。ルナとは嫁仲間なので仲良くしてくださいね」
「あ、私はマルチナです。ルナとは幼馴染です。昨日の御馳走、ありがとうございました」
俺たちが頭を下げると彼女も合わせるように頭を下げる。
「あ、マルチナ、お土産。クッキーの詰め合わせだよ。さっきおばさんにも渡してきた」
「いいの? ありがとう!」
気の置けない仲なのだろう。彼女は笑顔で受け取ってくれた。
「しかし驚いた。マルチナってば結婚しているんだもの」
「それはこっちのセリフよ。しかもこんなお金持ちの人となんて……」
「あはは、お互い様だったね。お相手はラグーンさんって聞いたけど、ラグーンさんってあの“ウド”さん?」
「んもう、人の旦那を“ウド”呼ばわりしない。まぁ、でもそうよ。あの“ウド”さんよ」
“ウド”さんとはマルチナより七つ年上の男性で、体は大きいのだが、とかく要領が悪く、同年代からは相手にされなかった可哀想な人らしい。んで、小さいマルチナはお山の大将宜しく、彼を子分にしていたのだそうな。ルナの印象としてはそれをそれほど嫌がっていたとは思えず、山菜取りや果実狩りを一緒にしてくれた、という感じらしい。
因みに、ルナが家を出る前はマルチナはまだ結婚しておらず、彼女も“ウド”と呼んでいたそうな。
しかし、随分と名前負けしているなぁ……“ラグーン”って響きが良いのに。
「まぁ、でも、彼も良い所あるのよ? 優しいし、力持ちだし、何より……」
ずい、とルナに近づくと、
「夜の生活がすごいの!」
と、声のトーンを落として言う。
薄い本みたいなシチュだな! とは内緒の話。
「彼ったら一回が長いくせに三回もするのよ。しかも毎日!」
キャー、言っちゃった! と顔を赤らめて恥ずかしがるマルチナ。
女の猥談は嫌いじゃないけど慣れない。恥ずかしいのだ。
とは言え、旦那も若いなぁ、とは思う。二十代半ばなら流石に毎日三発は余程体力ないと無理じゃね? と思うし。
「え? マルチナ、それってすごいの?」
恥ずかしがっている彼女を余所にルナが首を傾げる。
「すごいわよ。ママから聞いたけど、普通は一日一回だって。それにパパは二日に一回がやっとだったって言ってたもの! ママったら羨ましがってたんだから。ったく、ルナってばお子様ね」
「そうなんだ、知らなかった。ダーリン、一晩中なんだもの……しかも毎日」
え? と固まるマルチナ。
ルナさん、何暴露してるの! うちの事情は良いでしょ?
「え? 一晩中を毎日?」
「うん。ラフィアちゃんとエリーさんと三人で交代しながら毎日してる。って言っても途中で寝落ちちゃうんだけどね」
ハイハイそうですね。ルナもエリーも体力が続く限りなのだが、ラフィアは基本、睡眠不要の体力無尽蔵。んで、俺も飽きないからラフィアとは結局一晩中交わっているわけで、出先とかで“お預け”が無い限りは猿の如くしてるのが実情です……
《サルだってそんな体力ないよ?》
さり気無くアルルにディスられた。
《まぁ、この世界は“しこしこピュッ”が推奨されてるからマルチナの旦那は変わり者の部類なんだよ》
(まじで? 二こすり半? 三こすり半以下?)
《大マジ! 戦争が有って、略奪OK! な世界だからね。彼は体力はともかくとして“遅漏”みたいだね。愛の営みならそっちのほうが嬉しいけど、強姦される方からしたら早く済んだ方が楽なのかも》
法が未熟で戦争が有れば現状はそんなものか、と遣る瀬無くなる。
「何それ、体験してみたい……」
ゴクリとのどを鳴らすマルチナ。
女性って、そういう事に好奇心旺盛なの? 個人的にはエッチなこと知りません(表向き)、けど、感度抜群です。って方が燃えるんだけど? あ、ご奉仕タイプは別ね!
「っと言われても……どうする、ダーリン?」
困った顔でこちらを向くルナ。く~ん、と子犬みたいにして庇護欲がむくむくと出てくる。
「えっと、数日夫婦の営みをやめて、その間はなるべく精力のつくものを食べさせてみてください。似た事は体験できると思います」
庇護欲出ても、一線超えちゃダメ。
《もうまとめて相手してあげなよ。この世界の女性は欲求不満なんだって。前戯も愛撫も無い二こすり半で満足なんか出来るわけ無いでしょ!》
ぷんすかと怒るアルルだが、耳を馬にしてやり過ごすことにする。
その後はルナたちの昔話が花を咲かせ、彼女たちは懐かしそうに談笑していた。
ふと、もう会う事の出来ない旧友は丈夫で居るだろうか、と懐古の念が募った。
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